アロマテラピーの魅力~天然の香りを合わせる楽しさを知ろう~
いつもご利用ありがとうございます、自然の薬箱の千田です。
お盆過ぎまでは、雨の影響で控えめだった気温も、先週からは厳しい暑さが続いていますね。この残暑も、もう少し続くようですので熱中症などには、十分注意をしてくださいね。
毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。
皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.70をお届けいたします。
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最近、ニュースでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、様々な香水のサブスクリプションが大人気になるなど、コロナ禍の今、「香り」に癒やしを求める方が増えています。その中でも、お気に入りの香りを求めて、自分だけの香りを作り出す「調香」に夢中になる人も急増中なんですよ。
そこで今回は、精油(エッセンシャルオイル)をブレンドしてオリジナルの香りを作り出す「調香」について、(公社)日本アロマ環境協会認定アロマブレンドデザイナーの三浦里美が、その魅力を解説します。
ご自宅でできる、おすすめブレンドレシピもご紹介しますので、この機会に「香り」を合わせる楽しみを体験してみてはいかがでしょうか?お気に入りの香りを自分で作る嬉しさや楽しさは格別ですよ。
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<目次>
3. ただ精油を組み合わせるだけじゃない!奥が深い「調香」の世界
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1.アロマテラピーってどんなもの?その魅力って?
様々な不安や、ストレスで心が疲れがちな今、香りで心身をいやすことができる「アロマテラピー」に注目が集まっています。
そもそも、アロマテラピーとは「Aromatherapy」のフランス語で発音したもので、(英語では「アロマセラピー」と発音します)植物から抽出した天然の精油(エッセンシャルオイル)を用いた自然療法のこと。
アロマテラピーという言葉が、世に知られ始めたのは20世紀初頭からですが、それより以前のいにしえの時代から人々は、ごく身近にあった植物を薬草として食べたり、塗ったり、香りを嗅ぐことで、傷や病気を治すために利用してきた歴史があります。もちろん、日本でも芳香植物は「香薬」と呼ばれ、薬の原料としての役割を担っていたんですよ。そして現在でも、漢方薬の中に芳香植物は欠かせない存在です。
今は、都会で暮らしていると、自然と触れ合う機会が減ってしまいがちですが、精油を使えば気軽に森の香りや花の香り、それも「天然の香り」を味わうことができます。
アロマテラピーというと、特別な道具や知識が必要かと思われがちですが、そんなことはありません。お気に入りの精油を1滴ティッシュに垂らす、スプレーやクリームを作るなど、簡単に香りを取り入れられる方法はたくさんあります。
天然の香りを生活に取り入れることで、気分を明るくし、自律神経やホルモンのバランスを整えてくれる効果が期待できるうえに、どなたでも気軽に始めることができる自然療法が「アロマテラピー」なのです。
アロマテラピーで使用する精油には、本当にたくさんの種類がありますが、その中から自分に合う、好きな精油を見つけることだけでなく、好きな精油をいくつかブレンドすることも楽しみの一つです。
実は、筆者がアロマテラピーの世界に本格的に足を踏み入れたきっかけも「ブレンドする楽しさ」を知ったことでした。百貨店に勤務していた頃、肩こりが辛く、当時は数少なかったリラクゼーションのお店で施術を受けた時のこと。目の前のアロマポットで焚かれていた、レモングラスの香りに魅了され、アロマテラピースクールに通い始めたのですが、数ある授業の中でもっともの楽しみだったのが、アロマクラフトでした。特に自分で香りが作れる調香の授業に魅了され、たくさんの精油の瓶を前にワクワクしたことを、今でも覚えているほどです。
今では、一人でも多くの方に「調香」の楽しさを伝えたいという願いと共に、アロマブレンドデザイナーとして活動しています。
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2.「調香」の第一歩は「好きな精油をブレンドする」
アロマテラピーの魅力の一つである「調香」。でも、専門的な知識がないと手を出せないんじゃない?と思われる方も多いのではないでしょうか?
調香の第一歩は好きな精油を見つけて、その精油を組み合わせてみること。お気に入りの精油が2本以上あれば、すぐ始められるんです。
でも、これとこれを組み合わせても良いのだろうか?と悩みがちですが、好きな精油同士であれば大きな失敗には、なりにくいものです。まずは、組み合わせることからスタートしましょう。
とはいえ、あれ?なんか思った香りにならなかったなと感じる事もあるかと思いますが、実はその経験や感覚は、調香を行う上ではとても大切なんです。
思っていたものと違ってしまった原因を探るべく、一つ一つの香りの性質や特徴を学ぶことで、新たな発見がみつかります。香りを深く知れば知るほど、自分がイメージした香りに近づけることができるようになり、そこから更なる楽しみが広がっていきます。
そのためにも、調香初心者の方は、お気に入りの精油を少しずつブレンドしながら、少しづつ調整を繰り返してみましょう。「これは!」という香りがきっと見つかりますよ。
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3.ただ精油を組み合わせるだけじゃない!奥が深い「調香」の世界
好きな精油をブレンドする楽しさを覚えたら、次のステップに進みましょう。精油は、香りのブレンドをする素材として、とても豊かな表情を持っています。次のステップは、香りが持つ表情を知ることで、更にステップアップをすることができます。
また、調香とは単に数種類の精油をブレンドするだけではありません。その香りは強いのか、弱いのか?持続性はトップなのか、それともミドルなのか、もしくはベースなのか?温かい感じがするのか、冷たいのか?その表情の一つ一つを理解することも「調香」なのです。
香りの印象を、第三者に伝えたいときに考える「どのような香りなのか?」を表現することも大切です。香りの感じ方には個人差があるので、味覚(甘い・苦い)や視覚(明るい・暗い)などのように、特徴を表す独自の指標がありません。そのため、香りを表現する際は、ワインのソムリエのように「~の香りに似ている」といった表現や、「爽やかな香り」「癒される香り」といった表現も使います。
その他、香りを表現するうえで、よく耳にする「シトラス」「フローラル」「ウッディ」という言い回しもあります。
このように一つの香りに対して、様々な角度からとらえ、イメージを膨らませることで、より魅力的な香りを作ることができるようになるのです。
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4.早速始めてみよう!精油のブレンドの練習
精油のブレンドを学ぶ上で、まずは色々組み合わせてみることが大事だと思うのですが、ゼロから組み合わせを考えて作り上げるのは、なかなかハードルが高く感じますよね。
そんな時におすすめの練習方法が、「有名ブランドの香水を真似て作ってみること」です。
今やインターネットで調べれば、どの香水が何をブレンドしているのか、簡単に調べることができます。とはいえ、配分までは調べられないので、そこは何回か試すことになるのですが、それも「調香」の醍醐味としてチャレンジしてみましょう。
とはいえ、配合がずっと決まらないのはつらいですよね。そこで今回は、アロマテラピーの歴史にも出てくる「ケルンの水」(※)をもとに、1792年にドイツで発売された「4711(フォーセブンイレブン)」の配合レシピをご紹介します。
(※)17世紀末、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の修道尼に処方を伝えられた商人が、ドイツのケルンで製造した世界初の香水。ドイツにいたフランス兵が祖国に持ち帰り、フランスで広まったとされる。オーデコロンはフランス語で、Eau(水) de(の) Cologne(ケルン)という意味。 |
「4711(フォーセブンイレブン)」は、ベルガモットの香りを主役にした爽やかな香水。ベルガモットのほかに、オレンジスィートやレモン、ラベンダーやネロリが使われています。レシピ通りに作ってみた後は、自分好みに配分を変えたり、オリジナルで新しい精油を加えてみたりするのも楽しいですよ。
<おすすめレシピ/4711のレシピの一例>
ベルガモット 5滴(※)
ネロリ 2滴
ラベンダー 1滴
レモン 1滴(※)
オレンジスィート 1滴
(※)ベルガモット、レモンの精油には、「光毒性(注)」の可能性があります。光毒性を起こす成分を取り除いたフロクマリンフリーの精油を用いるか、塗布した状態で日光に当たらないようご注意ください。
(注)フロクマリンなどの精油成分が皮膚についている状態で日光に当たることで、皮膚に炎症や色素沈着などのトラブルが起きること。 |
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今回は、アロマテラピーの醍醐味でもあり、楽しさの一つでもある「調香」についてお届けいたしました。
「調香」の世界はとても奥深いもの。その分、自分好みの香りが生み出せた時の喜びは計り知れないものがあります。独学で追求することもできますが、精油の合わせ方や、目指す香りのイメージの作り方などを学びたいという方は、9月12日(日)に開催される「drawing aroma(香りを描く)&天然の精油で調香体験レッスン♪」に参加されてみてはいかがでしょうか?
アロマブレンドデザイナーが、アロマ初心者の方でも出来る「自分だけの香り」の作り方をレクチャーします。安心して作る楽しさを体験できますよ。ご自分で作成した香水は、香水瓶に入れてお持ち帰りいただけます。
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<次回「Naturalist Web Magazine」のお知らせ>
~2021年9月7日(火)配信予定 ~
「Naturalist Web Magazine_Vol.71」では、
「旬の野菜が持つ力「フィトケミカル」で身体の内側からキレイになろう」をお届けします。
近年注目を集めている、旬の野菜に多く含まれている「フィトケミカル」という栄養素をご存知ですか?
「フィトケミカル」ってどんなもの?どんな役割をしているの?といった疑問を解決しながら、これからの時期、上手に取り入れて身体の内側から綺麗になれるヒントをお届けします。「フィトケミカル」が効率よく取れるおすすめの野菜やレシピもご紹介しますので、お楽しみに。
※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
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~「Naturalist Web Magazine」は、毎週火曜日の配信予定~
今後も、自然の薬箱ならではの様々な情報を予定しています。どうぞお楽しみに。
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