腸活で<免疫機能>をキープ&アップ!

ゴールデンウイークも、例年とは景色が様変わりした<ステイホームウイーク>に変わり間もなく終わります。緊急事態宣言も延長されて引続き外出自粛が続く中、心もからだも負担がかかりがちですが、5/Rの会員の皆様も、お変わりなくお過ごしでしょうか。

先週からスタートしました自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。
皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.2をお届けいたします。

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今回の「Naturalist Web Magazine_Vol.2」では、メディアでも盛んに取り上げられている「免疫機能」についてお届けします。

実は、全身の免疫組織の7割以上が集まっているのが「腸」。さらに、腸がメンタルバランスに重要なかかわりがあること研究により明らかになっています。

そこで今回は、腸を整えることで、どうして免疫機能が維持・向上できるのか、脳とメンタルの関係って?といった疑問を解決!さらに、東洋医学の視点から見た腸の整え方と、国際薬膳師の資格を持ったシェフ監修の「おうちで腸内環境を整えられる!腸活アップの薬膳レシピ」をお伝えします。

< 目次 >

腸を整えて、免疫機能とメンタルを整えよう!

腸と免疫機能の関わりを知ろう ~腸管バリア機能って?~

免疫と腸内環境の関わりを知ろう ~腸内フローラって?~

腸とメンタルの関わりを知ろう ~「脳腸相関」って?~

今だからこそ腸内環境を整える「腸活」を始めよう!

腸活アップの薬膳で腸内環境を整える

国際薬膳師おすすめ!
腸活アップで免疫機能を維持・向上する薬膳レシピ2種


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腸を整えて、免疫機能とメンタルを整えよう!

近年、現代医学においても注目されている「腸の働き」。腸を整えることで、免疫機能を維持・向上させることができるとの研究結果が報告されるなど、世界各国の研究者が注目しています。

腸を整えることで期待できる効果は

・免疫機能を維持・向上させる

・メンタルを安定させるセロトニン※1)が正常に分泌され活性化する

・正常に分泌されたセロトニンの効果により、やる気が自然にでてくる

※1)セロトニンとは、ストレスに対して効能のある物質で、その90%近くが腸管で分泌され、脳へと伝達される。別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、目覚めを良くする、やる気を出させるなど、メンタルの不調をを整える働きがある。

と言われています。


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腸と免疫機能の関わりを知ろう ~腸管バリア機能って?~

腸には人体に取り込まれた食物のほか、病原体やウイルスが運ばれてくることもあります。そのため、腸管には病原体やウイルスと戦うための免疫細胞が多数集まり、その数は体内の免疫細胞の7割以上といわれています。これを、「腸管バリア機能」と呼びます。

また、腸内には免疫細胞を強化させる訓練場のような機能も備わっているといわれています。腸内に侵入してきた病原体やウイルスを免疫細胞に記憶させ攻撃方法を学ばせた後、血液を通じて全身に送り込んでいます。<腸は全身の免疫機能の要>なんですね。

でも、腸内環境が整っていないと免疫機能は衰えてしまいがち。腸内環境をベストに保つにはどうしたらよいのでしょうか。そこには「腸内フローラ」が関わってきます。


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免疫と腸内環境の関わりを知ろう ~腸内フローラって?~

腸細菌、CMなどでもよく耳にする「腸内フローラ」という言葉。正式名称は「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」といいます。

腸内にある数百種類、100兆個以上もの細菌が、菌種ごとの塊となって腸の壁に隙間なく張り付く姿は、顕微鏡で覗くとまるでお花畑に群生している植物のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。腸内に生息する無数の細菌達は、お互いにバランスを取り合いながら腸内環境を整えています。

この腸内フローラにはいくつか役割がありますが、その中の一つに腸内の免疫細胞を活性化し、病原菌などから身体を守る、<腸管バリア機能の向上>があります。

腸内フローラは、腸内環境を整え、腸管バリア機能を正常に機能させるために重要なものです。腸内フローラを最適な状態に保つには、腸内細菌が好む食物を積極的に取り入れることがポイント。後に紹介する腸活アップの食材を日々の食事に上手に取り入れて、腸内環境を整えることがおすすめです。


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腸とメンタルの関わりを知ろう ~「脳腸相関」って?~

腸とメンタルが関係あるの?と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

実は、近年の研究において、

<腸と脳は常時情報交換をして生体機能を維持していること
=「脳腸相関」>

が存在していることがわかっています。

その中でも注目すべきは「幸福ホルモン」とよばれている神経伝達物質のセロトニンのタネが、腸内細菌により生合成されているという点です。

セロトニンとは、脳内で働く三大神経伝達物質の一つ。感情や気分のコントロール、精神の安定に深くかかわるといわれています。さらに、目覚めを良くする、やる気を出させるという作用もあります。セロトニンは夜暗くなるとメラトニンに変わり、質の良い眠りを作るなど、メンタルバランスを整える働きをになっています。

私たちのメンタルに大きくかかわるセロトニンですが、脳内で生成されるものではありません。腸内で作られたセロトニンのタネが脳に送られることでセロトニンに変化していきます。そのため、腸内環境が整っていれば十分なタネが生成され、脳に送られることでセロトニンは増えて、精神状態が安定します。

しかし、腸内環境のバランスが崩れるとセロトニンのタネの生成が減少し、十分な量を脳に送ることができなくなります。すると、精神状態のバランスも崩れてイライラや不安などの原因となってしまうのです。

古来より、性格や感情を表す言葉に「腹に据える」「腹落ちする」「腹黒い」というように「腹」が使われ、英語でも直感のことを「gut feeling」(gut=腸)と表現されるように、腸と脳機能の関係を感じとっていたのだろうといわれています。

自粛生活が長引いている今、「コロナうつ」といわれるイライラや不安を抱えてしまいがち。腸内環境を整えるのは、免疫機能を維持するだけでなく、精神状態のバランスを保つためにも重要なのです。


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今だからこそ腸内環境を整える「腸活」を始めよう!

免疫とメンタルに重要な影響を及ぼす腸内環境。これからの時代を生き抜くには、腸内環境を正常に戻して正しく活動させることが重要です。それには腸内環境をを整えるための「腸活」がおすすめです。

腸内環境に重大な影響を及ぼす腸内フローラが衰える理由は様々。加齢やストレス、睡眠不足・運動不足などもその原因の一つです。

例えば、今はテレワークや自宅待機で、長時間座ったまま過ごす方も多いのではないでしょうか。日頃なれない作業で色々なストレスが重なる上に、長く座りっぱなしで体を動かさないと、東洋医学でいわれる「脾」(消化吸収をコントロールする役割)、すわなち胃腸の活動を停滞させてしまうといわれています。

「脾」の不調は、「脾虚(ひきょ)」と呼び、脾のエネルギー不足が起きているととらえます。ストレスや過労などに敏感に反応し、食欲不振や、下痢、免疫機能の低下により感染症にかかりやすくなるなどの症状が特徴です。

では、「脾虚」を改善するにはどうしたらいいのでしょうか?「脾虚」の原因であるストレスを取り除くには、軽い運動がおすすめです。でも、外出自粛が続く今、外での運動はなかなか難しいものがあります。そんな時は、しっかりお風呂につかったり、自宅でできるストレッチ、軽い散歩などを取り入れてみてはいかがでしょうか?

また、次号でご紹介するご自宅でできる「呼吸法」や「瞑想」でメンタルを整えるのもお勧めです。

さらに、ストレスにより腸内環境を支える腸内フローラもバランスを崩している状態です。軽い運動をするとともに、腸内細菌が好む食材をつかって腸内環境を整える「腸活アップ」の食事を心がけることも重要です。

まずは、腸活におすすめの食材からお話を進めていきましょう。


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腸活アップの食材で腸内環境を整える

腸活アップにピッタリな食材は色々ありますが、薬膳の視点では、どのような食材を勧めているのでしょうか。国際薬膳師の淺井シェフに訊いてみました。

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薬膳の世界では、腸を整えるには<平肝、消食、理気>の働きがあるものがよいそうです。それぞれの働きと、おすすめ食材を順を追ってご紹介いたします。

<平肝  heikan>
ストレスなどで衰えた肝の機能を良くすること。

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肝の機能を整えて、脾、胃の消化の力を高める食材がおすすめ。

<おすすめ食材>
セリ、セロリ、春菊、アスパラ、クレソン、人参、クコ など

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<消食  syousyoku
消化不良を軽減すること。

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脂質や糖分のとりすぎは脾胃の働きを弱めます。溜まってしまった脂質や糖分を軽やかにする食材がおすすめ。

<おすすめ食材>
たけのこ、大根、キャベツ、もち麦、かぶ、オクラ、山査子(さんざしの実) など

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<理気  riki>
気を巡らせてリラックスさせる作用のこと。

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主にその香りから神経をリラックスさせ、脾胃の滞りを解きほぐし、消化を促進する食材がおすすめ。

<おすすめ食材>
そば、オレンジ、木の芽、紫蘇、たまねぎ、ワイン、陳皮(みかんの皮) など

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腸活アップ食材と併せて、発酵食品を取り入れるのもお勧めです。腸活には、腸内細菌の善玉菌を増やすことが必要ですが、発酵食品には善玉菌が多く含まれています。

ちなみに身体に良い善玉菌を含む発酵食品や乳酸菌を含む食品などをプロバイオティクス、その善玉菌の栄養源となる食物繊維やオリゴ糖などをプレバイオティクス、そして両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。

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<おすすめの発酵食品>
醤油麹、酒粕、甘酒、みそ、チーズ、納豆 など


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国際薬膳師おすすめ!
腸活アップで免疫機能を維持・向上する薬膳レシピ2種

腸活アップの食材と発酵食品を上手に食事に取り入れたいけれど、どうしたらいいの?という疑問が浮かんできますよね。そこで、今回はカフェ&キッチンより、国際薬膳師であるシェフ監修「腸活アップで免疫機能を維持・向上する薬膳レシピ」をご用意しました。

長引くおうち時間で毎日の献立にお悩みの方も、これで安心!珍しい食材も難しい手順も不要で、ご自宅で手軽に腸活アップの薬膳が作れますので、ぜひご覧ください。

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国際薬膳師おすすめ!
腸活アップで免疫機能を維持・向上する薬膳レシピ2種は こちら>>

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私たちの体はもちろん、心も守ってくれている「腸」。まだまだ厳しい日が続く今、腸内環境を整えることが、命を守ることにつながります。こんな時だからこそ、ご自宅で気軽にできる「腸活」をはじめましょう!

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.3」では、ボディケアスタッフによる、自宅で簡単にできる「呼吸法」と「瞑想」「身体のゆるめ方」についてお届けします。

ストレスや不安が溜まりやすい今、心とからだの緊張をほぐしてリラックスできるワークをご紹介いたします。

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今後の「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、

おうち時間にぴったりな、セルフでできるツボ押しやお灸の方法や、漢方薬剤師による、今の時期におすすめな漢方薬のお話などを予定しています。

いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

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あなたとあなたの大切な人の命を守るために、そして STAY HOME を楽しむために、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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過去の<Naturalist Web Magazine>Vol.1 こちらから