国際薬膳師おすすめ!脾胃を整えて残暑を乗り切る!
作り置きOKの薬膳レシピ2種
今回は、夏の暑いさ中でも気軽に薬膳にトライしていただけるよう、お手軽でかつ作り置きが可能なレシピをご用意しました。もちろん、薬膳の視点で食材を組み合わせた栄養効果が高いレシピです。毎日のお献立の中にぜひ取り入れてみてください。
Naturalist Web Magazine_Vol.17「残暑を乗り切るために!脾胃を整えるための薬膳のススメ」では、暑気払いに最適な食材を多数ご紹介いたしましたので、あわせてご覧ください。
国際薬膳師 淺井
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【 手作り甘酒と甘酒を使ったかぼちゃのスムージー】
自然な甘さが身体に染みる砂糖不使用の甘酒と、甘酒とかぼちゃのスムージーがご自宅で簡単に作れるレシピです。
ご自宅にある炊飯器を使えば美味しい甘酒をお手軽に作ることができますよ。出来上がった甘酒は、そのまま飲むもよし、スムージーとして楽しむのもよし。さらに、お砂糖の代わりにいろいろな料理に入れても美味しくなるので、ぜひお試しください。
<材料>
甘酒 (出来上がり量約900㎖)
お米 | 1合 |
乾燥米麹 | 250g |
水 | 適量 |
スムージー(2人分)
甘酒 | 100㎖ |
かぼちゃ | 100g |
バナナ | 100g |
豆乳 | 200㎖ |
※かぼちゃ、バナナの分量は可食部のみ |
<作り方>
甘酒の作り方
・炊飯器でお米一合分をおかゆの目盛りで炊いておかゆを炊く。
・炊けたら炊飯器のスイッチをいったん切り、炊飯器から釜を外して10分ほど少しかき混ぜながら冷ます。
〈注意〉
60℃くらいまで下げないと麹菌が熱で失活してしまうため、できれば温度計で計るようにしましょう。60℃の目安は、かなり熱いがしばらくは触っていられるくらいの温度です。
・おかゆが60℃程度に冷めたら、米麹を3回くらいに分けておかゆに混ぜていく。
・米麴を全体に混ぜたら、炊飯釜を戻して保温に設定する。蓋は閉じずに、そのまま開けておく。ほこりが入るといけないので、塗れたフキンを炊飯器の上にかぶせておく。
・一時間程度経過したのち一度全体を混ぜたら、再度フキンをかぶせて7時間ほどそのまま置いておけば、美味しく体に良い甘酒の完成です。
〈注意〉
甘酒はデリケートな飲み物です。日中の気温の高い時などに、クーラーがない場所で作ると傷んでしまう場合もありますのでお気を付けください。
・残った甘酒は、冷蔵庫で保存するほか(1週間程度)、冷凍保存(3か月程度)も可能です。
・保存しておいた甘酒を使用する際には、麴菌が死滅しないよう、60度以上の温度で加熱しないように注意してください。
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スムージーの作り方
・かぼちゃのワタと種を取り、皮を削いでから、5㎜程度の厚さに切った後、電子レンジで加熱する。
・バナナは適当な大きさにカットしておく。
・甘酒、かぼちゃ、バナナ、豆乳を入れ、ミキサーにかければ完成です。
〈注意〉
少し濃度がある仕上がりになります。さらりとした飲み心地がお好みの場合は、豆乳などでお好みの濃度に調節してください。
かぼちゃはまとめて加熱して小分けに冷凍しておくと、次回は簡単に作れるほか、ほかの料理にも使えるので便利です。
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<薬能と食材>
清熱・・・バナナ 健脾・・・甘酒、豆乳 補気・・・かぼちゃ、甘酒 |
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<薬膳解説>
甘酒は、古来より夏バテを防ぐ飲み物として飲まれていました。栄養学的にも「飲む点滴」といわれ、身体に吸収されやすい栄養素が豊富にあることが知られています。
カボチャは補気の働きに優れた食材で、バナナは体の余分な熱を冷ます食材ですので、朝に飲むととても活力を生む夏向きの薬膳ドリンクになります。
このレシピはアレンジも可能です。例えば、かぼちゃをキウイに変えるとより体の熱を冷ます事ができるので、特に暑い日にオススメです。体調やお好みに応じて色々な組み合わせができます。旬の果物や野菜で、楽しみながらアレンジでしてくださいね。
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【冬瓜と鶏肉の味噌煮】
夏の暑さで食欲が低下したときにもおいしくいただける味付けです。胃腸の働きを良くしてくれる食材たっぷり。暑い日や身体に熱がこもってると感じたときには、冷やして美味しい一品。お腹の不調がある時には、温めて召し上がってください。
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<材料> (2人分)
鶏もも肉 | 150g |
冬瓜 | 900g (普通の大きさで1/4個分) |
しめじ | 200g |
オクラ | 3本 |
茗荷 |
2本 |
干しシイタケのだし |
<調味料>
麦みそ | 大さじ2 |
濃口醤油 | 大さじ1/2 |
塩 | 適量 |
<作り方>
1.具材の準備をする
・鶏肉、冬瓜は一口大にカットする。普段は削いでよける冬瓜のワタも、種をとれば普通に美味しくいただくことができるので、同じようにカットしておく。
・しめじは石づきをとり、ばらしておく。
・オクラは輪切りにカット、茗荷は芯の部分はカットして繊維に沿ってスライスしておく。
2.調理する
・干しシイタケの戻し汁を火にかける。戻した干しシイタケをスライスしてから入れる。
・カットした冬瓜、鶏肉、しめじを入れたら、20分程中火で炊く。
・火を止めた後、調味料を入れる。飾りにオクラと茗荷を添えたら完成。
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<薬能と食材>
清熱・・・冬瓜 健脾・・・味噌、おくら、しめじ 補気・・・鶏肉、干しシイタケ 理気・・・茗荷 |
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<薬膳解説>
麦みそは、愛知県ではあまりなじみがないものですが、九州地方では一般的な味噌です。豆味噌に比べると、体を冷ます働きがある暑い夏におすすめの調味料です。もちろん、豆味噌でも美味しく作ることができますので、お好みに合わせてお使いください。
鶏肉はおなかに負担が少なく、気を補って元気にしてくれる食材。オクラや茗荷は、夏に旬を迎える食材で、気の巡りを良くして胃腸を整え夏バテの予防や回復に効果的です。
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今回は2種類のレシピをご紹介しました。
いずれのレシピも酷暑で不足しがちな「気」を補い、脾胃を整えてくれる旬の食材をたっぷり使っています。涼しい時間や余裕のあるときに作り置きしておけば、もしかしたら夏バテ?と感じたときはもちろん、酷暑を乗り切るための栄養補給としていつでも活用できますから、ぜひ、今回の薬膳料理にチャレンジしてみてください!
身近な食材がもたらす様々な働きに感謝しながら、お気軽に薬膳料理をお楽しみいただければ幸いです。