巣ごもり不調を改善!~セルフお灸のススメ

緊急事態宣言の解除で、自粛生活が一気に緩和されることはないものの、コロナウィルスの特徴を捉えながら、経済活動を元に戻していく動きが活発になってきましたね。少しづつ日常に戻りつつある方も多くいのではないでしょうか。

でも、巣ごもり生活が長く、なんとなく不調を感じたまま、外に出てみたら急に暑くて疲れてしまう方もいらっしゃるかもしれません。また、これを機にテレワークになるという方も、おられるのではないでしょうか。

そこで今回は、『巣ごもり不調を改善!~セルフお灸のススメ<応用編>~』と題して、自粛生活で起こりやすい不調のケア方法をお伝えします。

前回お伝えした免疫機能アップの『足三里』へのセルフお灸に加えて、様々な巣ごもり不調に効果的なツボをご紹介します。ツボにお灸を据える、押してみる、また、トリートメントを行うなど、自分にあったセルフケアを見つけて、続けてみてはいかがでしょうか?

<目次>

 1. イライラや、ホルモンバランスが気になったら「太衝」

 2. 冷えやのぼせ、肩こり・腰痛・目の疲れにもおすすめ「合谷」

 3. 血行不良や月経痛が気になり始めたら「三陰交」

 4. 手足や顔のむくみにおすすめの「陰陵泉」

 5. 番外編<鍼灸師のトリートメント>

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1. イライラや、ホルモンバランスが気になったら「太衝」

1つめのツボは、足にある「太衝(たいしょう)」。ツボの場所は足の甲の親指と人さし指の骨が交わるところからやや指先よりのへこみです。この太衝、ぐぐっとツボおしするとすごく痛い人もいます。

毎日「太衝」をおしてみると、日によって痛さも違うと思います。また、「太衝」はイライラなどの気持ちのトラブルや、ホルモンの分泌のお悩みの時などにも良いと言われています。日々の痛さの違いを感じながら最近の生活を振り返ってみると不調の原因が見つかるかもしれません。ちなみに、お酒を飲みすぎた次の日におしてみると、結構痛いです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2. 冷えやのぼせ、肩こり・腰痛・目の疲れにもおすすめ「合谷」

2つめのツボは、手にある「合谷(ごうこく)」。ツボの場所は、手の甲の親指と人さし指の骨が交わったところから、やや人さし指よりのへこみです。先ほどの「太衝」の位置と対になっているような手のツボです。「合谷」もおすと痛い人が多いツボです。このツボは冷えやのぼせだけでなく、肩こり、目の疲れ、頭痛など上半身の血行不良と関わるようなお悩み解決にもぴったり。手の甲にあるので、セルフケアに使いやすいツボです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3. 血行不良や月経痛が気になり始めたら「三陰交」

3つめのツボは「三陰交(さんいんこう)」。特に、「血流が悪くなっている?」「自粛以降の月経の痛みが強くなった気がする」「最近、お腹の冷えが気になる」という方におすすめです。

三陰交のツボの場所は、内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指4本分上、人さし指があたっているところです。むくみのある人は、靴下の痕がついていることも多いです。他のツボと同様に、優しく触ってツボを見つけてください。見つけた後、少し深く押し込むと痛みを感じる人が多いです。女性の月経トラブルにも大切なツボですので、気になる方はまずツボの様子を確かめてみてください。冷えやかさつきは、血行不良のサインです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4. 手足や顔のむくみにおすすめの「陰陵泉」

4つめのツボは「陰陵泉(いんりょうせん)」。在宅勤務や外出自粛で家で座っている時間が長くなり、「気づけば脚に靴下の痕がついてる」「久しぶりに家を出ようと鏡を見たら、顔が大きくなっている?」というようなむくみの気になる方におすすめです。

陰陵泉のツボの場所はひざの内側で、骨を下からさすったときに指が止まるところの少ししたのくぼみ。押すと落ち込むところがあり圧痛があります。ここだけがひんやりとしている人もいます。優しく触りながら、皮膚温も確かめてみましょう。冷えているなら、じんわりとお灸で温めましょう。熱いという感じより、温かいを感じるくらいの温度がおすすめです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回ご紹介した4つのツボに、前回ご紹介したセルフお灸をぜひお試しください。

ツボ押しでも効果がありますが、痛すぎるほど押すのはよくありませんから注意してください!

また、ツボへのお灸以外にも、第二の心臓と言われるふくらはぎの筋肉を動かすことも大切。つま先立ちをしてかかとの上げ下げ、逆にかかと立ちをしてつま先の上げ下げをして、ひざ下の筋肉を意識的に動かす事で、足のむくみの解消によいといわれています。

※ 図のように、転倒しないよう椅子などにつかまって行ってください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

5. 番外編<鍼灸師のトリートメント>

今回の記事の為に、自分の足や手を写真にとってみてびっくり!手がアルコール消毒を頻繁に行うため、ガサガサ、シワシワになっていました。そこで、お灸と一緒に慌ててセルフトリートメントしております。

お気に入りの精油を垂らして手浴・足浴をしたり、ツボを意識しながら、オイルでハンドトリートメントやフットトリートメントもおすすめです。循環も良くなり、心も体もすっきりしますよ。

番外編として、鍼灸師が自宅で行っているハンドトリートメントをご紹介します。

1.まずは全体にオイル(※注1)を塗布します。

2.指の関節をくるくるしながら、指先までトリートメント。

3.親指(上)と人差し指(下)で挟み、指をしごきながら、指先へひっぱります。

4.爪の横あたりを、ギューッと押して引き抜きます。

5.指の腱と腱の間を指先から手首に向かって押し上げるイメージでトリートメント。

6.手首の曲げ伸ばし、手首を回したら終了です。

 

実は、ハンドトリートメントは、手をフワフワに柔らかくしてくれるだけではありません。へバーデン結節やばね指などで少し痛みがある方の痛み緩和にもおすすめです。(あくまでも緩和です)

また、手には、首・肩こり、目の疲れ、腰痛によいツボ等が沢山あります。なんと、下の図の<>ついているところは全部ツボ!ツボをひとつひとつ押すこともよいのですが、トリートメントの流れの中で少し意識して触れることもセルフケアとしてはおすすめです。「痛気持ちいい~」と思う場所をちょっと念入りにトリートメントしてみましょう。

トリートメントする際のオイルとして精油を使う場合(※注1)は、ご自分のお好きな精油を選びましょう。それぞれの精油の特性を利用することもよいですが、人は好きな香りを嗅ぐだけでも体と心がほぐれます。お手元に精油やトリートメントオイルがない場合は、お気に入りのボディクリームやハンドクリームでもOKです。無理にお買い物にでかけることなく、お家にあるもので工夫してトリートメントしてみましょう。

(※注1)
精油原液は高濃度ですから、必ず薄めて使いましょう。
トリートメント用の植物オイル(ホホバ、スイートアーモンド、マカデミアナッツ、ライスキャリアなど)に、精油が1%の濃度となるようによく混ぜます。精油の瓶から出る1滴は、0.05mlですから、植物オイル10mlに対して精油は2滴で1%になります。

トリートメントは、本当は誰かにしてもらうと、とっても気持ちいいものです。自然の薬箱に来ていただけるその日まで、ご自宅でご家族同士、トリートメントしあうのももよいですね。

自分でない手を触ってみると、人の手の柔らかさ、かたさの違いなどにも気づきますよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いかがでしたか?
今回は、
『巣ごもり不調を改善!〜セルフお灸のススメ<応用編>~として、自粛生活で感じやすい症状におすすめのツボと、トリートメント方法をご紹介しました。

なかなか自由に外出することができない今だからこそ、セルフお灸やトリートメントを通じて、じっくりとご自身の身体と向き合ってみてはいかがでしょうか。今まで感じていたちょっとした違和感や不調が、すっきりするかもしれませんよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週月曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.6」では、
長期戦に備えよう!身体を整えるための漢方薬」をお届けします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あなたとあなたの大切な人を守るために、そして、新しい日常を楽しむために、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

過去の<Naturalist Web Magazine>バックナンバー

Vol.4_お灸で免疫機能アップ!~セルフお灸のススメ<基本編>~

Vol.3_ストレスに負けない!心と身体を作る小さなアイデア 

Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

Vol.1_知っておきたい!肺炎と免疫機能のこと