薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!
この度の豪雨災害により、被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被災地の皆様におかれましては、くれぐれもご自愛いただき、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
さて、毎週火曜日にお届けしております自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。
皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.12をお届けいたします。
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大きな被害をもたらした今年の梅雨、まだまだ油断がならない状況ですが、その後に控える夏本番は、酷暑が予想されており、さらに心や身体への負担が心配されます。
そんな時こそ、せめて「暑気払い」をしたいものですが、今年は今までのように、仲間と飲み会や食事会を開くことは少し厳しそうですね。
ところで、「暑気払い」とはその名の通り「暑さをうち払う」という意味を持ちますが、冷たいものを食べたり飲んだりするのではないのをご存知ですか?
薬膳の観点では、冷たいものの取り過ぎは逆に夏の不調を招いてしまいますので避けなければなりません。「暑さをうち払う」には、単に冷たいものを食すのではなく、身体に溜まった余分な熱気を取り除ける食材を上手に取り入れて、夏ならではの不調を改善していきます。
そこで、今回は東洋医学と薬膳の視点から、熱を体外に放出していくおすすめの方法と食材をご紹介します。もちろん、国際薬膳師監修のご自宅で作れる「暑気払いの薬膳」レシピもご紹介しますよ。
ご自宅で暑さを打ち払う薬膳を楽しんで、暑気払いをしてみませんか?
<目次>
3. 知っておけば安心!「暑邪」を上手に取り去る3つの養生方法
5. 国際薬膳師おすすめ!夏バテしない!暑気払いの薬膳レシピ2種
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1.そもそも「暑気払い」ってなに?
夏になるとあちらこちらで耳にする「暑気払い」という言葉。夏の暑さに負けないように色々な方法で暑さをしのぎ、夏を乗りきる日本の風習の一つとして、私たちの生活に根付いてきました。
現在の日本では、特に決まった時期ではなく「夏の暑い時期」に行なっています。暑さや体にたまった熱気を払うことで、気を正して元気になろうという意味合いもので使われています。
そして、古来中国では一年を二十四の期間に分けた「二十四節気」のうち、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑の六つの節気の間を快適に涼しく過ごせるような養生法を考えました。夏の旬の食材を上手に用いて体内に溜まりがちな熱を取り払う薬膳もその一つ。
日本でも中国でも、古来より夏の暑さをいかに乗り切るかを考えて生み出されたものが時代とともに受け継がれてきたものが「暑気払い」です。
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2.その夏の不調の原因、「暑邪」のせいかも?
東洋医学では、古来より夏を「生長」の季節としてとらえ、陽気というエネルギーがもっとも盛んになる時季で、植物が大きく茂り、生物の成長は促進されていきます。陽気とは熱や活動を意味し、夏にはあふれかえるように発生するといわれています。
ただし、陽気が体内に溜まりすぎてしまい、体内で邪気になると体の気・血・津液(水分)のバランスを崩してしまうことがあります。これを「暑邪」と呼び、のぼせ、めまい、不眠、イライラ、興奮、※煩躁などを起こす原因となるのです。
また、「気」と「津液(しんえき)」つまり、気力や体内の水分を消耗しやすいのが「暑邪」の特徴。夏に息切れがしたり、のどが頻繁に渇いたり、脱力感を感じやすくなったら、「暑邪」が体内に侵入していると考えましょう。
※煩躁
胸に熱感があり気分が落ち着かず、じっとしていることができない状態。
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3.知っておけば安心!「暑邪」を上手に取り去る3つの養生方法
では、体内に侵入してしまった「暑邪」を取り去るにはどうしたらいいのでしょうか?なによりも、体内の陽気を程よく発散せることが養生の要。無理をせずに、軽く汗をかくことで「暑邪」を排出することができます。ここでは、おすすめの3つの養生方法をご紹介しましょう。
<①ー軽い運動で汗をかきましょう>
ポイントは軽い運動であるということ。この時季の激しい運動は津液の消費が激しいため、あまりお勧めできません。例えば、気功、ヨガ、ストレッチのような運動で、程よく汗を出すのがベストです。無理のない範囲で行いましょう。
<②ークーラーの温度を下げすぎていませんか?>
夏にクーラーが良く効いた涼しい室内にいると、汗が出ず暑い外気の中でも汗がうまくかけなくなったりして、正しく熱が放出されないため、体内に熱がこもりがちになります。室温が24度を下回るなど、外気温との差があまり大きくならないようにしましょう。
注意としては、酷暑が続くと室内でも熱中症になることがあります。無理に我慢をしてクーラーを使用しないと、命に危険なケースもあります。暑いと感じたら、設定温度を下げて室温を調節するなど、程よく涼しい環境作りを心掛けるようにしましょう。
<③ーお風呂にゆっくりつかりましょう>
夏はどうしてもシャワーで手短に済ませがちな方も多いのではないでしょうか。でも、夏だからこそ、お風呂にしっかり肩までつかれば、汗を出すこともできますし、一日の疲れも癒すことができます。冷房で冷えたしまった内臓も暖めることができますよ。
ただし、お風呂上がりの冷たい飲み物を一気に飲むのはやめましょう。せっかくあたたまった身体が一気に冷えてしまいます。できれば、常温のものがよいのですが、どうしても冷たいものが飲みたい場合、コップに半分程度の量をゆっくり噛むように飲むとよいでしょう。冷たい水分を一気にお腹に入れるよりは、天然素材で作ったアイスクリームなどの固形物で、とろみのあるものをゆっくり召し上がるのも良い方法です。
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4.薬膳の視点でおすすめする「暑邪」から身を守る食材
先にもご紹介しました通り、「暑邪」を取り除くには体内に溜まった余分な熱を外に出すことが重要です。「暑邪」を上手に取り去る3つの養生法とあわせて、食でもしっかりとケアするのが大切です。
「暑邪」を取り除くための食材は色々ありますが、薬膳の視点では、どのような食材をすすめているのでしょうか。それぞれの効能とおすすめの食材を、国際薬膳師の淺井シェフに訊いてみました。
<清熱 seinetsu>熱を下げる効果がある ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ きゅうり、なす、トマト、水菜、茶葉、苦瓜、スイカ、バナナ、カニなど |
<生津 seisin(滋陰 jiin)>津液を補充する役割がある 汗として流れ出てしまう体に必要な水分やビタミン、ミネラルなどを補う ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ トマト、きゅうり、ズッキーニ、豆腐、きのこ、枸杞子、ホタテ、豆乳 |
<安神 anjin>心を補養する役割がある イライラや興奮に効果的で精神を落ち着かせる ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ナツメ、もも、ハスの実、ゆり根、豚の心臓、鶏卵、クワイ、レンコン、金針菜、牡蠣、小麦 |
これからやってくる酷暑に備えて、これらの食材を意識して食べることで『暑気払いの薬膳』としての効果が期待できますよ。
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5.国際薬膳師おすすめ!夏バテしない!暑気払いの薬膳レシピ2種
お勧めの食材はわかったけれど、どのように組み合わせて調理したらいいの?という疑問が浮かんできますよね。そこで、今回はカフェ&キッチンより、国際薬膳師であるシェフ監修「夏バテしない!暑気払いの薬膳レシピ2種」をご用意しました。
新しい日常でお買い物時間が限られて毎日の献立にお悩みの方も、これで安心!珍しい食材も難しい手順も不要で、ご自宅で手軽に暑気払いができる薬膳が作れますので、ぜひご覧ください。
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国際薬膳師おすすめ!
夏バテしない!暑気払いの薬膳レシピ2種は こちら>>
※ご注意
ご紹介した料理は、今の時季に冷えを感じていない方向けのレシピです。冷え性の方、クーラーにずっとあたっていて冷えを感じる方は、生姜、ネギ、唐辛子、玉ねぎ、茗荷などの体を温めるものも一緒に取りいれて、清熱の食材を取りすぎないように注意しましょう!
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これから本格的にやってくる夏。体内に「暑邪」が侵入しないように、しっかりとケアすることで酷暑も乗り越えることができます。暑さが続く季節だからこそ、旬の食材を上手に取り入れて、身体の中に熱をため込まないようにしていきましょう!
自然の薬箱「Cafe&Kitchenの梅雨・夏メニュー」は、湿邪のケアや暑気払いに適した食材をお選びして心を込めてお作りしています。一度ご賞味ください!
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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。
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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.13」では、
「 健やかで美しい、暮らしのアレコレ」をお届けします。
近頃、生活の質についてゆっくり見直す時間ができた方も多いのでは?健やかで美しい暮らしのために役立つものやアイデアについてご紹介します。
※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
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あなたとあなたの大切な人を守るために、そして、新しい日常を楽しむために、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
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