季節の変わり目に知っておきたい!自律神経と目の関係って?

今日からいよいよ9月がはじまりました。とはいえ、秋を実感するにはほど遠い暑さが続いてますね。「暑さ寒さは彼岸まで」と言いますが、もう少しのあいだ熱中症と感染症の予防を徹底して過ごす日々が続きそうです。

毎週火曜日にお届けしております自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.19をお届けいたします。

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9月になったとはいえ、残暑厳しい日が続いています。さらに、今年は新型コロナウイルスの感染予防など慣れないことが続き、夏の疲れが溜まったままの方も多いのではないでしょうか。「涼しくなればきっと楽になる」と思いがちですが、そのまま放置しておくと、夏が終わり秋が始まる頃、様々な不調が心身に現れてしまうことがあります。

そこで今回は、鍼灸師の竹下多恵子より、夏から秋へと変わる今におすすめ!夏の疲れを癒やして、秋を健やかに迎えるためのケア方法をお届けします。

夏の不調を持ち越さずに秋を健やかに過ごせるよう、今から準備していきましょう。

 

< 目次 >

1.「自律神経」とはどういうもの?

2.自律神経が乱れるのは何故?

3.自律神経が乱れる前に行いたい!3つの基本的予防法

4.自律神経に密接な関係がある「目のケア」も忘れずに!


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1.「自律神経」とはどういうもの?

季節の変わり目になると、鍼灸ルームにはこの時季ならではの症状にお悩みの方が増えてまいります。

例えば…
・頭痛や肩こり
・疲れが取れず、身体が重だるい
・吐き気や目眩がする
・体温調整がうまくできない
・ストレスを強く感じて、気持ちが落ち込みがち
・ばくぜんと不安になったりする など

このような症状は、季節の変化に体と心の準備ができておらず、自律神経のバランスを崩してしまう時に起こりやすいものなのです。

季節の変わり目の不調の原因は「自律神経の乱れ」が起因していることが多いことはわかりましたが、そもそも「自律神経」は、どのような働きをしている神経なのでしょうか?

①<まずは、人の神経の仕組みを知ろう>

人間の身体には「中枢神経」と「末梢神経」の2種類があります。

「中枢神経」は、脳と脊髄からなっており、全身に張り巡らされた末梢神経から集めた情報をまとめて判断して、指令を出す機能を持ちます。
「末梢神経」は、中枢神経と身体をつなぎ、中枢神経に情報を伝達したり、受け取った指令の伝達を行い、「体性神経」と「自律神経」の2つがあります。

「体性神経」は、「熱い」「痛い」など知覚や感覚で得た情報を中枢神経に伝達する「知覚神経(感覚神経)」と、腕を上げる、足を動かすなどの身体を動かす指令を出す「運動神経」の2つに分かれます。

「自律神経」は呼吸や血液循環、内臓や分泌液などの動きを管理して、体内の環境を整えている神経で、交感神経と副交感神経の2つに分かれています。

②<自律神経の役割とは?>

私たちは意識しなくても、常に心臓や肺などの内臓を動かし、血液を循環させることができます。これは、自律神経が24時間休みなく指令を出して、体内の環境を整えているから。「自律神経」は、何も意識をしなくても 周囲の環境に合わせられるよう「自律」して機能して生命を維持する運動を支えているのです。

③<交感神経と副交感神経って?>

自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。それぞれがシーソーの様なバランスを保って機能しています。

交感神経は、心臓の鼓動や呼吸を早くしたり、筋肉を緊張させて血圧をあげるといった働きをします。副交感神経は、脈拍や呼吸をおだやかにして、消化を活発したり、筋肉を緩めたりといった働きをします。

日中は心と体の状態を活発にする交感神経が優位に働き、夜は心と体を休ませる副交感神経が優位に働くことでバランスを保ち、健康を保っているのです。

すなわち、自律神経とは私たちの体の「生命維持機能を適切にコントロールする役割」を担っている神経なんですね。


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2.自律神経が乱れるのは何故?

本来、自律神経は環境の変化に対応できるように働くもの。しかし、気温や気圧の変化が急激であったりすると影響を受けてしまいがちな神経でもあります。

例えば、夏の疲れを引きずったままだったり、日々の生活で刺激が強すぎたり、低気圧の影響や、人間関係などが原因でストレス過多になってしまうことがありますよね。すると、交感神経から副交感神経への切り替わりが上手にできず、変化に対応できにくい体になっている場合があります。これが「自律神経の乱れ」とよばれる状態です。

自律神経が乱れはじめると、心と体の状態を活発にする交感神経と、心と体を休ませる副交感神経がうまくバランスがとれなくなり、身体に様々な不調が現れてしまうのです。どちらか一方を優位にしようとするのではなく、バランスよく機能させることが大切なのです。


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3.自律神経が乱れる前に行いたい!3つの基本的予防法

先にご説明した通り、自律神経は私たちが意識的に切り替えをコントロールすることはできません。意識的に切り替えができないからこそ、疲労や、外的刺激、ストレスなどが積み重なると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかずに乱れが生じてしまうのです。

それでは、自律神経のバランスを保ち、乱れさせない予防法には、どのようなものがあるのでしょうか?

それは・・・
① 規則正しい生活を送る
② ゆっくりとお風呂に入る
③ 体を冷やしすぎない

この3つが基本的な予防方法です。それぞれを詳しくご紹介していきましょう。

①<規則正しい生活を送る>

家事や育児にお仕事などは、日々イレギュラーが発生しがち。そんななか、「規則正しい生活」といわれると、なかなか難しいと思われる方もいらっしゃるでしょう。「規則正しい生活」を意識しすぎて自分を追い込み、イライラしてしまっては本末転倒です。まずは、すべてを規則正しくするのではなく、起床時間と就寝時間をなるべく同じ時間帯にするなど、できることからはじめてみるのがおすすめです。
また、就寝ぎりぎりまで活動するのではなく、ほんの少しでもリラックスタイムを作るのも大切。ストレスを解放して、交感神経と副交感神経の切り替えを行いやすくしましょう。ちょっとした余裕を心の中に持つだけで、気持ちが落ち着き切り替えがスムーズにいきますよ。

②<ゆっくりとお風呂に入る>

残暑が厳しい今、熱めのお風呂に入ると交感神経が優位に働いて興奮状態になり、眠れなくなってしまうことがあります。できれば、寝る2時間前までに37〜39℃程度のお湯に20分〜30分ゆっくり浸かってリラックスしましょう。冷房や冷たい飲み物で冷えた内臓も温まり、身体の内側から温まります。湯上り後は、ゆっくりと体温が下がり始めることで副交感神経が優位に働き、睡眠の質も上がることが期待できますよ。

③<身体を冷やしすぎない>

今年は酷暑で冷房の効いた涼しい部屋で過ごす時間も多かったと思います。もし、今年の夏は足がむくみがちだったという自覚症状があった方は、冷えが原因かもれません。足下の冷気が足先から熱を奪う上に、血液などの体液を押し戻す力が足りないために余分な水分がたまってしまい、むくんでしまうのです。冷たい飲み物や食べ物をとりすぎない、冷房の温度調整をこまめにして冷えすぎない環境を作る、軽く体を動かして血行を良くする、お風呂にゆっくりつかるなどを心掛けて、身体の中の冷えを取り除くように心がけましょう。


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4. 自律神経に密接な関係がある「目のケア」も忘れずに!

ここまで、自律神経の乱れを予防する3つの方法を解説してまいりましたが、あわせてぜひ取り入れていただきたいケア方法をご紹介します。

①<自律神経と目のかかわりとは?>

私たちの生活には今や欠かすことができなくなっているパソコンやスマホ。使用時間も圧倒的に増えていますね。気が付けば、長時間近くのものを見つめ続けることが当たり前になっていて、無意識に目を酷使しています。その上、交感神経はパソコンやスマホの光で刺激を受けやすく、常に高ぶった状態を招いてしまっています。

すると、目の筋肉が収縮したままになってしまい、目の周りの筋肉が硬くなります。そして、徐々に目の周りの血流も血行も悪くなり「疲れ目」の原因になってしまいます。

この「疲れ目」を放置した状態が続くと、様々な目の不調の原因になるだけでなく、頭痛がしたり、気持ちが落ち着かず不安になったり、イライラしたり、寝つきが悪くなったりと、さらなる自律神経の乱れを引き起こして悪循環を招いてしまうこともあるのです。

②<自宅でできる簡単ケアで目の疲れを解消しよう>

毎日酷使している目に溜まった疲労は、その日のうちに解消しておきたいもの。そこで、おすすめなのが「目を温める」ことです。

目を温めると、目の周りの筋肉が緩みます。くすみ目、ドライアイなどの目の不調はもちろん、頭の緊張も解けて、肩こりや首こりも改善し、気持ちも軽くなります。そして、なにより「目を温める」のはとても手軽に行えるという点もお勧めするポイント。寝る前のひと時に、簡単にケアすることができますよ。

今回、ご用意いただくのはタオル1枚のみ。タオルに水分を含ませてしっかりと絞ったら、電子レンジに入れて「飲み物温め(もしくは500Wで1分程度)」にします。手にとって熱く感じた場合は、少し冷ましてから瞼にのせましょう。

ホットタオルを作るのがご面倒でしたら、入浴時に40度程度のお湯にタオルを浸して(※) 絞った後、瞼にのせていただければOKです。いずれの場合でも、5分から10分程度、瞼にのせておくだけで目の周りの緊張が解けて心地よく感じることができますよ。(※タオルを浸すお湯は、衛生面から浴槽のお湯は避けてください)

③<ひどい目の疲れにお悩みの時には>

毎晩目を温めても、なかなか疲れが取れない・・・などの、ひどい目の疲れの時には「くるみ灸」がおすすめです。

「くるみ灸」とは、菊の花のエキスを含ませたくるみの殻の上に、ヨモギから作ったモグサをこんもりとのせて行うお灸です。菊の花は、漢方薬に用いられ、目によいことでも知られています。心地よい暖かさと、菊の花のエキスを含んだ蒸気が、くるみの殻の内側に充満し優しく目を温めてくれます。

しかし「くるみ灸」はご自宅で行うのは難しいお灸です。自然の薬箱では、鍼灸コースをお受けいただく際に、オプションで承っておりますので、目の疲れが気になる方は、ぜひ一度お試しください。 ※詳しくは、こちらから>>
また、くるみ灸でも使用している、菊の花を使ったお茶もおすすめです。代表的なものは枸杞菊花茶八宝茶があります。特に枸杞菊花茶は、中国で目の疲れにいいお茶として広く知られています。菊の花の芳しい香りとクコの実のほんのりとした甘みが、疲れた目も心も癒してくれますよ。

1階の漢方相談薬局でオーダーが可能ですので、ぜひ一度ためしてみませんか?
お気軽にお問い合わせください。

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今回は、季節の変わり目に起こりやすい、自律神経の乱れを予防する方法をご紹介しました。

様々なストレスにさらされてる私たちにとって、自律神経の乱れはどうしても起きやすいもの。さらに季節の変わり目は、外的要因からの刺激を受けやすいタイミングでもあります。今からしっかりと予防して、夏から秋の変わり目を上手に乗り切っていきましょう。

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「Naturalist Web Magazine」お届け内容は、いずれも知識と経験豊富な自然の薬箱スタッフが、 自信を持ってお勧めする内容ばかり。「Naturalist Web Magazine」の更新は、毎週火曜日を予定していますのでぜひご覧ください。どうぞお楽しみに。

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次回の「Naturalist Web Magazine_Vol.20」では、

「9月9日は重陽の節句!菊の伝統文化のたしなみと漢方薬のお話」をお届けします。

9月9日は、菊の節句とも言われる重陽の節句。伝統文化を知って、普段の生活に取り入れてみましょう。菊花の生薬としての働きや薬膳茶の楽しみ方、菊花が入った漢方薬のお話などをご紹介します。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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Vol.18_ブルーの精油『ジャーマンカモミール』の涼し気なアロマソープを手作りしよう!

Vol.17_残暑を乗り切るために!脾胃(ひい)を整えるための薬膳のススメ

Vol.16_ステイフォーム中にチャレンジ!コロナ太りを解消するには?

Vol.15_夏バテしている場合じゃない!夏に役立つ漢方薬

Vol.14_鍼灸師おすすめ!夏のマスク不調の解消&予防法!

Vol.13_健やかで美しい暮らしのためのあれこれ

Vol.12_薬膳で暑気払い!酷暑を乗り切ろう!

Vol.11_知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

Vol.10_お顔と頭のツボでリフレッシュ!

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Vol.2_腸活で<免疫機能>をキープ&アップ! 

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ーENDー

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