知ってほしい!骨とヨガの関係

10月もあと少し。あと半月もすれば、紅葉やイチョウが色づき始め、秋ならではの美しい光景があちらこちらで見られるようになりますね。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.26をお届けいたします。

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今年は、新型コロナウイルスの蔓延の影響で私たちのライフスタイルも激変しました。健やかでいることの大切さや難しさを肌で感じ、自分の健康について改めて考え始めた方も、多いのではないでしょうか。

今、世の中には健康について様々な情報が溢れて、日々新たな健康法も生まれていますが、あまり注目されていないのが「骨」についてです。

「骨」は、人が生きる上で重要な役割をしていますが、一般的に関心度は高くありません。でも、骨が丈夫であれば、年齢を重ねても生活の質を維持できます。

そこで今回は、改めて「骨」がどのような役割をしているのか、意外と知られていない、骨を丈夫にするのにヨガがおすすめな理由を解説。さらに、女性なら誰でも気になる加齢とともに起きやすい、骨粗しょう症の予防法にもなるヨガのポーズなどを、自然の薬箱のヨガインストラクター 田島理帆よりお届けいたします。

今からすぐ始められる「骨」を丈夫にするため方法を、毎日の生活に取り入れてみませんか?

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<目次>

 1.   まずは骨の役割を振り返ろう

 2.   骨を強化するには刺激が大事!

 3.   更年期が来たら骨粗しょう症に注意!

 4. 骨の強化にヨガがおすすめな理由って?

 5.   大切なのは運動に食事、そしてしっかり休むこと


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1.まずは骨の役割を振り返ろう

私たちの形を作っている骨は身体を支えるだけでなく、血液を作り出したりと、生きる上で欠かせない働きをしています。

骨が担う5つの役割を振り返ってみましょう。

支持 全身の骨格を形成し、人体を形作る共に体重を支える
運動 筋肉・腱につながり、身体の動きを作り出す
保護 脳や内臓を保護する
貯蔵 カルシウムやリンなどのミネラルを貯蔵し、それらの血中濃度を一定に保つ
造血 骨髄において、血液細胞を形成する


この中でも、注目したいのが「運動」の部分。私たちが活動していくために、とても重要な働きです。

下の図を見てみましょう。

引用元:葛西整体院ブログ

ここで、重要なのは「筋肉は骨(骨格)についている」ということです。

いつまでも元気でいるためには、筋肉を鍛えて筋力を維持することが大切です。さらに、その力を受け止める骨(骨格)も、強くしなやかで丈夫な状態でなければいけません。

身体を元気に動かしていくためには、筋肉だけではなく、まずはそれを支える骨格を丈夫にする必要があるんですね。


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2.骨を強化するには?

では、骨を強くするためには、どうしたら良いのでしょうか?

骨を強くするということは、骨密度を高め、骨を太くしていくことが大切です。そのためには、骨への縦方向の刺激と横方向の刺激が必要になってきます。 

① 縦方向の刺激ってどんな刺激?
私たちが毎日行っている、歩く・走る・ジャンプなどで、骨に対して縦に直接刺激が伝わる動きになります。

② 横方向の刺激ってどんな刺激?
これは、筋が骨を引っ張ることの刺激です。筋肉は骨の色々な部分についています。筋肉が動くことで、骨を引っ張る刺激が入っているのです。

ちなみに、まだ骨が出来上がっていない小さい子供が、跳んだり跳ねたり、筋肉が骨を強くひっぱる運動を繰り返すと、膝のお皿の骨の下が痛くなったり(オスグッド病)、ひどい場合は剥離してしまうような損傷を引き起こしてしまいますので、注意しましょう。

③ 骨が刺激を受けると?
骨が刺激を受けると、破骨細胞によって骨が壊れて、その後に骨芽細胞が骨を新しく作り直すことで、骨が新しくなってきます。この2つの細胞のバランスが取れてこそ、骨が丈夫になってきます。

実は、宇宙に行くと骨がもろくなるといわれています。これは、宇宙では無重力状態で骨に刺激が与えられず、骨の再構築が行われないため。日々の程よい運動は、筋肉だけでなく骨にも必要なものなんですね。


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3.更年期が来たら骨粗しょう症に注意!

常に壊しては作り、壊しては作りを繰り返して再構築を続けることで、私たちの身体を支えてくれている「骨」。実は、骨の再構築には女性ホルモンの一つである「エストロゲン」が深くかかわっているのをご存知でしょうか。

エストロゲンは、破骨細胞を制御する働きがあります。加齢に伴ってエストロゲンが低下すると、破骨細胞の働きが活発になり、骨芽細胞の働きが追い付かなくなり、骨粗しょう症を引き起こします。

そのため、なるべく早い段階から、運動をして普段から骨を丈夫にしておくことが、骨粗しょう症を予防する大切なポイントになるのです。


引用元:日本臨床内科医会・女性のミカタ


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4.骨の強化にヨガがおすすめな理由って?

では、骨粗しょう症を予防するにはどうしたらよいのでしょうか?

まずは、適度な運動をで骨に刺激を与えましょう。骨の血液の流れをよくし、骨芽細胞の働きを活発してくれます。しかし、激しい運動は、負荷がかかりすぎてしまうので、ほどほどが大切です。

そこで、おすすめしたいのがヨガです。

ヨガは自律神経を整えたり、筋肉を動かして姿勢を整えたりと体に良いことがたくさんありますが、骨に刺激を与える運動としてもおすすめなんですよ。跳んだり、跳ねたりという動作はあまり行いませんが、呼吸に合わせて一定時間ポーズをキープしていくので、筋肉が骨を引っ張り、刺激を加えることができます。ヨガの動きは、骨にはとても良い刺激になるんですね。

ヨガはゆっくりした動きなので、怪我のリスクも低く、手軽に始められます。初心者でもできる簡単なポーズでも骨に刺激を与えることができますので、骨粗しょう症対策の一つとして気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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それでは、ヨガインストラクターがおすすめする、ご自宅でできるヨガのポーズを3つご紹介しましょう。

初心者でも気軽にできるポーズです。特別な道具も広いスペースも必要ありませんので、おうち時間のひと時に取り入れてみてください。骨に刺激を与えるのはもちろん、気分転換にもおすすめですよ。

① 椅子のポーズ(ウトゥカタアーサナ)

後ろの椅子に座るようにお尻を後ろに引きます。
自分のつま先と膝が同じ向きになるように意識をしてみて下さい。
背中やお尻、脚の筋肉を使っていきます。

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戦士のポーズⅠ(ヴィラバトラアーサナ)

足を前後に大きく開きます。
後ろ足のつま先は外側に向けましょう。
両足の裏で大地を踏みしみて、力強くポーズをとっていきましょう。
脚、お尻の筋肉を使っていきます。

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③ 体側伸ばしのポーズ(パールシュヴァッコーナーサナ)

戦士のポーズⅠの状態から、上半身を前に倒します。
後ろの足から、指先までが一直線になるようにしましょう。
体幹、脚、お尻の筋肉を使っていきます。

 

ヨガの動きは、大きな負荷をかけることなく、骨に適度な刺激を与えることができます。今回ご紹介したポーズのほかにも様々な動きがありますので、ご興味がございましたら自然の薬箱で開講中のヨガレッスンに参加してみてはいかがでしょう?インストラクターと一緒に様々な動きを楽しみながら骨に刺激を与えることができますよ。


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5.大切なのは運動に食事、そしてしっかり休むこと

丈夫な骨を作るには適度な運動が大切です。でも、運動だけしていては、骨に刺激を与えて壊すだけになってしまいます。骨を作るためには、骨の栄養となるカルシウム・ビタミンD・ビタミンKなどが必要。ビタミンDは日差しを浴びることで体内で生成されますが、カルシウムとビタミンKは体内で生成することができませんので、食べ物から摂取する必要があります。

それぞれの栄養を多く含む食材をご紹介しますので、日常生活でも積極的に摂取していきましょう。

カルシウム
(骨をつくる成分)
牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など
ビタミンD
(カルシウムの吸収を助ける成分)
※ビタミンDは紫外線を浴びることで体内でも作られます。天気の良い日は散歩に出て、日光を浴びましょう。
ビタミンK
(骨形成を促進し、骨を壊す作用を抑制する成分)
納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなど

食事でとった栄養を体内に取り込んでいくためには、休養も大切です。

昔から「寝る子は育つ」といいますが、これは、子どもに限ったことではありません。人の身体は、しっかりと睡眠をとることで、身体に栄養が吸収されて、骨が作られますので、寝不足はNG!

さらに、睡眠中には大人も子供も「成長ホルモン」が多く分泌されます。成長ホルモンは、幼少期は身体の発育を促進しますが、大人になると日中の心身の疲れ、ストレスを解放、組織を修復、老化の進行を抑制する効果があるといわれています。

骨のためにも、疲れをとるためにも、睡眠をたっぷりとって、体を休めるよう心掛けましょう。

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今回は、私たちの身体を支えている骨を丈夫にするために必要な知識や、おすすめのヨガのポーズをご紹介いたしました。

現在、50歳以上の女性の3人に1人が、骨粗しょう症で悩んでいるといわれています。症状が進むと背中が曲がったり、歩くと体が痛くなったりすることもあるので、早くから予防することがなにより大切です。

いくつになってもアクティブで美しくいるためにも、日常生活から体を動かして、骨から元気にしていきましょう。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.27」では、

「薬膳で肺機能を高め、免疫力アップ!」をお届けします。

秋も深まり、空気が冷えてきて乾燥への対策がより一層必要な時期となってきました。この乾燥(燥邪)は、特に肺の機能を低下させ、免疫機能にも影響を及ぼします。そこで、肺機能を高めるための養生のコツと、再び感染拡大が心配されているコロナを予防するために、中医学の視点での養生法とオススメ薬膳食材のご紹介、薬膳レシピ2種類もお伝えします。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.25_「秋の憂い」を感じたときにおすすめ!「気」を整える漢方

Vol.24_「 秋は憂い(うれい)の季節 」東洋医学的ストレス解消のヒント!

Vol.23_アロマセラピストの本棚から

Vol.22_秋の養生 ~「温燥」のための薬膳 ~

Vol.21_まだまだ注意!秋の「脱水症状」

Vol.20_9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話

Vol.19_季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

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「秋の憂い」を感じたときにおすすめ!「気」を整える漢方

先週末に近づいてきた台風は、秋台風とは思えないスローペースで迷走し、気象予報士でも最後の最後まで進路や勢力のつかめない台風になったそうです。まるで今年の世相を表しているようですね。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.25をお届けいたします。

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先週末はあいにくの天気となりましたが、10月1日の十五夜は幸いにも全国的に天気が良く、美しい月に癒された方も多かったのではないでしょうか。

旧暦では、秋は7月~9月の時期を指し、さらに「初・中・晩」の表現を用いて季節を表したそうです。旧暦の7月は「初秋」、8月は「中秋」、9月は「晩秋」と呼ばれています。旧暦の8月15日は旧暦の「秋」の真ん中にあたります。涼しくなり、秋晴れが続くころで、月がきれいに見える十五夜の満月を「中秋の名月」として、お月見を楽しむ習慣ができました。

そして、秋の中心を過ぎたこの時期を境に、自然界は「夏の名残」よりも「冬の足音」が意識される季節に移っていきます。日照時間も短くなり、朝はまだ薄暗く、夕方にはもう真っ暗に。すると、人間は本能的にやる気が出にくくなったり、活動が抑えられがちです。陰陽五行の考えでは、秋の乾燥は肺に影響を及ぼしやすく、肺と関わりの深い「悲」「憂」といった感情がコントロールしにくくなります。

体はどこも悪くないのに何となくやる気が出ない、何もしたくない、しても無駄…。

人と連絡とるのもちょっと億劫…。いつもこんな風じゃないのに、気のせいかな…。

といった感情が生まれやすく、何となく物悲しかったり、ふさぎがちになりやすい今の季節。さらに今年はコロナの影響で世の中が大きく変わったことが引き金となり、自分でも気づかないうちに心が疲弊してしまい、うまく気持ちをコントロールできないケースも増えているようです。

思い悩む事や何もしない事は悪い事ではありません。でも、そこで気持ちが停滞していたり、他に目を向ける余裕がないほどダメージを受けている状態が続くのはこころにはもちろん、身体にもよくありませんね。

そこで、今回の「Naturalist Web Magazine」では、前回に引き続き、「秋の憂い」がもたらす体調やこころの不調について、自然の薬箱の薬剤師 木村良栄から「秋の憂い」と大きくかかわっている「気」について解説いたします。

さらに、「気の低下」を解消し整えてくれる漢方薬を、身体的症状に合わせてご紹介。今 感じているこころと身体の不調に合った漢方薬を選ぶ指針になりますよ。

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<目次>

 1. 「気」ってなんだろう?

 2. 「気」ってどんな働きをしているの?

 3. 「気」の不調が引き起こす「気虚・気滞」って?

 4. 「気」を調整する漢方


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1.「気」ってなんだろう?

東洋医学では、人間の体は「気・血・水」の3つの要素から成り立っているといわれています。「気・血・水(き・けつ・すい)」は、「血≒血液」や「水≒体液」といった目に見える物質以外にも、目に見えない「気≒エネルギー」を捉え、「気・血・水」それぞれが持つ働きをも含めた意味を持っているという東洋医学独特の概念です。

「血、水」は、物質的な側面の「血液」と「体液」として理解しやすいものですが、「気」は捉えにくい概念ですよね。

イメージとしては、ひと昔前のアニメで敵をやっつける時に手から放たれる光のパワー、あれも「気」です。わかりやすいような、でも少し胡散臭く感じる方も多いかもしれません。でも、そこまで大げさなものではなく、生きている限り常に私たちの身体の中を巡っていて、体温を作り出したり、体内の「血」や「水」の流れを整えて全身に巡るように調整しているのが「気」なのです。

例えば、嬉しいことがあると身体が軽くなりますが、嫌なことがあると身体が重くなり、免疫力が下がって体調を崩しやすくなることは、どなたでも経験したことがあると思います。これは、身体を巡っている「気」が少なくなったり、巡りにくくなることで、「気」の力を借りて巡っている「血」や「水」も停滞してしまうためと考えられます。

今でこそ、西洋医学でも心療内科という分野が定着してきましたが、東洋医学では、古来から西洋医学では扱われなかった概念である「気」を重要視して理論立ててきたのです。


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2.「気」ってどんな働きをしているの?

私たちの身体を巡り、様々な働きをしている「気」は、どのような働きをしているのでしょうか?

①推動(すいどう)作用
主に血や水を身体中に巡らすはたらきです。また、成長発育にも関わり、五臓が活発に動くための原動力です。

②温煦(おんく)作用
身体を温めるはたらきです。気によって体温は一定に保たれます。「煦」の文字は「あたためる」を意味します。

③防御(ぼうぎょ)作用
害となる環境要因、つまり外邪から身体を守るはたらきです。気が充実していれば免疫機能が整います。

④固摂(こせつ)作用
必要なものを保持するはたらきです。血液や体液、汗や尿などが必要以上に漏れ出ないように、また、内臓を正しい位置に留めます。気が不足すると、不正出血や内出血、暑くない時の発汗、内臓下垂などが起こります。

⑤気化(きか)作用
ある物質を他の利用可能な物質に変化させる働きを持ちます。例えば、食物の消化、吸収、分解や、体液から汗や尿を作り排泄することなどを指します。

このように、「気」は私たちの身体の隅々までいきわたることで、多彩なはたらきをしてくれているのです。

では、「気」が不足したり「気」の流れが乱れるといった「気の不調」が起きることで、どのような症状が現れるのでしょうか?


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3.気の不調が引き起こす「気虚・気滞」って?

私たちの生命の営みに欠かせない「気」の不調は、こころや体に様々な不調となって現れます。

「気」は、体内に適切な量が保たれ、血、水と関わりながら全身を巡っている状態が良い状態とされます。何らかの原因で気が不足してしまった状態を「気虚(ききょ)」、流れが滞った状態を「気滞(きたい)」と呼びます。これらの状態ではストレスをうまく処理する事が難しくなり、いずれも、うつ症状の原因になりうると考えられています。

「気虚」では、疲労倦怠、無気力、精神不安定や不眠といった症状がおこりやすくなります。

「気滞」は、気虚の症状に加えて、イライラや、お腹の張り、げっぷなどの身体症状を伴う場合もあります。ひどくなると不安定に変化する痛みが現れる事もあります。

まさに「病は気から」という言葉通り、「気」の不調は様々な不調を引き起こす原因となってしまうのです。


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4.気を調整する漢方

「秋の憂い」にとらわれず、「気」の不調をしっかり整えてこころの身体もすっきりしたいなら、漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか?気になる症状にあわせて数多くの処方があります。

今回は、症状別の処方をご紹介しますので、参考にしてみて下さいね。

① 気虚を整えるための「補気剤」

六君子湯
(リックンシトウ)
食欲不振、食後の腹部膨満感、胃内に水分が停滞している方に
補中益気湯
(ホチュウエッキトウ)
病気や過労などで疲労困憊した時や、身体虚弱に
参苓白朮散
(ジンレイビャクジュツサン)
消化不良や軟便、水様性下痢、食欲不振が著しい方や、全身倦怠感がある方に
帰脾湯
(キヒトウ)
疲れやすく胃弱で、さらに過労や疲労が重なり、不安感、不眠の症状がある方、不正出血や、内出血しやすい方、貧血気味の方に
加味帰脾湯
(カミキヒトウ)
帰脾湯に準ずる。加えてのぼせやほてり、イライラのある方に

  

② 気を巡らせるための「理気剤」

半夏厚朴湯
(ハンゲコウボクトウ)
胸のつかえや、のどの不快な閉塞感があり気分が優れない方に
香蘇散
(コウソサン)
頭痛や頭重感、耳鳴り、肩こり等があり、胃腸虚弱からくる腹満・腹痛・悪心・嘔吐を伴うときに
釣藤散
(チョウトウサン)
イライラやのぼせを伴って、めまい、朝方の頭痛、目の充血などがある方に ※中高年以降の高血圧のある方、神経質な方に合う
抑肝散
(ヨクカンサン)
イライラして興奮しやすい。腹満感・食欲不振、筋肉緊張気味。小児のひきつけの処方としても
平胃散
(ヘイイサン)
胃もたれ、胃に食べ物や水が残りやすい方に

 

③ 気持ちのたかぶりを鎮めて穏やかにする「安神剤」

甘麦大棗湯
(カンバクタイソウトウ)
泣いたり笑ったり興奮が激しい時。不眠傾向であくびが頻発する方に
酸棗仁湯
(サンソウニントウ)
心身が疲弊している方、考え事が巡り気分が昂ぶって眠れない方に
柴胡加竜骨牡蛎湯
(サイコカリュウコツ
ボレイトウ)
イライラや、気分がふさいで不安感があり、よく眠れない方に
桂枝加竜骨牡蛎湯
(ケイシカリュウコツ
ボレイトウ)
よく眠れず、動悸がする、寝汗、脱毛がみられる方に

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今回は、「秋の憂い」で起きやすい「気の不調」に、おすすめの漢方薬をご紹介しました。

気虚・気滞が、身体やこころの症状の原因になるだけでなく、ストレスがきっかけとなり気虚・気滞が生じたりひどくなったりすることもあります。

仕事や家事のストレスや、いつまでも心から離れないモヤモヤが続くようなら、ハーブティーを淹れて一息つく時間を持ってみてはいかがでしょうか?香りの高いハーブは気を巡らせる作用があるので、ミント、ジャスミン、カモミール、リンデン等がぴったりです。ラベンダーやローズをお好みのお茶に少量加えてもいいですね。

また、気分が下向きだと姿勢も自然に前かがみになりがちです。意識的に胸を広げて大きく息をしてみましょう。簡単な気分転換になりますよ。

「憂い」を引き起こしやすい今だからこそ、大きな変化で傷ついたり使いすぎたりした「気」を、調整していきましょう。

自然の薬箱1階にある漢方相談薬局では、女性薬剤師が丁寧にお話を伺った上で、お一人お一人にぴったりなものをご紹介しますので、お気軽にご相談ください。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.26」では、

「ヨガで骨を丈夫にしよう!」をお届けします。

ヨガは、自律神経を整えたり、筋肉を動かして姿勢を整えたりと、体に良いことがたくさんありますが、「骨」にもとても良い刺激与えていることは知っていますか?今回は、特にすべての女性に知ってほしいヨガと骨の関係についてを自然の薬箱のヨガインストラクターよりお届けします。 

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.24_「 秋は憂い(うれい)の季節 」東洋医学的ストレス解消のヒント!

Vol.23_アロマセラピストの本棚から

Vol.22_秋の養生 ~「温燥」のための薬膳 ~

Vol.21_まだまだ注意!秋の「脱水症状」

Vol.20_9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話

Vol.19_季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

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「 秋は憂い(うれい)の季節 」東洋医学的ストレス解消のヒント!

10月になり、すっかり秋らしくなりました。行楽シーズンではありますが、今年は無理に遠出をせず、近場でゆっくりと短い秋を楽しむのが主流のようですね。身近な秋を発見する絶好の機会です。お近くのまだ足を運んだことがないスポットにお出かけしてみてはいかがでしょう。こんな近くに素敵な場所があったなんて!という新たな発見につながるかもしれませんよ。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.24をお届けいたします。

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まとわりつくような暑さだった夏はすっかりどこかに行ってしまい、秋風が心地よく感じる日々が続いています。街の中でも、空の高さや、キンモクセイの香りなどで「秋」を実感される方も多いのではないでしょうか。

湿気も少なく、涼しい秋は、過ごしやすい季節である一方、同時にふとした時に寂しさを感じたり、意味もなく悲しくなるなど、こころのバランスが崩れやすい季節でもあります。

実は東洋医学でも、秋はもともと「憂い」の季節といわれており、気持ちが沈みやすい時季でもあります。さらに、コロナ禍で迎える秋、先が見えない不安の中で考え込み、ストレスを感じる方も増加の傾向にあるようです。

そこで今回は、秋に感じやすい「憂い」の原因とストレス解消のヒントを、自然の薬箱の鍼灸師 出口 明日深 がお伝えします。

 

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<目次>

 1. 東洋医学の視点から見る秋とは?

 2. 秋はなぜ「憂いの季節」なの?

 3. 「こころ」が憂い始めたら

 4. 「こころ」を健やかに保つためのストレス解消のヒント


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1.東洋医学の視点から見る秋とは?

秋は乾燥しやすい季節。東洋医学では、秋を「燥」の季節として捉え、「燥邪」の影響を受けやすくなると考えます。「燥邪」の影響を最も受けやすいのは、「肝・心・脾・肺・腎」の五臓の中で「肺」といわれています。

ここでいう「肺」は、臓器としての肺だけではなく、空気を取り入れる鼻や口や喉など呼吸器全般とそれらが持つ機能も含めたものを指しています。そして、肺は全身のすみずみまで「気」をスムーズに巡らせる重要な役割をもつとされています。

「肺」が弱ってしまうと、「気」を全身に広げることができません。体表面のバリア機能が弱まり、呼吸器系だけでなく、皮膚などにも不調が現れます。例えば、咳、鼻水・鼻詰まり、肌荒れといったものから、風邪をひきやすくなるなど免疫機能の低下等の症状が現れてくるのです。


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2.秋はなぜ「憂いの季節」なの?

東洋医学では私たちの感情を「怒・喜・思・憂・恐」の五つに分類し(五志)、これらの感情は五臓によって統括されていると考えています。五志は五臓が管理しているので、五臓がしっかり働いていれば、精神状態も安定している状態になります。

五季 五志 五臓 五腑 五主 五官 五邪
小腸 血脈
長夏
(梅雨)
肌肉 湿
大腸 皮毛
膀胱

しかし、五臓が傷んでしまうと、五志も不安定になってしまいます。また、五臓が健全であっても、長く感情の高ぶりが続いたり、ストレスなどの強い刺激を受けたりすると、五臓が傷つき、様々な不調を引き起こしてしまいます。

秋は五志における「憂い」の季節。人肌恋しくなったり、なんとなく気持ちも沈みがちになりやすいと時季としてとらえています。

そして、「憂い」を管理する五臓は「肺」とされています。肺が正常に機能しているときは、憂いの感情が優位に立つことはありません。しかし、この時季の「肺」は、乾燥によるダメージを受けやすい状態。ふとしたことがきっかけで、「憂い」の感情が強く出てしまうことがあります。強くなった「憂い」の感情が続くと、肺はストレスを感じ、傷つきます。肺が傷つけば気の巡りも滞り、強い倦怠感を感じたり、気力がなくなったりと、さらに強い「憂い」の感情に支配されがちになってしまう悪循環が生まれてしまうのです。

では、どのように「憂い」を回避したらよいのかを一緒に考えてきましょう。


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3.「こころ」が憂い始めたら

もともと秋は「憂い」が出やすい季節です。人肌恋しくなったり、なんとなく気持ちも落ち込みがちなになるのは、秋という季節がそうさせているのであって、ご自身のせいではないことを自覚する事が大切です。また、夏の疲れを引きずったまま秋を迎えると憂いの感情も出やすくなります。まずは、無理をせずゆっくりと身体を休めましょう。

また、今年はコロナ禍における初めての秋。口だけでなく、心もマスクで隠して、ストレスフルになっている方も多いのではないでしょうか。そんな時は、マスクを外して、深呼吸から始めてみましょう。ストレスがかかっているときは、イライラして呼吸が浅くなりがちです。呼吸が浅いと憂いの感情に支配されやすく、気持ちが沈むと呼吸が浅く短くなります。すると、全身の気の巡りが滞って、さらに気持ちが沈んでいきます。

憂いの連鎖を止めるためにも、気持ちが落ち込んでも自分を責めずにしっかりと休む、深呼吸をしてゆっくりとこころを落ち着けることを心掛けていきましょう。


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4.「こころ」を健やかに保つためのストレス解消のヒント

憂いの感情に支配されないようにするには、ストレスや不安を抱え込まないことが大切です。これからご紹介するストレス解消のヒントを生活に取り入れて、「こころ」を健やかに保つことに意識を向けてみてはいかがでしょうか。

① 軽い運動をする

暑さも和らぎ、風も心地よく感じられる季節です。ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動をすることで、新鮮な空気を取り込み、身体の中を巡らせましょう。東洋医学では、「肺」と皮膚の関係が深いとされていて、心地よく吹く風が、皮膚に刺激を与えることで、「肺」の気を巡らせる機能を活性化させるといわれています。ただし、身体の中には酷暑の疲れが溜まっていますので、心地よいと感じる程度の運動にしてくださいね。

② お話する

マスクをつけての生活や、オンラインでのやり取りが日常になってきて、withコロナが定着してきましたが、まだ先が見えない状態ですよね。そんな時は、不安や気持ちを話すことで発散しましょう。自然の薬箱では、ご家族やお友達と一緒に参加していただける少人数制のツボレクチャーお灸教室を開催しています。1グループごとの開催なので、誰にも気兼ねせずに、おしゃべりを楽しみながらツボ押しやお灸を楽しんで、ストレス発散ができますよ。

③ 「肺」の養生やストレス解消におすすめのツボ

ご自宅でセルフお灸や、ツボ押しをするのもストレス解消の一つになります。今の時季にぴったりのツボを3つご紹介しますので、ぜひトライしてみてください。セルフケアで、心も体もすっきりしましょう。

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・尺沢(しゃくたく)⇒ 咳や鼻の症状、乾燥肌に。

<ツボの場所>
肘のシワの外側のくぼみにある『肺の気の流れ』の上にあるツボ。
<ケアの仕方>
ツボと反対の手で肘を包み込むようにして、親指でツボを押す。そのままゆっくりと下の腕を身体の方に引き寄せると、ツボに深く押し込まれます。

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・膻中(だんちゅう)⇒ 不安、胸の圧迫感に

<ツボの場所>
両方の乳頭を結んだ真ん中にあるツボ。
<ケアの仕方>
ピンポイントで押すと強い痛みがある場合があるため、ボディオイルやボディクリームを使用して、胸をさするように優しくマッサージする。お気に入りの香りを感じながら大きく息を吸って、両側の肩甲骨を中心に引き寄せるようして、深呼吸しましょう。

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・内関(ないかん)⇒  ストレス、不眠、気持ちの落ち込みに。

<ツボの場所>
手首の一番深いシワから、肘に向かって指3本分上がったところ。腱と腱の間にあるツボ。
<ケアの仕方>
腱と腱の間に、指を立てて押し込み、痛みを感じる場所を探して刺激しましょう。

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今回は、秋ならではの「憂い」について、その原因や解消方法をお伝えしました。

なかなかストレスが解消できず、こころや体に不調を感じ始めたら鍼灸ルームにご相談ください。

鍼灸師があなたのお悩みに寄り添って、お一人お一人に合った鍼とお灸をしていきます。鍼が怖い方にはお灸のみやビワ温灸での施術も可能です。アフターコンサルテーションでは、セルフケアで使えるツボもお伝えできますよ。

食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋…「こころ」も「身体」もすっきりして、あなたらしく秋を楽しみましょう!

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

 

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.25」では、

「『秋の憂い』を感じたときにおすすめ!気を整える漢方」をお届けします。

漢方薬剤師が「秋の憂い」から来る「気の巡り」の低下を解消し、整えてくれる漢方薬を身体的症状に合わせてご紹介します。今回ご紹介した解消のヒントと併せてご活用いただける内容ですよ。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.23_アロマセラピストの本棚から

Vol.22_秋の養生 ~「温燥」のための薬膳 ~

Vol.21_まだまだ注意!秋の「脱水症状」

Vol.20_9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話

Vol.19_季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

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アロマセラピストの本棚から

9月も間もなく終わりですね。今年は10月1日が中秋の名月になるそうです。夜は大分涼しくなりましたし、お天気が良ければご自宅のお庭やベランダでお月見をするのも、風情があっていいですね。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.23をお届けいたします。

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自然の薬箱ボディケアルームのお客様の中には、頭痛がなかなか治らない、肩こりがひどい、長年脚・膝に痛みがある、よく眠れない等の不調を抱えた方、または大きな体の問題を抱えながら、長い期間を過ごされている方々が多くいらっしゃいます。

私たちセラピストの施術は、治療ではなくリラクセーションの一環であるといいますが、実は、自然治癒力を目覚めさせて向上させるためのサポートをしているのだ、といえるのかもしれません。お客様ひとりひとりが、人の身体に元々備わっている「自然に治るチカラ=自然治癒力」を活かせるように、常に心地良く、できるだけ快適になっていただけるよう、日夜その方法を模索し、情報を収集しています。

そこで今回は、自然の薬箱のアロマセラピスト 光岡真里が、日々の様々な角度から情報収集する中で出会った、読むだけでも癒されるおすすめの本をご紹介します。辛い身体の症状をお持ちの方も、元気いっぱいの方も、癒しに興味のある全ての方に読んでいただきたい、おすすめの本です。秋の夜長にゆっくりとリラックスしながら読んでみませんか。

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< 目次 >

1.プロカウンセラーが教える香りで気分を切り替える技術
   香りマインドフルネス  / 松尾祥子 著

2.人生を変える幸せの腰痛学校  / 伊藤かよこ 著

3.HEAL 癒しの力 自己治癒力の秘密 / ケリー・ヌーナン・ゴア 著

4.番外編 ~自分の体に「ありがとう」と言っていますか?~


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1.プロカウンセラーが教える香りで気分を切り替える技術
    香りマインドフルネス / 松尾祥子 著 

気分がふさぐ時、やる気が起きない時、起床時間や就寝時間の乱れなどに「香りマインドフルネス」という手法で気分を一瞬にしてコントロールするアイデアが紹介されている一冊です。

例えば、生活の1アイテムになりつつある瞑想や呼吸法と、精油はもちろん、コーヒーの香りや草木の香り、お茶の香りなど、身近な香りと組み合わせる。すると気持ちがバタバタしたときでも、意識を「いまここ」に戻すことができる。入眠するときの香り、朝起きて一番に嗅ぐ香りを決めておくと、それがスイッチになって生活リズムを整えることができる、といったアイデアが紹介されています。読み終わった後は、頭で考えすぎず、感じるチカラを養ってみようと思える内容です。

【おすすめ情報です】

普段の生活の中で気分を切り替える、仕事モードからリラックスモードに切り替える、こんな時には、自然の薬箱「ボディケアルームのアロマトリートメント」がおすすめです。現在、季節の変わり目によるストレスや、お肌の乾燥が気になる方に「秋の養生アロマボディトリートメントコース」を【特別価格】にてご提供していますので、ぜひご利用ください。


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2.人生を変える幸せの腰痛学校 / 伊藤かよこ 著

小説仕立ての展開が秀逸で、その場にいるような疑似体験ができます。「腰痛を治したければ治そうとしないこと」から始まり、認知行動療法=不適切な考え方や行動を換えることで、自身の自己治癒力によって腰痛と腰痛が原因の不幸せな生活をリセットする一冊です。

「痛い」と「悪い」は別の物であると気づきを与え、自分の「脳」が創りあげた悲哀のストーリーを都合良く上書きすることで人生が好転するのです。コンディションが整ったらハッピーになるのではなく、まずハッピーになる。そして体のコンディションを上げる。腰痛に限らず、花粉症にもアトピーにも風邪にも応用できそうで、痛みがなくとも人生の中で実践してみたら幸せになれること間違いなし!と希望と幸せ感に包まれる作品です。


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3.HEAL 癒しの力 自己治癒力の秘密 / ケリー・ヌーナン・ゴア 著

この本に書かれていることは、賛否が分かれるかもしれませんが、自然療法や代替療法などで難病を克服した例がたくさん紹介されています。しかし、ここでお伝えしたいことは、西洋医学の行き詰まりや否定等では全くなく、「身体が持つ叡智」のすばらしさ。

神性すら感じさせる完璧な身体のシステム=自己治癒力を、私たちは生まれながらに持っているのだということ、それを信じること、そして、人任せの人生ではなく、生きざまを自分で決めることによる「強さ」を伝えてくれる内容が胸に響きます。私たちには治るチカラがあるのです。全ての人の勇気にかわる本です。

鍼灸やヨガ・瞑想などのボディワークも治癒力を上げられそうですよ。


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4.番外編 ~自分の体に「ありがとう」と言っていますか?~

ここでは本の紹介ではありませんが、セラピストは施術をするときに、それぞれのお客様の願いが叶うように祈りながら触れるように心がけています。たとえば肩こりを癒やしたい方には楽になりますようにと、漠然とした不安のある方には不安が晴れるようにと、何も主訴がない方にはその体にありがとうと、心の中で思って触れるようにしています。

皆さんも一日の終わりに、実はすばらしい叡智を備え、私たちの想いを叶えるために頑張って動いてくれているご自分の体に、「ありがとう」と感謝をしてみませんか。体の不具合は誰かが治してくれるものではありません。ご自分の体を大切にしたいという気持ちが芽生えたら、それが健康と美しさを維持し、幸せに生きるための原動力になるはずです。

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今回は3冊の本を紹介しました。いずれの本にも共通するのは脳の使い方。意識、または考え方を切り替えるだけで、辛い症状や漠然とした不安から解放されるというプライスレスな方法をご紹介していますので、実践してみてはいかがでしょうか。

ご紹介した本以外にも癒やしに関する興味深いものがたくさん出ています。ご興味がありましたら、この機会に様々な書籍で体の叡智について探究するのもいいですね。アロマを焚きながら読書の時間を過ごされるのもステキですよ。

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。
どうぞお楽しみに。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.24」では、

「『憂いの季節』東洋医学的ストレス解消のヒント」をお届けします。

東洋医学的に、秋はもともと「憂(うれい)」の季節。コロナ禍で迎える秋、先が見えない不安の中で考え込み、ストレスを感じる事が多いのではないでしょうか。このストレス解消のヒントを、鍼灸師 出口明日深がお伝えします。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.22_秋の養生 ~「温燥」のための薬膳 ~

Vol.21_まだまだ注意!秋の「脱水症状」

Vol.20_9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話

Vol.19_季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

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秋の養生 ~「温燥」のための薬膳 ~

「一雨一度」の言葉通り、雨のたびに少しずつ秋らしい空気が漂うようになりました。まだ夏日の日もありますが、季節はゆっくりと秋へと舵を切り始めたようです。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.22をお届けいたします。

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秋といえば厳しい暑さも和らぎ、湿気も減ってきて大分過ごしやすくなる時季ですね。しかし、日によって寒暖差が大きいため、気候の変化やご自身の体調の変化などにしっかりと意識を向けておかないと、風邪をひきやすい時季でもあります。

秋は、夏の暑さでダメージを受けた体を癒して体力を回復し、来るべき厳しい冬を越す準備期間のようなものです。そこで今回は、夏の影響がまだ残る秋の前半にフォーカスして、夏に受けたダメージのケア方法や、秋に気になる乾燥対策、そして、薬膳の視点からこの時季にぜひ取り入れていただきたい食材を解説いたします。

今回も、国際薬膳師監修のご自宅で作れる「『温燥』の時季にオススメの薬膳」レシピもご紹介しますので、ご自宅でお手軽に薬膳をお楽しみいただけますよ。

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< 目次 >

 1. 「温燥」とは?

 2. 「温燥」を快適に過ごすための4つのポイント

 3. 薬膳の視点で「温燥」から身を守る食材

 4. 国際薬膳師おすすめ!「温燥」の時季の薬膳レシピ2種


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1.「温燥」とは?

秋は移り変わりの季節。前半と後半とでは、気温の差がとても大きくなりますよね。中医学でも、秋はほかの季節と違い短い期間で真夏から真冬に向かう期間であることから、秋の前半を「温燥」後半を「涼燥」と呼び、区別します。

「温燥」は、夏の暑熱がまだ残っている状態に、秋の乾燥が加わるという特徴があり、

「涼燥」は、秋の乾燥の上に冬の寒気が加わるという特徴があります。最近は、温暖化の影響で「温燥」が少し長くなっているので、10月の中頃までは「温燥」と考えても良いでしょう。


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2.「温燥」を快適に過ごすための4つのポイント

今はまさに、「温燥」の時季。潤いを守るとともに、体にこもる熱をうまく外へ出すことが大切になります。この時季を快適に過ごすための4つのポイントをご紹介しましょう。

① 気温の変化に対応できるように準備しよう
季節の変わり目は昼と夜では寒暖差が激しくなります。日によっては、昼は冷房が必要なくらい暑くても、夜になれば肌寒くなることも。しっかりと朝起きたら天気予報などで情報を確認して、寒暖差が激しそうなときは上着など羽織れるものを準備しましょう。

また、地球温暖化の影響もあり、10月中頃までは日中に気温が30℃を超えることがあり、電車や外出先では、引き続き冷房を継続使用していることもあります。冷えが気になる方は、ストールやカーディガンなどの羽織れるものを持ち歩くようにしましょう。足首や首もと、腰回りなども冷えやすい場所のケアも忘れずに。

 

② 乾燥に注意しよう
夏と比べると、秋は汗があまり出ないため、のどの乾きを感じにくくなり、水分摂取を怠りがちです。水分が足りていないかも?と少しでも感じた方は、のちほどご紹介する食材(特に潤燥食材)を、スープなどにして摂取するのがおすすめです。

お弁当などでは、なかなか汁物は取りづらいのですが、秋から冬にかけて効率的に水分を取り入れるためにも、家では汁物を積極的に取り入れるようにしましょう。

 

③ 乾燥からくる肺の不調をケアしよう
中医学では、季節によって注意したほうがよい臓器が、移り変わっていいきます。

肝(春)→ 心(夏)→ 脾(梅雨)→ 肺(秋)→ 腎(冬)

秋は肺の季節といわれ、この時季は肺を補うことが大事です。咳や痰、鼻づまりなど、肺の不調症状が出やすい時季ですので、

      • しっかりと深い呼吸を意識する
      • 外出から戻ったらうがいをする
      • 睡眠時のマスク着用
      • 加湿器を上手に活用する
      • アロマ対応加湿器やアロマディフューザーで、ユーカリやティートリーなどの肺のケアに良いアロマを活用する

といったケアを行うのがおすすめです。次の項でご紹介する「補肺の働きのある食材」を取り入れた食養生と共に、早めに予防していきましょう。

 

④「早寝早起き」を意識しよう
古代中国で書かれた書物「黄帝内経(こうていだいけい)」では、秋の養生の一つとして
「秋は鶏のように早く寝て、早く起きると良い」
と書かれています。

これは、秋の養生の要は、朝に余裕をもって過ごすということを指しています。

起きたら窓を開けて空気を換気し、しっかりと深い呼吸を意識しながら、日光を浴びましょう。その時に、その日の気温を感じ取るように心がけてください。時間がある方は朝の散歩をするととても良いです。

また、食事は次の項でご紹介するおすすめの食材を取り入れるようにして、汁物を献立に取り入れていくと「温燥」を快適に乗り切ることができ、「涼燥」への変化にも対応していけるようになりますよ。


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3.薬膳の視点で「温燥」から身を守る食材

<補気 hoki>
夏の疲れを改善し、温度差にも対応できるように体内の気を補う

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お米、鶏肉、豆類、かぼちゃ、じゃがいも、長芋、しいたけ、さつまいも、鮭、サワラ など
<潤燥 jyunsou>
秋の邪気である燥邪に対応し潤いを補う

▼ ▼ ▼ ▼ ▼
豚肉、豆腐、牛乳、白ゴマ、白きくらげ、梨、豆乳、ホタテ、リンゴ、卵、はちみつ、枸杞 など
<補肺 hohai>
秋に活動が活発になる肺の働きを助ける
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
長芋、ゆり根、アーモンド、大根、柿、梨、チーズ、松の実、クワイ、銀杏、リンゴ   など

 


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4.国際薬膳師おすすめ!「温燥」の時季の薬膳レシピ2種

おすすめの食材はわかったけれど、具体的なレシピも知りたい!と思いますよね。

そこで、今回もカフェ&キッチンより、国際薬膳師のシェフおすすめ!『「温燥」の時季の薬膳レシピ2種』をご用意しました。今回は、メイン料理の豚ミンチを使った豆腐ハンバーグと、お米を使ったデザートの2種類です。

季節の変わり目で、体調に不安を感じる方もこれで安心!珍しい食材も難しい手順も不要で、ご自宅で手軽に「温燥」の時季にオススメの食材を使った薬膳が作れますので、ぜひご覧ください。

▼ ▼ ▼ ▼ ▼
国際薬膳師おすすめ!
「温燥」の時季の薬膳レシピ2種は こちら>>

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< 先取り情報 >
この秋、自然の薬箱 国際薬膳師 淺井秀信による「オンライン薬膳入門講座〜秋の養生編〜」を開催予定です。
※秋の養生について詳しく知りたい方、手軽にご自宅で薬膳を作りたい方にピッタリの講座です。(※ ご参加の方には薬膳茶をプレゼント)
詳細が決まりましたらお知らせいたしますので、今しばらくお待ちください。

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初秋は残暑の影響で不足した体液をしっかりと補いながら、気力と体調を整えていくのが大切です。早寝早起きなど生活のリズムを乱さないように心がけながら、「温燥」から身を守る食材を取り入れることで、季節の変わり目に起きやすい体調不良や風邪を予防することができます。

自然の薬箱2F「Cafe&Kitchen」でも、薬膳の観点で、身体を潤すことに適した食材や、気や肺の働きを補う食材をお選びして心を込めてお料理をお作りしています。

美味しい季節を迎えた旬のお野菜や食材をシェフが美味しく仕上げた彩り豊かなお料理の数々は、心にも体にもパワーをくれますよ!

毎週メインディッシュが変わるランチメニューも大好評!店内のお席の間隔を確保して席数を限定するなど、感染予防対策に努めていますので、ぜひご予約のうえご利用ください。

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.23」では、

「アロマセラピストの本棚から」をお届けします。

読書の秋にぴったりの「癒し」に関する本をご紹介。自然の薬箱のアロマセラピストが実際に読んで活用している3冊を取り上げます。癒しやアロマについて学びたい方、新しいジャンルの本に挑戦したい方におすすめです。
※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.21_まだまだ注意!秋の「脱水症状」

Vol.20_9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話

Vol.19_季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

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まだまだ注意!秋の「脱水症状」

9月も半ばとなりました。まだ、日中は30度近くなる日もありますが、朝晩は比較的過ごしやすい気温になり、秋の気配も少しづつ漂いはじめています。引き続き、新型コロナの感染予防をしながら、秋ならでは景色や味覚を楽しみたいものですね。

毎週火曜日にお届けしております自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。
皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.21をお届けいたします。

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長梅雨が明けた途端に猛烈な暑さとともに始まった2020年の夏。全国各地で40度を越える地域もあり、自然の薬箱がある名古屋市でも、8月3日に観測史上最高気温の40.3度を記録しました。

そのため、例年に比べても熱中症の搬送者数が増加しつづけ、熱中症に対する注意喚起をするための「熱中症アラート」も発令されたのも記憶に新しいところです。

熱中症を引き起こす原因の一つである「脱水症状」は、夏ならではの症状と思いがち。でも、秋から冬にかけてが第2のピークといわれています。

そこで今回は、自然の薬箱のヨガインストラクターの田島理帆より「まだまだ注意!秋の『脱水症状』」と題して、脱水になると身体にどのような変化が起こるのか、脱水を防ぐために効果的な水分補給はどんなことをすればよいのかをお伝えしていきます。

まだまだ残暑厳しい日が続きます。「脱水症状」を引き起こさないように、上手な水分補給の方法を学びましょう!

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<目次>

1.脱水症状ってどんなもの?

2.水分と私たちの身体の関係とは?

3.秋の「かくれ脱水」に注意!

4.水分が不足すると起こる身体の変化って?

5.効果的な水分補給の方法とは? 


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1.脱水症状ってどんなもの?

「脱水症状」はよく聞く言葉ですが、実際には何が原因でどんな症状が出るかをご存知の方はそれほど多くないのではないでしょうか。

脱水症状は身体の中の必要な「体液」と呼ばれる水分が不足していること。体液は、単なる水ではなく、ミネラル等の電解質やタンパク質など様々な成分を含んでいて、生命を維持するために様々な役割をしています。

私たちの身体にとって、「脱水」が起きることは、生命維持に関わる大切な成分を失う事につながります。そのため、初期は喉の渇きや大量の汗、めまいや食欲不振といった比較的軽度な症状ですが、進行してしまうと意識障害や、腎不全や聴力損失など、重篤な症状を引き起こしてしまいます。

さらに、脳梗塞、心筋梗塞のリスクにもなるともいわれている、非常に危険な状態なのです。


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2.水分と私たちの身体の関係とは?

失われてしまうと、命の危険につながるほど大切な水分。「人の身体は水分でできている」といわれる通り、水分が身体を占める割合は、個人差はあれど、新生児で90%、成人で約60%、高齢者で50%程度といわれています。

身体の半分以上を占める水分ですが、ただ乾きを潤しているのではなく、様々な役割をこなして、私たちの命を支えてくれています。実際に水分が担っている役割を、いくつかご紹介しましょう。

水分の役割ー①
<必要なものを運搬して不要になったものを排泄する>

体内に取り込まれた栄養素は、体中をめぐっている血液によって、体の隅々へ送られています。血液の大部分は水分で占めており、栄養素は水分に取り込まれた状態で運ばれていきます。さらに、栄養素を届けた後は、体内で発生した老廃物や炭酸ガスを取り込み、尿や汗、呼気として体外へ排泄する役割も担っています。

水分の役割ー②
< 体温を一定に保つ >
人の身体は、常に代謝を繰り返しています。体内で代謝がなされる際には、エネルギーが消費され、体熱が生み出されているのです。代謝によって生まれた体熱は、水の温まりにくく、冷めにくい性質を利用して、血中の水分が身体のすみずみに伝えます。

また、「不感蒸泄」といわれる皮膚や呼気を通じて自然に失われる水分の蒸発は、気化熱によって体温を調節する役割も担っています。さらに、気温の上昇や運動、カゼの発熱などで体温が高くなった時に「発汗」により汗をかきます。この「発汗」も、汗の水分が皮膚の上で蒸発するときの気化熱により、体温を常に一定に保つ働きをしています。 

水分は、私たちの体温を調節してくれる大切な成分なんですね。

水分の役割ー③
< 消化や代謝を円滑にする >
体液は体中を巡って栄養を届けたり老廃物を回収する「溶媒」と呼ばれる働きをしています。体液が不足すると、肝臓や消化器といった臓器を巡る血液量が減ることで、消化する力が弱ったり、必要な栄養素を配ったりすることができなくなって、代謝が落ちる原因になります。体液は、消化や代謝を円滑にするためにも必要不可欠なものなのです。


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3.秋の「かくれ脱水」に注意!

酷暑の時には気にかけている水分補給ですが、涼しくなるとそれほど意識しなくなるもの。でも、秋は「かくれ脱水」が進行しやすい季節といわれているのを、ご存知でしょうか。

「かくれ脱水」とは脱水の一歩手前で症状が出ていない状態。特に、気温の変化が激しく、身体が変化に慣れていない春や秋に多いのが特徴です。季節の変わり目で、気温の変動が激しいうえに、身体がついていけず、体温調節機能が乱れがちになるのが原因の一つといわれています。また、秋は空気が乾燥する季節、皮膚表面から知らず識らず水分が失われる不感蒸泄が増えることも関係してきます。

この時期の脱水は、つらい症状が出てこない限り気づきにくいため、症状が重症化してから発覚するケースが多く、特に注意が必要です。

さらに、今年の夏は猛暑が続いた上に、9月になっても残暑が厳しかったため、身体は想像以上にバランスが崩れやすい状態です。また、マスク着用が日常となり、喉の渇きに鈍感になってしまうこともあり、今まで以上に「かくれ脱水」のリスクも高まる事が予想されています。特に、脱水症状に陥りやすい基礎疾患をお持ちの方や、ご高齢の方などは、意識して水分をとるようにしましょう。


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4.水分が不足すると起こる身体の変化って?

秋でも陥りやすい脱水症状ですが、水分が不足するとどのような症状が起こるのか、以下の表で確認してみましょう。

引用元:日本体育協会 水分損失率と現れる脱水諸症状の関係

脱水が体重の2%以上になると、体調に大きな変化が出てきます。特に、激しい運動や長時間暑い環境下で活動した後、体重が2%以上減少している場合は、脱水の可能性が非常に大きい状態です。経口補水液などで水分を補いましょう。症状がひどい場合は、速やかに医師の診察を仰ぐ必要もありますので、注意してください。

また、水分は血液の運搬の働きがあるため、水分が足りないと血液がドロドロになり、脳梗塞、心筋梗塞のリスクにもつながってきます。

夏に脳梗塞や心筋梗塞が多いのは、脱水も原因の一つとしていわれるほど・・・脱水は命に関わる大きな危機の一つなのです。


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5.効果的な水分補給の方法とは?

私たちは、毎日水分を摂取し排出するを繰り返しています。水分不足にならないようにするには、一日の必要摂取量を知ることが大切。

まずは、成人の一日の水分必要量と摂取量から確認してみましょう。

< 成人1人当たり一日の水分必要量と排出量 >

一日の水分必要量(約 2.5L) 一日の水分排出量(約 2.5L)
食事 1.0 L 尿や便 1.6 L
体内で作られる水分 0.3 L 呼吸や汗 0.9 L
飲み物 1.2 L ※注:目安であり個人差あり


毎日水分を摂取していても、排せつや呼吸、汗としてたくさんの水分が身体の外に排出されていきます。改めて見てみると、私たちの体はたくさんの水分を必要としているのだと分かりますね。

次に脱水症状を防ぐために効果的な、水分補給の方法をいくつかご紹介しましょう。

< 水分補給の4つのタイミングを知ろう >

のどが渇く前に
水分摂取を!
のどが渇いた時は、もう脱水のサイン。のどが渇く前に水を飲みましょう。
起床時と入浴前には
1杯の水を飲もう!
就寝中と入浴中は、たくさん汗をかき、水分が不足しがちです。起床時、入浴前にコップ1杯の水を飲むことを心掛けましょう。
まとめて飲むのではなく
こまめに飲もう!
一度に大量の水を飲むと水分過多になり、尿量が増えたり、体液の濃度が薄まってしまうことがあります。少量の水をこまめに飲むように心掛けましょう。
激しい運動をした際には
一緒に塩分補給を!
暑くて汗をたくさんかいたり、激しい運動をした場合、体内では水だけではなく、塩分(ナトリウム)も不足します。大量の汗をかいたあとは塩分を含んだスポーツドリンクなどで、水分補給と塩分補給をするようにしましょう。

 

< 飲み物だけじゃない!?食物に含まれている水分量を知ろう >
水分補給というと、「飲み物を飲む」ことに気を取られがちですが、一日当たり2.5リットルもの水分を「飲む」ことだけで補うことはできません。私たちは飲み物からだけでなく、食物からも水分を補給することで、一日の必要量を摂取しているのです。

では、実際に食物にはどれくらいの水分が含まれているのでしょうか?代表的な食品が含む水分量を確認してみましょう。


引用元:サントリー 食べ物に含まれる水分量

このほか、夏に大人気の「すいか」も、非常に水分量の多いことで知られています。なんと、すいかの約90%は水分!水分補給にはぴったりなんですね。

ところで、「甘さを強く感じる!」と、すいかに塩をかけて食べる方も多いのではないでしょうか。これはまさに水分補給の理にかなっている食べ方。塩をかけて食べることによって、水分と塩分を同時に補給できます。

夏の風物詩の一つとして受け継がれてきた「水かに塩をかける」食べ方は、実はしっかりとした目的があったものなんですね。

< 補給する水分の量はどれくらい? >
食品から摂取できる水分ですが、足りない分は飲んで補います。では、実際にどれくらいの水分を飲めば補えるのでしょうか。

食品から摂取できる水分を差し引いても、成人の場合で一日あたり約1.5リットルの補給が必要になります。職場に600ml~700mLの水筒を1~2本持っていったり、リビングなどに置いて飲み切るように意識してみてはいかがでしょうか。

さらに食事の時には、その水筒とは別に水分を飲むことで、意識的に水分を取ることができるようになります。ただし、あくまでも摂取量は目安で必要な水分量には個人差があります。必要以上の水分摂取は、逆効果になることもありますので注意してください。

胃の中でお水の音がチャポチャポする、身体がむくむ、夜間にトイレに何度も起きるなどの症状がある場合は、水分の量を調節するなど、体調に合わせて飲み方を検討してみましょう。

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季節を問わず、こまめに水分補給をすることは、私たちが生命を維持していくために不可欠なこと。「自分は大丈夫」と思わずに。しっかり水分補給を心掛けるとともに、体調がおかしいなと感じたら、医師に相談するなど、早めに対応をとるようにしてください。

まだまだ残暑が厳しい9月ですが、飲み物や食べ物からしっかりと水分をとって、元気で健康に過ごしていきましょう!

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.22」では、

「秋の養生~「温燥」のための薬膳 」をお届けします。

秋は過ごしやすい季節だと思われていますが、実は体の変化に意識を向けておかないと、日によって寒暖差が大きいために、体調を崩しやすい季節。秋の前半「温燥」と呼ばれる時季にスポットを当てて、快適に過ごすポイントを薬膳の視点で解説いたします。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.20_9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話

Vol.19_季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

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9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話

 

「新型コロナウイルスが引き起こす肺炎について、今知っておきたいこと」という内容で始まった「Naturalist Web Magazine」。営業自粛になり、皆様にお会いできる機会が失われてしまった中、私たちの知識や経験が少しでも皆様のお役に立てばという思いでスタートしたブログも、今回で20回目を迎えることができました。

皆様から、記事に関する嬉しいお言葉などを頂き、ここまで続けることができました。本当にありがとうございます。まだまだ、コロナウイルスに対する心配は続いておりますが、私たち自然の薬箱は、これからも皆様が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、様々な情報をお届けしてまいりますので、引き続きご愛読いただければ幸いです。

それでは、今週の Vol.20 もぜひご覧ください。

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皆さん、明日9月9日は『重陽の節句(ちょうようのせっく)』だということをご存知でしたか?

平安時代に中国から伝わったといわれる五節句。重陽の節句は、五節句の中でも一番最後の節句であり、とても大きな意味を持つ節句でもあります。また、別名「菊の節句」とも呼ばれており、古来より菊の薬効を取り入れながら健康を願う日でもありました。

そこで、今回は重陽の節句の由来や楽しみ方、そして菊の様々な薬効を、自然の薬箱 漢方薬剤師  千田 のぶこ よりお届けいたします。

せっかくの一年に一度の特別な日です。健康に対する備えでもあった優雅な伝統文化に触れてみませんか?

< 目次 >

1.重陽の節句ってどんなもの?

2.どうして「菊」が重陽の節句の象徴なの?

3.重陽の節句に取り入れたい!「菊」のたしなみ方

4.漢方の視点で見る「菊花」の効能とおすすめ漢方薬


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1.重陽の節句ってどんなもの?

重陽の節句は、桃の節句や端午の節句と比べると、現代の日本ではあまり知られていませんが、NWM_No.11でも紹介させていただいた、五節句のうちのひとつ。

中国の思想に端を発した陰陽思想においては、奇数は陽の数でありますが、奇数が重なると偶数が生まれます。偶数は陰の数字であるため、その邪気を祓うために行っていた行事が五節句のルーツと考えられています。中でも、陽数の中で一番大きい極みの数である「九」が重なる日を「重陽」と呼び、五節句の中でも一番大きな意味を持つ節句としました。

重陽の節句は、別名「菊の節句」ともいわれ、邪気を払い長寿を願って、邪気を払う力があるとされている菊の花を飾り、菊の花を浮かべた菊酒を酌み交わして祝います。

また、重陽の節句前夜には、菊の花に綿をかぶせて香りを移し、夜露や朝露をしみこませた菊の被綿(きせわた)を作り、その綿で顔や身体をなで、長寿や若返りを祈ったそう。その様子は古くは『枕草子』や『源氏物語』『紫式部日記』にも記されており、いにしえの時代より長寿を願う重要な節句として優雅な行事が執り行われてきました。

ちなみに、白の菊には黄色の真綿を、黄色の菊には赤い真綿を、赤の菊には白い真綿を被せるそうです。東京の大宮八幡宮では、今年も今日(9月8日)から菊の被綿の行事が行われ、飾りは22日まで公開されるようです。歴史ある料亭などでは、菊被綿を模したしつらえをしたりするところもあるようですね。


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2.どうして「菊」が重用の節句の象徴なの?

「重陽の節句」に欠かすことができない菊。秋には様々な花が咲きますが、どうして「菊」が重陽の節句を象徴するものになったのでしょうか?

菊といえば、日本では観賞用として楽しむ他、仏様にお供えするお花というイメージがありますね。これは菊は邪気を払う力が強いからとだいわれています。古来から中国では、菊は仙境に咲く花で破邪延寿の効能があると信じられていたこと、旧暦の9月9日は今の10月にあたり、菊が最も美しく咲く季節であることも重なり、長寿を願う重陽の節句を象徴するお花となったのです。

また、古来より邪気払いとして重宝されてきた菊ですが、今でも菊の花がお刺身のツマとして飾られていますよね。これはただの飾りではなく、菊花の抗菌作用や解毒作用を利用した先人の知恵からはじまったもの。食用菊は苦味が少ない上に、香りとほのかな甘味があります。菊の花びらをちぎり、お刺身の上にのせて食べれば、香りもよくシャキシャキとした花びらの食感も楽しめますので、ぜひお試しください。菊の花は食品としても優秀で、ビタミンB₁やビタミンEなどが豊富な上、抗酸化作用を持つポリフェノールを含みます。

食用菊は愛知県が全国一の生産地で、現在70件ほどの農家さんの手によって育てられています。次に生産量の多い東北地方では、菊の花を蒸して海苔状に乾かした菊花海苔があり、酢の物やちらし寿司などに使われています。

ちなみに、菊の花の花言葉は「高貴」「高尚」「高潔」。その昔、後鳥羽上皇が菊をこよなく愛し、自分のしるしとしても菊を用いたことがきっかけで「菊の御紋」が天皇や皇室を表す紋章となったといわれています。また、打掛や着物に描かれる吉祥文様にも菊の花が描かれています。古来より多くの人に愛されていた花なんですね。


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3.重陽の節句に取り入れたい!「菊」のたしなみ方

様々な言い伝えや効能がある菊は、今はもっとも身近な食用花の一つです。前項で菊のお花が食文化として、意外に身近にあったことを知っていただきました。ここでは、重陽の節句のたしなみ方にならって、ご家庭での楽しみ方をいくつかご紹介いたします。いずれも気軽に取り入れらえるものばかり。節句だけでなく、日々の生活の中に取り入ることもできますよ。

<菊酒>
本来は、お酒に菊を漬けてその香りや風味を移した菊花酒を作ります。もっと手軽に楽しむなら、食用菊の花びらを蒸したり、お湯で戻した生薬の菊花をお酒に浮かべる方法もあります。菊の香りを楽しめる粋なお酒になります。

※生薬の菊花は、自然の薬箱で20g(540円税込)から、1F漢方薬局でお買い求めいただけます。

 

<栗ご飯と菊の酢の物>
宮中では菊の節句と呼ばれていた重陽の節句ですが、庶民の間では「栗の節句」とも呼ばれ、栗ご飯を食べてお祝いをしていました。秋の味覚を堪能できる栗ご飯を、食卓に並べるのも良いですね。菊の酢の物や、食用菊が手に入らないときは、かぶらで作る菊花かぶらを飾っても素敵な一品になりますよ。

 

<菊の和菓子>
重陽の節句の頃には、菊を模した生菓子が和菓子店に並びます。美しい色と形、上品な甘さが嬉しい菊の練りきり。様々な菊の形が表現されていますので、食後のデザートやお茶請けにおすすめです。

※自然の薬箱ではこの秋、瀬戸のお菓子職人さんを招いて、ハサミ菊という伝統の技を体験できる和菓子づくり講座を企画中。近々ホームページで紹介する予定ですので、お楽しみに。

 

 

<菊の薬膳茶>
菊花は薬膳茶としてもお楽しみいただけます。烏龍茶や緑茶に菊花とクコの実を入れると、菊のお花がふわっと広がり、赤いクコの実が映える美しいお茶になりますよ。菊花には目の疲れをとり、肝臓の働きを高めるデトックス効果があるので、デスクワークやスマホで目が疲れた時や、お酒を飲みすぎてしまったときにもおすすめです。

※ティーポットや急須に菊花1〜3gに熱湯200〜300ccを加え、蓋をして3~5分置いてから飲みます。クコの実の他、薄荷、決明子(ハブ茶)、金銀花(スイカズラの蕾)、大棗(ナツメの実)など薬能に合わせてブレンドできます。


<菊のお花を飾る>
菊のお花は、最近は品種改良が進み、スタイリッシュな色や形のものを多くみかけます。和風にも洋風にもアレンジできるものが多いので、テーブルやリビングに飾ってみてはいかがでしょうか。

また、キク科のお花はとても種類が多いので、野外で摘んだキク科の野の花を可憐に飾ったり、いにしえに思いをはせながら菊の被綿を作って見るのも素敵ですね。

 

<菊花風呂>
綿の袋や、大きめのだしパックなどに生薬の菊花や、食用菊を入れてお風呂に浮かべます。菊の香りでリラックスしたバスタイムが過ごせますよ。

 

<菊花枕>
乾燥した菊の花をサシェ(小袋)に入れて、枕元にしのばせます。昔から頭痛のあるときに利用されてきました。

 


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4.漢方の視点で見る「菊」の効能とおすすめ漢方薬

重陽の節句で重要な役割を持つ菊は、漢方でも重宝されている生薬の一つです。一体、菊の花にはどのような効能があるのでしょうか。

前回のNWM_Vol.19で登場した「くるみ灸」でも、菊の花のエキスが使われていましたが、東洋医学では、「菊花(きっか)」と呼び、目を健やかにする明目作用のある生薬として知られています。その他にも、解熱、解毒、鎮痛、消炎、アンチエイジング、リラックス作用のある生薬として、発熱、 頭痛、 咳嗽、 咽痛、 目の充血、 目のかすみ、 視力減退、 ものもらい、めまい、 ふらつき、不眠などの症状に用いられます。

菊花が配合された漢方薬には、杞菊地黄丸、釣藤散、清上蠲痛湯、滋腎明目湯、洗肝明目湯などがあり、いずれも頭部や目に不調があるような症状に用いられます。

漢方相談でも、目や頭部の症状に悩まれている方はとても多く、菊配合の漢方薬は大いに力になってくれますので、漢方相談薬局でお気軽にご相談ください。お客様一人一人の体質や体調に合わせて、適切な処方をご案内いたします。

漢方処方 適 応
杞菊地黄丸

(こきくじおうがん)

体力が低下気味で、目を使い過ぎて目に栄養が届きにくく、目が疲れやすい状態に用いる処方です。随伴症状として、疲れると手や足の裏がほてり、イライラしやすい、口が渇く、排尿困難、目の疲れ、かすみ、充血などを伴う方に使われます。
釣藤散

(ちょうとうさん)

頭痛、頭重感、肩こり、めまい、ふらつき、のぼせ、耳鳴り、目の充血、目のかすみ、手足のふるえ、不眠などに用いる処方です。起床時やイライラした時に、血圧が高くなる方や、更年期の不調、動脈硬化の傾向がある方に適しています。また、心下部のつかえや食欲不振などの消化器症状がある場合にも使われます。
清上蠲痛湯

(せいじょうけんつうとう)

頭部(上部)の熱を発散して、痛みをとり去る(蠲には除き去るの意)という名前が表すように頭痛に使う処方です。かぜをひいた時に起きるものから、原因不明の片頭痛や群発頭痛まで、体質をあまり考えずに幅広く用いることができます。のぼせ、頭重、気が滅入る、目がチカチカする、目の周囲から奥の方が痛むなどの症状を伴う頭痛にも適しています。また、三叉神経痛などの顔面痛、眼痛、歯痛、ヘルペス後の後遺症にも使えます。
滋腎明目湯

(じじんめいもくとう)

体力が低下して血流が悪くなり、眼に栄養が充分に行きわたらなくなったことが原因で起こる目のかすみ、疲れ、痛み、ドライアイなどの症状に使う処方です。眼底出血、網膜症、白内障などにも用いられます。
洗肝明目湯

(せんかんめいもくとう)

頭部に熱がこもっていることによって起こる目の充血、腫れ、疼痛などの症状に使う処方です。目の急性炎症から慢性化した目の乾燥にも用いることができます。コンタクトレンズやパソコン作業などでの目の負担よる症状や、花粉症などのアレルギーによる目のかゆみ、ベーチェット病などの目の乾燥や痛みにも使われます。

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今回は、重陽の節句とたしなみ方、そして菊花が持つ効能と漢方薬のお話をお届けしましたが、いかがでしたか?

菊花は他にも、私達日本人の象徴に使われていたりします。皇室の菊のご紋章、警視庁の徽章、国会議員の議員バッジ、わたしたちが海外に持っていく日本国パスポートの表紙もそうですね。この秋、菊の花に愛着を持っていろいろ利用していただければ嬉しく思います。

本来は旧暦の9月9日の秋本番に行われていた「重陽の節句」ですが、日本では現在の暦に合わせて楽しむようになっています。まだ暑い日は続いていますが「重陽の節句」を楽しんで、ひと足先に秋の伝統文化に触れてみませんか?

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.21」では、

まだまだ注意!秋の脱水」をお届けします。

猛暑の8月が終わっても、まだまだ脱水に注意!実は、秋から冬にかけても脱水症状が起こるのです。今回は、脱水による体への影響、効果的な水分補給の方法などを紹介していきます。9月以降もしっかりと水分補給をして、元気に過ごしていきましょう。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.19_季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

                ーENDー

 

季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

 

今日からいよいよ9月がはじまりました。とはいえ、秋を実感するにはほど遠い暑さが続いてますね。「暑さ寒さは彼岸まで」と言いますが、もう少しのあいだ熱中症と感染症の予防を徹底して過ごす日々が続きそうです。

毎週火曜日にお届けしております自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.19をお届けいたします。

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9月になったとはいえ、残暑厳しい日が続いています。さらに、今年は新型コロナウイルスの感染予防など慣れないことが続き、夏の疲れが溜まったままの方も多いのではないでしょうか。「涼しくなればきっと楽になる」と思いがちですが、そのまま放置しておくと、夏が終わり秋が始まる頃、様々な不調が心身に現れてしまうことがあります。

そこで今回は、鍼灸師の竹下多恵子より、夏から秋へと変わる今におすすめ!夏の疲れを癒やして、秋を健やかに迎えるためのケア方法をお届けします。

夏の不調を持ち越さずに秋を健やかに過ごせるよう、今から準備していきましょう。

 

< 目次 >

1.「自律神経」とはどういうもの?

2.自律神経が乱れるのは何故?

3.自律神経が乱れる前に行いたい!3つの基本的予防法

4.自律神経に密接な関係がある「目のケア」も忘れずに!


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1.「自律神経」とはどういうもの?

季節の変わり目になると、鍼灸ルームにはこの時季ならではの症状にお悩みの方が増えてまいります。

例えば…
・頭痛や肩こり
・疲れが取れず、身体が重だるい
・吐き気や目眩がする
・体温調整がうまくできない
・ストレスを強く感じて、気持ちが落ち込みがち
・ばくぜんと不安になったりする など

このような症状は、季節の変化に体と心の準備ができておらず、自律神経のバランスを崩してしまう時に起こりやすいものなのです。

季節の変わり目の不調の原因は「自律神経の乱れ」が起因していることが多いことはわかりましたが、そもそも「自律神経」は、どのような働きをしている神経なのでしょうか?

①<まずは、人の神経の仕組みを知ろう>

人間の身体には「中枢神経」と「末梢神経」の2種類があります。

「中枢神経」は、脳と脊髄からなっており、全身に張り巡らされた末梢神経から集めた情報をまとめて判断して、指令を出す機能を持ちます。
「末梢神経」は、中枢神経と身体をつなぎ、中枢神経に情報を伝達したり、受け取った指令の伝達を行い、「体性神経」と「自律神経」の2つがあります。

「体性神経」は、「熱い」「痛い」など知覚や感覚で得た情報を中枢神経に伝達する「知覚神経(感覚神経)」と、腕を上げる、足を動かすなどの身体を動かす指令を出す「運動神経」の2つに分かれます。

「自律神経」は呼吸や血液循環、内臓や分泌液などの動きを管理して、体内の環境を整えている神経で、交感神経と副交感神経の2つに分かれています。

②<自律神経の役割とは?>

私たちは意識しなくても、常に心臓や肺などの内臓を動かし、血液を循環させることができます。これは、自律神経が24時間休みなく指令を出して、体内の環境を整えているから。「自律神経」は、何も意識をしなくても 周囲の環境に合わせられるよう「自律」して機能して生命を維持する運動を支えているのです。

③<交感神経と副交感神経って?>

自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。それぞれがシーソーの様なバランスを保って機能しています。

交感神経は、心臓の鼓動や呼吸を早くしたり、筋肉を緊張させて血圧をあげるといった働きをします。副交感神経は、脈拍や呼吸をおだやかにして、消化を活発したり、筋肉を緩めたりといった働きをします。

日中は心と体の状態を活発にする交感神経が優位に働き、夜は心と体を休ませる副交感神経が優位に働くことでバランスを保ち、健康を保っているのです。

すなわち、自律神経とは私たちの体の「生命維持機能を適切にコントロールする役割」を担っている神経なんですね。


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2.自律神経が乱れるのは何故?

本来、自律神経は環境の変化に対応できるように働くもの。しかし、気温や気圧の変化が急激であったりすると影響を受けてしまいがちな神経でもあります。

例えば、夏の疲れを引きずったままだったり、日々の生活で刺激が強すぎたり、低気圧の影響や、人間関係などが原因でストレス過多になってしまうことがありますよね。すると、交感神経から副交感神経への切り替わりが上手にできず、変化に対応できにくい体になっている場合があります。これが「自律神経の乱れ」とよばれる状態です。

自律神経が乱れはじめると、心と体の状態を活発にする交感神経と、心と体を休ませる副交感神経がうまくバランスがとれなくなり、身体に様々な不調が現れてしまうのです。どちらか一方を優位にしようとするのではなく、バランスよく機能させることが大切なのです。


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3.自律神経が乱れる前に行いたい!3つの基本的予防法

先にご説明した通り、自律神経は私たちが意識的に切り替えをコントロールすることはできません。意識的に切り替えができないからこそ、疲労や、外的刺激、ストレスなどが積み重なると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかずに乱れが生じてしまうのです。

それでは、自律神経のバランスを保ち、乱れさせない予防法には、どのようなものがあるのでしょうか?

それは・・・
① 規則正しい生活を送る
② ゆっくりとお風呂に入る
③ 体を冷やしすぎない

この3つが基本的な予防方法です。それぞれを詳しくご紹介していきましょう。

①<規則正しい生活を送る>

家事や育児にお仕事などは、日々イレギュラーが発生しがち。そんななか、「規則正しい生活」といわれると、なかなか難しいと思われる方もいらっしゃるでしょう。「規則正しい生活」を意識しすぎて自分を追い込み、イライラしてしまっては本末転倒です。まずは、すべてを規則正しくするのではなく、起床時間と就寝時間をなるべく同じ時間帯にするなど、できることからはじめてみるのがおすすめです。
また、就寝ぎりぎりまで活動するのではなく、ほんの少しでもリラックスタイムを作るのも大切。ストレスを解放して、交感神経と副交感神経の切り替えを行いやすくしましょう。ちょっとした余裕を心の中に持つだけで、気持ちが落ち着き切り替えがスムーズにいきますよ。

②<ゆっくりとお風呂に入る>

残暑が厳しい今、熱めのお風呂に入ると交感神経が優位に働いて興奮状態になり、眠れなくなってしまうことがあります。できれば、寝る2時間前までに37〜39℃程度のお湯に20分〜30分ゆっくり浸かってリラックスしましょう。冷房や冷たい飲み物で冷えた内臓も温まり、身体の内側から温まります。湯上り後は、ゆっくりと体温が下がり始めることで副交感神経が優位に働き、睡眠の質も上がることが期待できますよ。

③<身体を冷やしすぎない>

今年は酷暑で冷房の効いた涼しい部屋で過ごす時間も多かったと思います。もし、今年の夏は足がむくみがちだったという自覚症状があった方は、冷えが原因かもれません。足下の冷気が足先から熱を奪う上に、血液などの体液を押し戻す力が足りないために余分な水分がたまってしまい、むくんでしまうのです。冷たい飲み物や食べ物をとりすぎない、冷房の温度調整をこまめにして冷えすぎない環境を作る、軽く体を動かして血行を良くする、お風呂にゆっくりつかるなどを心掛けて、身体の中の冷えを取り除くように心がけましょう。


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4. 自律神経に密接な関係がある「目のケア」も忘れずに!

ここまで、自律神経の乱れを予防する3つの方法を解説してまいりましたが、あわせてぜひ取り入れていただきたいケア方法をご紹介します。

①<自律神経と目のかかわりとは?>

私たちの生活には今や欠かすことができなくなっているパソコンやスマホ。使用時間も圧倒的に増えていますね。気が付けば、長時間近くのものを見つめ続けることが当たり前になっていて、無意識に目を酷使しています。その上、交感神経はパソコンやスマホの光で刺激を受けやすく、常に高ぶった状態を招いてしまっています。

すると、目の筋肉が収縮したままになってしまい、目の周りの筋肉が硬くなります。そして、徐々に目の周りの血流も血行も悪くなり「疲れ目」の原因になってしまいます。

この「疲れ目」を放置した状態が続くと、様々な目の不調の原因になるだけでなく、頭痛がしたり、気持ちが落ち着かず不安になったり、イライラしたり、寝つきが悪くなったりと、さらなる自律神経の乱れを引き起こして悪循環を招いてしまうこともあるのです。

②<自宅でできる簡単ケアで目の疲れを解消しよう>

毎日酷使している目に溜まった疲労は、その日のうちに解消しておきたいもの。そこで、おすすめなのが「目を温める」ことです。

目を温めると、目の周りの筋肉が緩みます。くすみ目、ドライアイなどの目の不調はもちろん、頭の緊張も解けて、肩こりや首こりも改善し、気持ちも軽くなります。そして、なにより「目を温める」のはとても手軽に行えるという点もお勧めするポイント。寝る前のひと時に、簡単にケアすることができますよ。

今回、ご用意いただくのはタオル1枚のみ。タオルに水分を含ませてしっかりと絞ったら、電子レンジに入れて「飲み物温め(もしくは500Wで1分程度)」にします。手にとって熱く感じた場合は、少し冷ましてから瞼にのせましょう。

ホットタオルを作るのがご面倒でしたら、入浴時に40度程度のお湯にタオルを浸して(※) 絞った後、瞼にのせていただければOKです。いずれの場合でも、5分から10分程度、瞼にのせておくだけで目の周りの緊張が解けて心地よく感じることができますよ。(※タオルを浸すお湯は、衛生面から浴槽のお湯は避けてください)

③<ひどい目の疲れにお悩みの時には>

毎晩目を温めても、なかなか疲れが取れない・・・などの、ひどい目の疲れの時には「くるみ灸」がおすすめです。

「くるみ灸」とは、菊の花のエキスを含ませたくるみの殻の上に、ヨモギから作ったモグサをこんもりとのせて行うお灸です。菊の花は、漢方薬に用いられ、目によいことでも知られています。心地よい暖かさと、菊の花のエキスを含んだ蒸気が、くるみの殻の内側に充満し優しく目を温めてくれます。

しかし「くるみ灸」はご自宅で行うのは難しいお灸です。自然の薬箱では、鍼灸コースをお受けいただく際に、オプションで承っておりますので、目の疲れが気になる方は、ぜひ一度お試しください。 ※詳しくは、こちらから>>
また、くるみ灸でも使用している、菊の花を使ったお茶もおすすめです。代表的なものは枸杞菊花茶八宝茶があります。特に枸杞菊花茶は、中国で目の疲れにいいお茶として広く知られています。菊の花の芳しい香りとクコの実のほんのりとした甘みが、疲れた目も心も癒してくれますよ。

1階の漢方相談薬局でオーダーが可能ですので、ぜひ一度ためしてみませんか?
お気軽にお問い合わせください。

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今回は、季節の変わり目に起こりやすい、自律神経の乱れを予防する方法をご紹介しました。

様々なストレスにさらされてる私たちにとって、自律神経の乱れはどうしても起きやすいもの。さらに季節の変わり目は、外的要因からの刺激を受けやすいタイミングでもあります。今からしっかりと予防して、夏から秋の変わり目を上手に乗り切っていきましょう。

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.20」では、

「9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話」をお届けします。

9月9日は、菊の節句とも言われる重陽の節句。伝統文化を知って、普段の生活に取り入れてみましょう。菊花の生薬としての働きや薬膳茶の楽しみ方、菊花が入った漢方薬のお話などをご紹介します。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 
ーENDー

ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

 

なかなか収束の見えない新型コロナですが、毎日メディアから届けられる溢れる情報に、不安を感じたり心が疲れてしまう方も多いかもしれません。

「新しい日常」には、まだまだ戸惑いがついて回りますが、今できる限りの基本的な感染予防対策「手洗いうがいマスク着用、そして三密を避けた行動」などを心掛け、コツコツと続ける事で自らの身体を守ることが大切。そして、人への感染をさせないように心掛け、ウィズコロナの生活を頑張っていきたいものです。

毎週火曜日にお届けしております自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.18をお届けいたします。

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すっかり日常になった「手洗い」ですが、手荒れを起こさないためにも、毎日使う石けんは、肌に優しいタイプを使いたいものですよね。さらに、安心して使えるものがいいという思いもあるのでしょう。最近は石けんを手作りする方が増えてきています。

余分な添加物も使わずに、自分の好みの色や香りを付けられるのが、石けん作りの魅力。特に保湿成分のグリセリンが入った手作り石けんは、様々な色や形で作ることができるので、「宝石(ほうせき)石けん」として最近SNSを中心に大人気になるほどです。

でも、石けんを手作りするなんて難しいんじゃない?と思われる方も多いのではないでしょうか?そんなことはありません。今は難しい配合も細かい計測もなしで、とても簡単に手作りできる方法があるんです。

そこで今回は、どなたでも手軽に作れる「ジャーマンカモミールのグリセリンソープ」の手作りレシピをご紹介します。アロマが香る、透明感のあるブルーの石けんが簡単に作れます!

夏の終わりのひと時に、お子様と一緒に手作りすれば、毎日の手洗いが楽しくなること間違いなしですよ。

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< 目次 >

 1. 医療従事者が、石けんでの手洗いを推奨する理由とは?

 2. 抗炎症効果と保湿効果たっぷりの手作り石鹸を作ろう!

 3. ジャーマンカモミールのグリセリンソープの手作りレシピ 

 


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1.医療従事者が、石けんでの手洗いを推奨する理由とは?

新型コロナウイルスの感染予防として定着した、念入りな手洗いと手指消毒。その中でも、アルコール消毒液を手指に吹きかけるのが一番効果的!と思いがちですよね。

でも、医療従事者によれば「手を清潔に保つためには、石けんでしっかり、そしてこまめに洗うこと」が、なにより大切だそうです。

手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし流水で15秒すすぐと、1/10,000に減らせると厚生労働省からも発表されています。

ウイルスや雑菌を落とし、手についた汚れやごみも、水が一緒に洗い流してくれる。これが、石けんでの手洗いが推奨されている理由なのです。

ちなみに、ご自宅での手洗いに使用する石けんは薬用である必要はなく、一般的な石けんで十分清潔に保てます。液体ハンドソープを使うと手荒れが気になる方は、固形石けんに変えてみましょう。液体と比べると添加物も刺激も少ないので、手肌の敏感な方でも使えるものが多く出回っていますよ。


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2.抗炎症効果と保湿効果たっぷりの手作り石鹸を作ろう!

より手肌に優しいもので洗いたいと思ったら、石けんを手作りしてみるのもおすすめです。石けん作りって難しいんじゃないの?と思われがちですが、実は保湿成分たっぷりの石けんが簡単に作れるんですよ。

ここでは、簡単石けんづくりに欠かせない基本の材料である「MPソープ」と「精油(ジャーマンカモミール)」をご紹介します。そのほかの材料や必要量については、下でご紹介するレシピに記載しておりますのでご参照ください。


<MPソープとは?>
「Melt and Pour(溶かして注ぐ)」がその名の由来で、グリセリンソープとも呼ばれている天然保湿成分グリセリン入りの石けん素地のことです。洗いあがりがしっとりするのが特徴で、アロマ用品を扱う店などで購入可能です。

白色と透明クリア色と2タイプがあり、自然の薬箱でもお取り寄せ可能です。ご希望の方はお問合せメールからご予約ください。

※お問合メールは、こちらから>>

 

<ジャーマンカモミールとは?>
ハーブティーとしても知られているカモミール。キク科の植物で、黄色い丸い中心部に白い花びらが回りを囲んだ可愛らしいお花です。

カモミールには「ローマンカモミール」「ジャーマンカモミール」の2種類があるのをご存知ですか?どちらもキク科の植物で、黄色い丸い中心部に白い花びらが回りを囲んだ可愛らしい花の部分をハーブにします。

少し大きめの花を咲かせるのが多年草の「ローマンカモミール」で、成熟すると黄色の花芯が盛り上がり、白い花びらが反り返るのが一年草の「ジャーマンカモミール」です。どちらもハーブ療法でもアロマテラピーでも活用されています。

一般的にハーブティーには、ジャーマンカモミールを使うことが多く、風邪、胃腸の不調、冷えなどに役立ちます。ヨーロッパでは昔からお腹の常備薬としてお庭に植えられていることも多いようです。

その効果は生薬としても認められており、生薬名「カミツレ」の名前で、日本薬局方に第六改正(1961年まで使われた)まで収載されていました。現在でも、日本薬局方外生薬規格に収載されています。また、カミツレエキスは収斂、保湿成分として化粧品などに配合されています。

カモミールの2つの精油もまた、アロマテラピーでは重要な働きを持っています。ハーブではそっくりな花の形をしていますが、「ローマンカモミール精油」と「ジャーマンカモミール精油」は、成分も色も香りも全く違うんですよ。

「ローマンカモミール精油」の香りは、よくりんごの香りに例えられます。甘くフルーティーな香りが特徴で、心身共に鎮静や緊張緩和、心を落ち着かせることに、とても効果が期待できる精油です。

それに対して、「ジャーマンカモミール精油」の香りは強いハーブ調の香りで、少し薬草っぽさも感じる香りが特徴です。こちらは傷ついたところを治したり、特にかゆみや炎症を抑える効果に期待ができる精油です。

これはジャーマンカモミールの植物体には存在せず、精油を蒸留する際に生じる「カマズレン」という成分によるもので、「カマズレンブルー」とよばれる青色をしていて、ジャーマンカモミール精油の特徴的な色と効能を生み出しているんですよ。

※カマズレンは、青い色を持つアズレン化合物の一つ。アズレン化合物を利用した医薬品には青色をした胃薬(マーズレン)や、うがい薬、軟膏(アズノール)などがあり、有用な成分であることわかります。


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3.ジャーマンカモミールのグリセリンソープの手作りレシピ

今回は、この「ジャーマンカモミール精油」の特徴である「カマズレンブルー」を活かした、涼し気な色合いでありながら手にも優しい「ジャーマンカモミールのグリセリンソープ」の手作りレシピをご紹介します。


「ジャーマンカモミールのグリセリンソープのレシピ」
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◇ 材料(ソープ2個分)

・MPソープクリアタイプ 100g(透明石けん素地)

・ソープを固める型

(今回は、縦横60mm、高さ27mm程の花型シリコン型を使用)

・ガラスビーカーなどの耐熱容器(100mlの牛乳パックでも可)

・ガラス棒(竹串でも可)

・ジャーマンカモミール精油 2~10滴

◇ 作り方
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① MPソープを6等分程度に細かく切り、耐熱容器に入れて電子レンジで溶かします。(600w20秒ほど)※溶かしたMPソープはとても熱いので、やけどに注意しましょう。

② ①にジャーマンカモミール精油を加えてよくかき混ぜた後、型に流し込みそのまま静かに固まらせます。

③ 冷めて固まったら型から出して完成です。

※写真のソープはそれぞれ、精油を2滴加えたものと、5滴加えたもの。お好みの色になるように様子を見ながら、精油の滴数を調整してくださいね。

 

◇ ご注意していただきたいこと
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・手作りのアロマクラフトは、ご自身の責任において使用してください。

・ご自分の肌にあうかどうか、また肌の弱い方は精油の滴数を少なめにするなど、様子を見ながらつくりましょう。

・お子様が間違って誤飲しないよう、お気おつけください。

・自然の香りは薄れやすいので、できるだけ早めにご使用ください。

・MPソープは湿気に弱いので、保存する場合は無水エタノールをスプレーした後、ラップに包んで保護しましょう。

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今回は、抗炎症作用が期待できるうえに保湿成分たっぷりの「ジャーマンカモミールのグリセリンソープ」の作り方をご紹介いたしましたが、加える精油を変えれば、いろいろな香りのアロマグリセリンソープにアレンジができます。

色味のない精油を加える場合は、食用色素(食紅など)をお使いいただければ、お好みの色の石けんが作れます。食用色素は少量でしっかり色がつきます。竹串の先に少しづつつ加えながら、お好みの濃さを見つけてください。

お好みにあわせて様々な色や形、そして香りで石けんづくりを楽しんでくださいね。石けん作りに慣れてきたら、ギフトとしてお友達にプレゼントしても喜ばれますよ。

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今回ご紹介しましたジャーマンカモミールの精油はとても高価な精油です。自然の薬箱には、グリーンフラスコの5ml(約100滴・7,920円/税込)とプラナロム社の5ml(約100滴・11,440円/税込)の2種類がございますが、他の精油と比べても高いですよね。

そこで、自然の薬箱では気軽に体験していただけるよう「ジャーマンカモミールの石けん作り講座」の企画を検討中です!

是非やってみたいという方は、お問合せメールでお気軽にご連絡ください!

また、ご要望が多ければカモミールの蒸留実演もしてみたいと思っております。こちらも合わせてご連絡ください!

※お問合せメールは、こちらから>>

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.19」では、

「季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?」をお届けします。

季節か移り変わるときに起きがちな自律神経の乱れ。実は、目にも深いかかわりがあるのです。そこで次回は、鍼灸ルームスタッフより自律神経のメカニズムや、手軽にできる目のケア方法などをご紹介します。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

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残暑を乗り切るために!脾胃を整えるための薬膳のススメ

 

8月7日に立秋を迎え、暦の上では秋なのですが、現実は熱中症警戒アラートも発動されるほどの厳しい夏が続いています。その上、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大が懸念される今、予防はさることながら、自身の健康管理も徹底したいものですね。

毎週火曜日にお届けしております自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.17をお届けいたします。

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今年は梅雨が長引いた上に、マスク着用で過ごすことも多く、例年以上に「夏バテ」の症状にお悩みの方が多いそうです。

特に、今までとは違う生活の中で、きちんとした体調管理ができないまま梅雨を過ごしてしまった方は、特にこれからが気を付けなくてはいけない時期になるのをご存知ですか?

それは「夏バテ」はこれからが起こりやすいから。東洋医学では、不調の原因は前の季節の過ごし方が大いに関わっていると考えているからなのです。そのためにも、不調にならないよう、早めの予防と養生をしていく事が大切。

そこで今回は、現在進行形で夏バテに悩む人はもちろん、秋への季節の変化に対応できる体づくりを目指していくための残暑の乗り切り方や、おすすめの食材をご紹介します。

今回も国際薬膳師監修のご自宅で作れる「暑気払いの薬膳」レシピもご紹介しますので、ご自宅でお手軽に薬膳をお楽しみいただけますよ。

まだまだ暑い日が続く今だからこそ、丁寧な養生と美味しい食事を通じて、しっかり体調管理をして乗り切りましょう!

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< 目次 >

1.夏バテが起こりやすい時季と症状って?

2.夏バテの原因は?

3.夏バテになってしまったら?

4.薬膳の視点でおすすめする「脾胃を整えて夏バテを乗り切る」食材

5.脾胃を整えて夏バテを乗り切る!薬膳レシピ2種


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1.夏バテが起こりやすい時季と症状って?

夏バテは、夏の暑さがピークを迎えたころから初秋にかけて出てくる体の不調のことをさします。代表的な症状は、やる気がでない、眠れない、食欲不振、体がだるいなどの倦怠感、イライラ、めまい等。今年は特に梅雨が長引き、梅雨明けと共に猛暑がやってきている上、マスク着用など慣れない環境下に置かれているため、熱中症の症状を訴えている方が増加しています。

 


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2.夏バテの原因は?

様々な不調の症状が現れる夏バテですが、どのような原因で起きてしまうのでしょう?東洋医学の視点では、第一に梅雨と夏の過ごし方に大きな要因があると考えます。

梅雨の間から夏にかけて一番ダメージを受けやすいのが、生命力の源となる「気(エネルギー)」や「血」を生む大切な臓器「脾胃(ひい)」。水分の代謝がうまくできていないと湿が脾胃にたまり、うまく機能しなくなります。

その結果、「脾胃」で「気」がつくられずに「気虚(ききょ)」になってしまい、やる気がない、倦怠感、食欲不振などがの症状の原因となってしまうのです。

(詳しくは、NMW Vol.7「内湿をとるための薬膳」をご参照ください)

※脾胃(ひい)
消化器系のこと。胃は現在の胃の働きとほぼ同じ、脾は脾臓の事ではなく、膵臓の働きに近い。胃が消化した飲食物から滋養物質と水液を吸収する働きがある。

さらに、暑さを解消しようとして「脾胃」が嫌う冷たいものの取りすぎてしまったり、暑さであっさりした食事を求めて、ついつい偏って同じものばかり食べてしまい、「気」を高める食材が不足することも、夏バテの原因の一つなのです。

あわせて、睡眠不足も夏バテの原因の一つとして挙げられます。熱帯夜が続く今、なかなか寝苦しい時期ですが、睡眠は、エネルギーの消費を抑えて「気」をつくり、蓄えていく大切な時間でもあるのです。

夏バテしやすい今だからこそ、質の高い睡眠が得られるよう、工夫してみましょう。

また、クーラーの温度調節にも気を配ることが大切です。外気温との差があまり大きくならないよう、室温は24度から下回らないようにしましょう。

なお、クーラーは室内を乾燥させてしまうもの。そのため、水分の取り方にも注意が必要です。こまめな水分補給を心がけましょう。

酷暑が続く今、クーラーはなくてはならないもの。気温差と乾燥を上手にコントロールしながら熱中症や夏バテをしっかりと予防していきましょう。

(詳しくは、NMW Vol.15「夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬」をご参照ください)

 


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3.夏バテになってしまったら?

今年は例年と違うことばかりで心も体も疲れがち。しっかり予防しても、夏バテしてしまうこともあります。では、夏バテの症状が気になり始めたらどのようにしたらよいのでしょうか?

<①ー早起きを心掛けよう!>
中国の紀元前に書かれた、中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」には、夏の養生法について「夜は遅く寝、朝は早く起きる」という記載があります。

これは、日照時間が長くなる夏には、自然の陽気の変化に体を合わせて「夜遅く寝るのは良いが、朝は早く起きましょう」ということ。

臓腑には活発に動く時間帯が決まっており、朝の7~9時の時間帯に脾胃が活発に動き、エネルギーの吸収率が高まります。この時間に朝食を食べることが、気を高めるためにとても重要なのです。夏は暗くなるのが遅くなる上、夜になれば多少なりとも涼しくなるため夜型の生活になりがちです。でも、今までより少し早起きを心掛けることで、つらい夏バテ解消の一歩となりますよ。

<②ー睡眠の質をあげよう!>
睡眠は体を休めながら、気も養うことができるため、夏バテ解消には欠かせないものです。でも、何故か寝ようとするとすればするほど、寝れなくなるなんてこともありますよね。そんな時はまず、睡眠環境を調えてみてはいかがでしょうか。

例えば…

自分に合った枕を使用しましょう。

クーラーを途中で切れるように設定して、起きる一時間位前にまたつくような設定にする。あまり冷やしすぎないような工夫をして使うことを心がけましょう。

毎晩寝る前にルーティンワークを作ることもおすすめです。身体が寝る準備に入るきっかけになります。

この他、アロマを使ってみたり、漢方薬や鍼灸、次章でご案内する「安神作用」がある食材を、毎日の食事に取り入れてみるのもおすすめです。

<③ー身体の真ん中を温めよう!>
身体の真ん中が冷えているなと感じるときは「脾胃」が冷えてしまっているサイン。温かい薬膳茶やみそ汁、白湯などで身体の中心を温めましょう。夏に冷えたものしか飲まなくなる方は注意が必要です。

いずれの場合でも、「黄帝内経」には「寝れなくても気負うことなく気持ちよく過ごすことが、夏を過ごす上で大事である」とにも書かれています。寝れないことをあまり意識しすぎず、リラックスすることも大事ですね。

 


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4.薬膳の視点でおすすめする「脾胃を整えて夏バテを乗り切る」食材

脾胃」を整えて夏バテを解消するために、薬膳の視点ではどのような食材をすすめているのでしょうか。それぞれの効能とおすすめの食材を、国際薬膳師の淺井シェフに訊いてみました。

<清熱 seinetsu>熱を下げる効果がある
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
きゅうり、バナナ、水菜、茶葉、苦瓜、スイカ、ひじき、ズッキーニ、カニ、キウイ など
<健脾 kenpi>おなかの調子を整える
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
トマト、キャベツ、豆腐、甘酒、粳米(うるちまい)、オクラ、みそ、じゃがいも、豆類 など
<安神 anjin>気持ちを落ち着かせる
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
ナツメ、モモ、ハスの実、ゆり根、豚の心臓、鶏卵、クワイ、レンコン、金針菜(しんきんさい)、牡蠣 など
<補気 hoki>不足している気を補う
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
山芋、大棗(たいそう)、タコ、鶏肉、甘酒、みそ、かぼちゃ、牛肉、粳米(うるちまい)、もち米 など
<理気 riki>気の流れを良くする
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
大葉、茗荷(みょうが)、そば、玉ねぎ、陳皮、赤ワイン、ジャスミン、紅茶 など

 

特に、甘酒、みそ、醤油、納豆、漬物などのように日本に古くからある「発酵食品」は、「補気」と共に「健脾」の働きも持つ食材なので積極的に取り入れると良いでしょう。

まだまだ残暑が厳しい日が続きます。これらの食材を意識して食べることで「脾胃を整えて夏バテを乗り切る「薬膳」としての効果が期待できますよ。

 


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5.国際薬膳師おすすめ!脾胃を整えて残暑を乗り切る!薬膳レシピ2種

おすすめの食材はわかったけれど、どのように組み合わせて調理したらいいの?という疑問が浮かんできますよね。

そこで、今回もカフェ&キッチンより、国際薬膳師である淺井シェフ監修「脾胃を整えて残暑を乗り切る!薬膳レシピ2種」をご用意しました。

夏バテ気味で疲れがたまっている方も、これで安心!珍しい食材も難しい手順も不要で、ご自宅で手軽に脾胃を整える薬膳が作れますので、ぜひご覧ください。

▼ ▼ ▼ ▼ ▼

国際薬膳師おすすめ!脾胃を整えて夏バテを乗り切る!薬膳レシピ2種こちら>>

 

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連日の暑さで疲れ気味の方はもちろん、暑さに負けない体づくりを目指したい方も、日々の生活習慣や毎日採る食事を通じて脾胃を整えることを意識すれば、夏バテを予防・解消することができます。

自然の薬箱Cafe&Kitchenでも、薬膳の観点で、脾胃を整えることに適した食材や、夏バテを予防する食材をお選びして心を込めてお料理をお作りしています。美味しい季節を迎えた旬のお野菜をはじめとする様々な食材をシェフが美味しく仕上げた彩り豊かなお料理は、心にも体にもパワーをくれますよ!

 

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.18」では、

「夏にぴったり!涼しげなグリセリンソープを手作りしましょう♪」をお届けします。

毎日の手洗い用にぴったり!カモミールジャーマンの自然な色が涼やかな、グリセリンソープを手作りしませんか?今の時期におすすめの、天然保湿成分入り手作りソープの簡単レシピをご紹介します。夏のステイホーム中に、お子様と一緒に作るのも楽しいですよ。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

Vol.9_今だから知っておきたい!運動と免疫の関係って?

Vol.8_ 手指消毒の手荒れが気になる今!ハンドケアアイテムを手作りしよう!

Vol.7_むくみを解消!内湿を取るための薬膳

Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬

Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと 

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