今年こそ「東洋医学的温活」で冷え性を解消しよう!

いつもご利用ありがとうございます、自然の薬箱の千田です。

お正月も無事終わり、2022年も本格始動となりましたね。とはいえ、オミクロン株による新型コロナウイルスの感染拡大も気になるところです。「手洗い・うがい・マスク・三密を避ける」をもう一度徹底して、これ以上感染者を増やさないようにしたいものですね。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

新型コロナウイルスが蔓延し始めた2020年の春、「様々な不安を解消するために役立つ情報をお届けしたい」という想いと共にお届けしてきました「Naturalist Web Magazine」は、間もなく90回を迎えます。そんな中、世の中の健康に関する情報が増え、コロナ禍での新しい生活様式も定着し始めるに伴い、お届けする内容も少しずつ変化してまいりました。

この2年に渡る情報発信で、配信当初の役割を果たせたのではないかと考え、毎週火曜日に配信しておりました「Naturalist Web Magazine」を、2022年の今回より「第2・第4火曜日」の月2回配信に変更させていただきます。

配信回数は変わりますが、より一層皆様の健やかな生活に役立つような情報をお届けしてまいりますので、引き続きご愛読をいただければ幸いです。

それでは、2022年1回目 Vol.88 をお届けいたします。

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三が日が明け、多くの方が仕事始めを迎えた1月5日。暦の上では「小寒」となりました。次の24節気である1月20日の「大寒」までの15日間を指し、寒さが一層厳しくなる時期です。

「小寒」の間には1月7日の「七草がゆ」や、、本日1月11日のお供えした餅に宿った年神様の霊力をいただく「鏡開き」など、食にまつわる行事があります。お粥やお雑煮などは、冬の身体を温めるのに最適な食べ物。特に、冷えがつらい方にとってはありがたい食べ物です。とはいえ、汁物で身体を温めるだけでは、根本的な解決には至りません。

そこで今回は、冷えに悩む方にとってつらい季節におすすめしたい東洋医学的温活について、自然の薬箱 漢方薬剤師・中医薬膳指導員の岡 朱見子がご紹介します。

冷えを改善すれば、身体がとても楽になりますよ。

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<目次>

1. 東洋医学における冬の冷えの原因って? 
2. 東洋医学的温活 その① ~冬の養生3つのポイント~ 
3. 東洋医学的温活 その② ~漢方薬で冷えない身体を作る~


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1. 東洋医学における冬の冷えの原因って?

2022年は、例年より厳しい寒さからスタートしましたね。北風も強く、頭のてっぺんからつま先まで「寒い!」と思わず身震いしてしまうほど。外気の冷たさだけでなく、身体の内側もすっかり冷えて、心身ともに凍えてしまうこともしばしばという方も多いのではないでしょうか?

心身ともに冷たさを感じる冬ですが、東洋医学では、植物は枯れ、動物が冬眠に入るように、人も新陳代謝を最小限に抑えて身体を休め、栄養分を体内に蓄える時期と考えます。

この時期、特に重要なのが五臓の中の「腎」の働きです。

東洋医学では、「腎」は腎臓などの泌尿器系だけを指すのではなく、成長、発育、生殖にも深く関わり、「生命力のもと」を貯蔵するという大切な働きがあり、陽気(体を温めるエネルギー)は「腎」から生み出されていると考えます。

ところが、陽気を作ってくれる「腎」は、冬の邪気である「寒邪」が大の苦手。「寒邪」は「腎」を傷つけ、「腎」の働きを低下させてしまうことで、私たちの身体は「冷え」を感じてしまうのです。

さらに、腎の機能が低下すると冷えだけではなく、下痢や腰痛、関節痛・むくみ・月経痛・月経不順などの症状が起こりやすくなります。慢性疾患のある方や更年期、高齢の方など、元々腎の機能が低下している方は、特に注意が必要です。

また、秋から冬の間は、空気が乾燥する「燥邪」の影響も受けています。身体の中で最も乾燥を苦手とするのは肺と大腸。これらの臓器がダメージを受けることで免疫力が落ち、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなったり、肌荒れやかゆみなどの肌トラブルが起こりやすくなったりします。

冬の「寒邪」や「燥邪」から受けるダメージを軽減することが、この時期を健やかに過ごすコツといえるでしょう。


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2. 東洋医学的温活 その① ~冬の養生3つのポイント~

では、どのようにしたら寒邪や燥邪のダメージを軽減することができるのでしょうか?冬を元気に過ごすために実践したい「冬の養生3つのポイント」をご紹介しましょう。

① 腎を補う食材、身体を温める食材を摂りましょう

冬に弱りがちな「腎」を養生させるには、身体を冷やさないように心がける、温かい食事をとるとともに、「腎」を補う食べ物を積極的に食べるのがおすすめです。

例)エビ、ウナギ、鮭、ブリ、羊肉、牛肉、鶏肉、豚肉、かぼちゃ、シナモン、八角、ニラ、ネギ、山椒、生姜、唐辛子、にんにく、クルミ、黒ゴマ、栗、朝鮮人参、紅茶など

また、この時期の飲み会は、冷たいビールより、身体を芯から温めてくれる「ホットワインや熱燗」がおすすめですよ。

② 睡眠を十分にとりましょう

人は冬眠することができません。睡眠を十分にとり、身体を休ませることが必要です。適度な昼寝(15〜30分)も体の疲れを十分回復させてくれます。休日の寝だめは、かえって疲れや不眠の原因になりますのでおすすめしません。

③ 体を冷やさない

入浴はシャワーだけで済まさず、湯船にゆっくりつかって身体を温めましょう。また、腰周りにカイロを貼ったり腹巻をしたり、足元にはレッグウォーマーをしたりするなど、下半身を重点的に温めると腎に効果的です。


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3. 東洋医学的温活 その② ~漢方薬で冷えない身体を作る~

長い間「冷え」に悩まれている方は、「冷え性って治らないんでしょ?」と諦めてしまっているケースが多く見受けられます。何とか改善したくていろいろと試してみたけれど、なかなか改善されないと、たしかに辛いですよね。

でも、冷えをそのままにしておくと、免疫力の低下を招き、風邪を引きやすくなるだけでなく、内臓機能の低下による便秘や下痢、腹痛・膀胱炎・腎盂炎などの原因になることも。また、骨盤内の血流低下や充血を引き起こし、月経不順や月経痛・子宮筋腫・内膜症・子宮発育不全・不妊・流産など様々な問題に繋がる可能性があります。

「冷え」を解消するには、身体を冷やさないよう腹巻きや靴下などで、外から暖めることにプラスしておすすめしたいのが、漢方で体のバランスを整えて、冷えにくい身体を作ることです。

漢方の場合は、「冷え」とひとくくりにせず、その人ごとに感じている症状にあわせた処方を行っています。ここでは、冷えに用いられている代表的な処方を症状の特徴ごとにご紹介しましょう。

<冷えに効く漢方薬>

タイプ冷えの症状の特徴漢方薬での対処法主な漢方薬
【血虚】
血の力不足
血液によって熱を体にめぐらせる力が不足します。寒いところに行くとすぐに冷えてしまうようなタイプです。補血作用のある漢方薬を選び、体の熱を増やしたり、行き渡らせたりしていきます。当帰芍薬散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、四物湯、芎帰調血飲第一加減、婦宝当帰膠
【瘀血】
血流の不足
血流が悪く、上半身に熱が昇って、下半身が冷えている様なタイプです。血流を改善する活血作用のある漢方薬を選び、血流によって昇った熱を下げます。芎帰調血飲第一加減、桂枝茯苓丸、折衝飲 
【気虚】
気の不足
体の中のエネルギーである【気】が【血】を暖めて、動かしていくので、疲れが溜まってエネルギー不足を起こしているときは、全身に冷えを感じます。補気作用のある漢方薬を選びます。補中益気湯、黄耆建中湯、十全大補湯、六君子湯、桂枝加朮附湯
【腎陽虚】
陽気の不足
【腎】は陽(体の熱)を生み出す働きを担っています。虚弱体質、慢性疾患、過労や加齢によって起こる【腎虚】による冷えは、体の芯から冷えを感じます。補腎作用のある漢方薬を選びます。八味地黄丸、牛車腎気丸、温経湯、至宝三鞭丸、参茸補血丸、双料参茸丸、参馬補腎丸

上記の症状にあてはまる方も、あてはまらない方も、服用前に漢方薬剤師にご相談ください。今飲んでいるお薬との飲み合わせや、他に感じている不調などを確認しながら処方することができますよ。

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今回は、多くの方がお悩みの「冷え」を改善するために取り入れたい養生方法をご紹介しました。例年より厳しい寒さが続いている上に感染の急拡大が懸念される今、免疫機能を保つためにも「冷え対策」は万全に行っておきたいものです。

今年こそ冷え症対策で身体を芯から温めて、2022年を健やかに過ごしましょう!

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<次回「Naturalist Web Magazine」のお知らせ>

~1月25日(火)配信予定 ~

「Naturalist Web Magazine_Vol.89」では、

「お正月太りにもおすすめのヴィーガンスイーツって?」をお届けします。

大好きなスイーツを存分に食べたいけれど、食べた後の罪悪感が・・・という方必見!植物性食材&少ない材料で、罪悪感なく食べられると今大人気のスイーツ「ビーガンスイーツ」をご紹介します。

お正月太りで甘いものを我慢してストレスフルな方にもピッタリな「ビーガンスイーツ」についてご紹介しながら、ヘルシーで美容にもおすすめのレシピもお届けします。空腹も満たしてくれるビーガンスイーツを手作りしてみましょう!

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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~「Naturalist Web Magazine」は、第2・第4火曜日 配信予定~

今後も、自然の薬箱ならではの様々な情報を予定しています。どうぞお楽しみに。

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