むくみを解消!内湿を取るための薬膳
6月1日から世の中は「ウィズコロナ」「アフターコロナ」へと舵を切り始めました。しかし、東京では緊急事態宣言解除後、数日で「東京アラートが発動されるなど、今なおコロナ禍であることを思い知らされることとなりました。原因究明もワクチン開発もこれからの今、まだまだ油断は禁物の状態です。
でも、日々周りの情報に流され過ぎては、心も身体も疲れてしまいます。思いつめることないよう、これからも大事なことはずっと一緒で、自分の体は自分で守り、自分を見つめて養生をして、よりよい一日を目指していくことが大切ですね。
さて、毎週火曜日にお届けしております自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。
皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.7をお届けいたします。
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今回の「Naturalist Web Magazine_Vol.7」では、男女を問わずにお悩みの方の多い「むくみの原因」と「むくみを解消する薬膳」についてお届けします。
長かった自粛生活や、なれない在宅ワークのせいで「むくみ」が気になる方が増えているようです。むくみが原因で、下半身のだるさを感じてしまう人も。久しぶりの出勤や通学で足が重だるく、むくんでしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、NWM-Vol.6でお伝えいたしましたが、中医学では、新型コロナウイルス感染症は、湿気が悪影響を及ぼす感染症という意味の「湿毒疫」ととらえています。ウイルスの侵入を避けるためにも、むくみなどの症状をもたらす体の中の湿毒つまり「内湿」は排除しておきたいものです。新型コロナウイルスがまだまだ油断ならない状態だからこそ、この時季の「内湿」に対するケアは重要です。
そこで、今回は「むくみを解消!内湿を取るための薬膳」として、東洋医学の視点からのむくみのメカニズムをお伝えします。あわせて、国際薬膳師の資格を持ったシェフ監修のご自宅でも気軽にできるむくみ解消にぴったりの薬膳レシピもご紹介。
お出かけや外食にはまだ少し抵抗がある今だからこそ、食からむくみ改善に取り組んでみませんか?
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<目次>
6.国際薬膳師おすすめ!むくみを解消!内湿を取るための薬膳レシピ2種
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1.季節がむくみに関係していた?
東洋医学の考えでは五行論という考え方があり、すべての物質を五つの性質に分けます。これは、季節も同様で、春・夏・秋・冬に「梅雨」を加えた「五季」として考えます。
これからの約一か月半は五行における「梅雨」にあたります。日本でも「梅雨入り」という言葉をつかいますね。ジメジメとして湿気が多く、過ごしづらいこの時季には「湿」からくる不調が多くなります。この時季の「湿」は「邪気」としてとらえ「湿邪」と呼ばれます。「湿邪」は私たちの身体に不調をきたしてしまう原因となるのです。「湿邪」は「外湿」と「内湿」の2種類があります。
「外湿」は、雨の中や湿度の高い環境に長期間いることで体に悪影響を及ぼす湿邪で、「内湿」は体内で発生する湿邪です。「内湿」は、「外湿」とも密接に関係しているため、梅雨の時季は、今回のテーマであるむくみのほか、下痢、軟便、胃もたれ、倦怠感、うつなどの症状が現れやすくなります。
では、このつらい時季をできるだけ快適に過ごし、また夏バテ予防にもつなげるようのするにはどうしたらよいのでしょうか?
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2.中医学の視点からみた「むくみ」のメカニズム
むくみを解消するには、何故むくみが起きるのかを知っておく必要があります。
まず、中医学の視点からみた「むくみ」が発生するメカニズムを解説しましょう。
中医学では通常、取り入れた水分は「脾(=西洋医学的な脾臓ではなく、胃腸機能)」から「肺(中医学では肺は皮膚体表と関連すると考えます)」と「腎」に送られ体表や膀胱から汗や尿となって体外に排出されます。
しかし、「外湿」が多い(湿度が高い)状態では、体表から水分と一緒に熱を逃す働きの汗の蒸散機能が低下し、体内に水分が溜まり、熱がこもるという状態になります。体内に溜まった水分は「腎」にも負担をかけることになります。
「腎」の水分代謝が追いつかなくなると、血液中に過剰になった水分が、血管外に滲み出して、むくみが出てしまうのです。また、水分の排出が上手くいかなくなったり、過剰な水分摂取により、「脾」にも、水分が溜まります。
「脾」は「湿」を嫌う臓器と言われます。胃に溜まった「湿」は胃酸を薄めて吸収を妨げ、食欲不振、胃もたれなどを起こします。また、行き場を失った水分は、大腸に過剰に運ばれて下痢を起こします。胃の中でチャポチャポと水を感じるような場合を「胃内停水」といい、「内湿」が関係した胃腸虚弱の方に見られる症候です。
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3.梅雨のむくみの原因は?
じめじめと湿気が重く感じる梅雨の時季。何故この時季にむくみが起きやすいのでしょうか?ここからはその原因を探っていきましょう。
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①<身体が冷えているから>
むくみの原因には「冷え」もあげられます。「脾胃」は冷えるとその活動を弱めてしまいます。人体の中心部の体温はどの季節でも一定に保たれています。逆に手足など末端部分や体表部ではその差は大きく、外気温に左右され、梅雨や夏の時季は皮膚温が上昇します。
そのため、冷たいものを取りたくなりますが、多くとりすぎてしまうと身体の中心部がいつも以上に冷やされてしまうのです。身体が冷えると、身体の水分バランスが崩れてむくみの原因となるとのです。
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②<水分をとりすぎてしまうから>
水分のとりすぎも原因の一つ。人が一回で吸収できる量は200mlほどといわれています。がぶ飲みは禁止でゆっくりと少しずつ飲むと良いとされています。一般的に水分を1日2リットル摂取することが健康に良いなどともいわれています。しかし、多湿な気候の日本の梅雨や夏の間は、体に湿を貯める「内湿」に陥りやすくなります。食物から得ることができる水分も含めて2リットルと考えると良いでしょう。
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③<身体を適度に動かしていないから>
梅雨時期は、外で運動をすることが難しいこともあり、運動不足になりがち。筋肉量も減りやすくなります。ふくらはぎやふとももの筋肉が落ちると、血液の流れが悪くなり余分な水分や老廃物が排出しづらくなってしまい、むくみをはじめとするだるさや肩こり、頭痛などの原因となります。今の時期、テレワークやお家時間を過ごすことによって、長時間同じ体勢のまま動かないと足に水が溜まり、靴下の跡がくっきりついてしまうほどむくんでしまうことも。日々適度な運動を心掛けることが大切です。
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4.梅雨に良いおススメの養生法は?
むくみやすく、身体が重く感じる梅雨に大切なのは「内湿」を取り除くこと。ここでは今日からすぐできる養生法をいくつかご紹介しましょう。
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①<「脾」の養生を心掛ける>
「脾」は、「内湿」の影響を受けやすく、不調に陥ることが多いのでしっかりと養生をすることが大切です。冷たいものや脂っこいものは避けましょう。また、朝食は必ず取るように心がけましょう。朝食は、エネルギーを補充し、脳を活性化させ、エネルギー代謝を上げて身体を目覚めさせ、元気に活動させる役割があります。さらに、睡眠中に低下した体温を高めることや生活リズムを整える役割も持っています。朝食には、糖分だけではなく、持続的なエネルギー源の炭水化物も適量とることが大切です。
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②<思いつめないようにする>
「脾」は思い込んだり、憂いすぎたりすると気が詰まり活動が悪くなる臓器です。思いつめることはやめて、良い香りを利用するなどの気分転換を図り、こころを軽く保つように意識するようにしましょう。
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③<朝一番に白湯を飲もう>
身体を冷やさないように、脾胃に負担をかけない白湯を飲みましょう。自分の体温と同じくらいの水分を飲むことで、体内温度を急激に下げる事を防げます。朝一番にゆっくり飲めば、寝ている間に下がった体温も上昇し、血流の流れも良くなります。また、白湯でしたら一気に飲みすぎる心配もないのでおすすめです。
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5.内湿をとるための食材でむくみを解消!
「内湿」を取り除くための食材は色々ありますが、薬膳の視点では、どのような食材を勧めているのでしょうか。国際薬膳師の淺井シェフに訊いてみました。
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薬膳の世界では、内湿を取り除くには<健脾、利湿、行気>の働きがあるものがよいそうです。それぞれの働きと、おすすめ食材を順を追ってご紹介いたします。
<健脾 kenpi> 脾胃の疲れを補う。 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 大豆、クミン、米、しいたけ、オクラ、ジャガイモ、カボチャ、長芋、キャベツ、鶏肉、鯛など |
<利湿 rishitsu> 梅雨の時季の外邪である「湿」を対外へ排出する ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 大豆、ナス、豆苗、トウモロコシ、ハト麦、鱧、うど、小豆、冬瓜、枝豆など |
<行気 kouki> 「湿」は粘着質な性質で、体のあちこちで滞りが生まれやすいため、滞りを解消して流れを良くする ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 玉ねぎ、生姜、八角、ウーシャンフェン、茗荷、ねぎ、そば、陳皮、ジャスミン、オレンジ、ワイン、酒など |
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冷たいものや生もの、白砂糖を使った甘いものは、脾を痛めて湿を増やしてしまうので、むくみやだるさが気になるときは避けた方がよいでしょう。
精製された白砂糖は脾を痛めてしまいますが、サトウキビや果物などの天然の甘味は、天然の甘味は脾に良いとされています。甘いものがどうしても食べたいときは、天然の甘味のものを選ぶといいでしょう。
また、薬膳でもスパイス類は行気や健脾作用があるものが多く、インドやインドネシア、タイのような高温多湿な地域で食べられている料理を参考にして、スパイス類をふんだんに使うのもおすすめです。
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6.国際薬膳師おすすめ!
むくみを解消!内湿を取るための薬膳レシピ2種
お勧めの食材はわかったけれど、どのように組み合わせて調理したらいいの?という疑問が浮かんできますよね。そこで、今回はカフェ&キッチンより、国際薬膳師であるシェフ監修「むくみを解消!内湿を取るための薬膳レシピ」をご用意しました。
新しい日常でお買い物時間が限られて毎日の献立にお悩みの方も、これで安心!珍しい食材も難しい手順も不要で、ご自宅で手軽にむくみを改善できる薬膳が作れますので、ぜひご覧ください。
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国際薬膳師おすすめ!
むくみを解消!内湿を取るための薬膳レシピ2種はこちら>>
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これからひと月半近く続く梅雨ですが、しっかりと「脾」を養生すれば、気になるむくみも、身体の重だるさからも解放されて快適に過ごすことができます。ご自宅でも気軽にむくみ解消の食材を取り入れて、「脾」をいたわって、梅雨をすっきり過ごしましょう。
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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。
次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.8」では、
「手指消毒で手荒れしていませんか?手作りアイテムでできるハンドケア」
をお届けします。
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あなたとあなたの大切な人を守るために、そして、新しい日常を楽しむために、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
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過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー
Vol.6_長期戦に備えよう!慢性疾患のある方も必見!身体を整えるための漢方薬
Vol.5_巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~
Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~
Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア
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