冬から春に感じやすい冷えを撃退して、ポカポカからだを目指そう!
立春が過ぎ、関東地方では、統計史上最も早い春一番が吹いたとか。今年の2月は寒かったり、暖かったりと、一段と寒暖の差が激しいようです。体調を崩さないように注意したいものですね。
毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。
皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.41をお届けいたします。
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立春が過ぎたとはいえ、まだまだ寒さが続いていますね。身に染みる寒さが続くと、身体の冷えが気になる方も多いのではないでしょうか?
実は、冷えは手足の冷たさだけでなく、不眠や、頭痛など様々な症状につながってしまうことがあります。さらに免疫機能がうまく働かくなる原因にもなりますので、コロナ禍の今だからこそ、体を温かく保って免疫機能もしっかり維持したいですよね。
そこで今回は、多くの方がお悩みの冷え性について、その定義や原因、生活の中で気軽に取り入れられる工夫などを、自然の薬箱 ヨガインストラクター 田島理帆よりお伝えいたします。
冬から春へとかわる季節の変わり目は、特に冷えを感じやすいタイミングです。冷えない工夫を上手に取り入れて、ポカポカ暖かい身体を目指しましょう!
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<目次>
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1.冷えってどんなもの?冷え性の定義とは?
多くの方が気にしている冷え性。東洋医学と西洋医学では「冷え」に対する捉え方が異なる事をご存知でしょうか?
東洋医学では・・・
「冷えは万病の元」と考え、治療の対象となります。まずは、患者さんの体質・個体差を重視して、詳細な問診を行うとともに、独特の診断方法(舌の形状や色、腹部の筋肉の緊張、脈の流れ方など)を組み合わせて「冷え」を起こしている体のバランスの乱れを把握していきます。
例えば、熱を作り出しにくい体質なのか、血流の問題なのか、血液が熱を運ぶ力が不足しているのか、気(エネルギー)の量の不足や巡りの問題なのかなどです。それに基づき、生活習慣の見直し、運動、食事、鍼灸、漢方薬などで整えていきます。
西洋医学では・・・
「冷えとは客観的な体温の低下」を意味し、冷え性は冷えに対する過敏な性格ととらえる傾向があります。また、自律神経の乱れや、低血圧、貧血が起因する症状の一つとして扱われています。
「冷え症」という病名はなく、あくまでも症状の一つである冷えですが、最近行われた3,000人以上の女性を対象とした研究では、対象者全体の52%に冷えの自覚があり、冷えに伴う不眠や肩こり、便秘などの随伴症状に悩まされていることが分かりました。年代別にみると、40歳代前半まではその頻度は30%未満ですが、更年期以降は40%以上、55 歳以上では50%以上に冷えの自覚が認められたと報告されており、冷え性は身近なものになってきています。
そのため、近年では病気としては定義されていない西洋医学の世界でも、冷えに関する様々な論文が発表されるようになり、定義を明確化しようとする動きが生まれました。
「冷え」の定義 |
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他の人が、寒く感じない程度の環境温の中にいても寒く感じ、手足や腰以下の冷え感を訴える状態。 |
中枢温と末梢温の温度較差がみられ、暖かい環境下でも末梢体温の回復が遅い病態であり、多くの場合は冷えの自覚を有している状態。 |
特に「手足の末端に冷えを感じる」ことに重きを置いて、定義されるようになっています。
今回は、以上のように西洋医学でも重要視されるようになってきた「冷え」について、生理学的な捉え方やケアの方法について紹介していきますね。
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2.冷え症の原因って?
それでは、多くの方のお悩みの一つである冷え性ですが、そもそも冷え性の原因とは何なのでしょうか?
人間はもともと体温が大きく変動する動物ではありません。気温が変化しても一定の体温に保てるよう、血液の流れる量を変化させたり、汗をかいたりすることで、体温を一定に保つよう調節している「恒温動物」です。寒いと感じたら、血管を縮めて血液をあまり流さないようにすることで、皮膚表面の温度を低く保ち、体内の熱を外に逃がしにくくしたり、暑いと感じたら血管を広げてたくさんの血液を流し、皮膚の表面温度を上げて熱を出したり、汗をかいて熱を逃がしたりして、体温を調節しています。
冬の間は、ある程度冷えを感じるのは仕方のない事ですが、何らかの原因で体温調節が上手くいかなくなると、慢性的な冷えを感じる、いわゆる「冷え性」になります。
この体温調整がうまくいかなくなる原因を生理学的に考えると、大きくわけて以下の2つが考えられます。それぞれを詳しく解説していきましょう。
①交感神経活動が活発で、末端の血管が収縮してしまう
冷え性にお悩みの方は、そうではない人に比べて、平時でも交感神経が活発に動いており、副交感神経の働きが弱いことが近年の研究で明らかになりました。交感神経が活発な状態が続くと血管が収縮して、手足に血液が流れにくくなるのですが、血管が収縮してしまうことで血液が末端まで届かなくなり、冷えの原因となります。
冷え性の方は、自分では気づかないうちに常に緊張しており、ストレスがかかっている状態になっている場合が多いのです。特に責任感が強い方や、いつも周りに気を使っている優しい人に多く見られます。自分に当てはまると感じた方は、時にはフッと肩の力を抜いてみましょう。緊張を解き放つことができ、血流がよくなりますよ。
②筋肉量が少なく活動量も少ないため、身体で熱が作り出されない
冷え性は、男性に比べて女性が圧倒的に多い症状です。女性はもともと筋肉量が少ない上に、日頃からデスクワークや座りがちのライフスタイルも加わり、身体を動かす時間が少なくなりがち。そのため、身体の中でなかなか熱が生み出されないのが原因の一つです。
さらに、現代人は昔の人に比べて一日の基礎代謝量が少なくなっています。身体を常に動かしている人は、冷えで悩んでいるということはあまり聞きません。一日の活動量は、冷えにかなり影響しているともいえるでしょう。
冷え性を自覚されている方は、筋肉量を増やすことより、日常生活での活動量を増やすこと、そして、体熱を上げるためにバランスの良い食事をとることが大切になってきます。
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3.生活の中で実践!体を温める3つの工夫
手足が氷のように冷たく感じる冷え性は、悪化すると様々な疾患の原因になるだけでなく、免疫機能にも悪影響があるとされています。今の時期、ウイルスや細菌による感染症に罹患しないためにも、免疫機能が維持できる「ポカポカからだ」でいたいですよね。
でも、「どのように改善したらいいのかわからない!」という方もご安心ください。日常の中にちょっとした3つの工夫を取り入れるだけで、「ポカポカからだ」に近づくことができるんですよ。
ちょっとした3つの工夫とは・・・
① 運動 = 身体をほぐすだけでも OK!
② 食事 = 食事の量と、食材を意識しましょう! ③ 入浴 = 入浴法と入浴剤を上手に活用しましょう! |
どれも、難しいことはありません。日々の生活の中で意識して行えばOK!な「3つの工夫」をそれぞれ解説していきますので、明日から早速実践してみましょう!
①運動
・1日10分身体を動かしましょう
身体を動かすことは、何もハードなトレーニングを行うことだけではありません。身体をほぐす動きも、運動としてとらえてOK!また、普段の生活の中で活動を増やせる機会を探してみましょう!例えば、買い物には車で行かず、歩いていく等でも大丈夫ですよ。
最近では、健康志向の高まりを受けて、YouTube等でも色々なエクササイズ動画がアップされています。すき間時間に1日1つトライするのもいいですね。
もちろん、「ポカポカからだ」を目指すにはヨガもおすすめです。初めての方も、ベテランの方も自然の薬箱のボディワークスタジオで一緒に身体を動かして、身体の内側からポカポカしましょう!
②食事
・食事の量をしっかり摂りましょう
食事をすると、栄養素の一部は体熱となって消費します。食事の後で体温が上がるのはこのためですが、冷え性の人はもともとの食事量が少ないといわれています。1回で食べられる量が少ないのであれば、分食するのもおすすめです。
朝昼晩の食事の間の間食には、軽く、パンやおにぎり、カットフルーツ、ナッツなどがお勧めです。
・体を温める食材を食べましょう
冷え性を和らげるには、食事量だけでなく、体の中に取り入れる食事の内容を考える時、東洋医学の薬膳の知識が役に立ちます。今の時季におすすめの、体を温める食材をご紹介しますので、日々の食事に意識して取り入れてみてはいかがでしょうか?
<辛温解表 shinongehyou> 辛みのある食材で、身体を温め発散させます ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ねぎ、玉ねぎ、生姜、わさび、シナモン、大葉、三つ葉、茗荷(みょうが)など※NWM_Vol.37 でご紹介 |
<助陽 joyou> |
③入浴
・入浴でからだポカポカに
冷え性は、血管の収縮により手足の末梢の血流が悪くなることで起きるので、体を温めて血流を改善させることがポイントです。冷え性の方におすすめの入浴方法をご紹介しましょう。
<お風呂のつかり方>
冷え性の方に特におすすめなのは、肩までしっかりつかる「全身浴」。体が温まることで毛細血管が広がり、血流が良くなることで、末端まで温かくなる「温熱作用」と、体に水圧がかかって手足にたまった血液が押し戻される「静水圧作用」によって、血液やリンパの流れが促進されます。
一方、「半身浴」は、血圧や心臓に負担をかけたくない方、緊張を緩めたい方におすすめです。お湯に浸かる面積がが少ない分、温まるのに時間がかかりますが、20分程度の半身浴で、10分の全身浴と同じくらい温まるという報告もあります。
半身浴は温熱作用が穏やかなので、副交感神経が優位になりやすく、リラックスしやすいのが特徴です。緊張による冷えが強い方は時間をかけてゆっくり半身浴をするのも良いですね。ただ、上半身がお湯に浸からないため、寒い時期は肩が冷えてしまわないよう、タオルを肩にかける、暖房で浴室を暖めるなどして対策をしましょう。
※引用元:東京ガス生活研究所 https://tg-uchi.jp/topics/5469
<お湯の温度>
38℃から40℃くらいのお湯に10分~15分程度つかりましょう。
シャワーだけで済ませるのはNGです!
<入浴剤でより効果的なバスタイムに!>
バスソルトなどの入浴剤は、身体を芯から温めてくれます。市販されている入浴剤は、大まかに分けて炭酸系と無機塩類系の2種類がありますので、それぞれの特徴をご紹介しますね。
炭酸系の 入浴剤 |
炭酸が皮膚から吸収されて、血管を広げてくれます。その結果、血流が良くなり、温まった血液が全身をめぐることで身体が温まります。 |
無機塩類系の入浴剤(バスソルト) | 入浴剤に含まれる硫酸ナトリウムや炭酸ナトリウムなどが、皮膚の表面のタンパク質と結びついてベール(保護膜)をつくり、熱が逃げにくして身体の芯まで温めます。 |
いずれも、好きな香りや期待する効果など、自分の好みに合わせて選びましょう。
<自然の薬箱おすすめ入浴剤>
自然の薬箱おすすめの「無機塩類系入用剤」を2つご紹介しますので、お気軽にスタッフにお問合せ下さい。
<yuica 「森の7days bath」>
湯の花エキスにyuica精油を配合した入浴用パウダー。 |
<小太郎漢方「ご湯っくり」> 保温効果の高い艾葉(ヨモギ)などの生薬、酵素配合で肌も心もすこやかに温まります。 20回分/500gボトル 1,980円(税込) 1回分/25g分包 127円(税込) ※「Naturalist Web Magazine」ブログ読者プレゼント ♪ |
ちなみに、ドラッグストアで手に入る泡が出るタイプの入浴剤が炭酸系。
自然の薬箱では、炭酸系の入浴剤の取扱いがございませんが、「あわあわアロマバスボム作り」のワークショップ企画もございますので、開催の際にはぜひご参加くださいね。
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今回は、今の季節のお悩みである冷え性について、定義や原因、冷えを解消するための工夫等をご紹介しました。
最近は、テレワーク等の影響で運動量が減ったり、食事をおろそかにしてしまったりと、冷えを感じやすい環境になりがちな方も増えています。冷えは悪化すると様々な疾患につながることもありますので、今のうちからの対策が大切です。冷えない「ポカポカからだ」を手に入れて、健やかな日々を過ごしましょう!
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<次回「Naturalist Web Magazine」のお知らせ>
~2021年2月16日(火)配信予定 ~
「Naturalist Web Magazine_Vol.42」では、
「季節の変わり目は、体調不良に気をつけよう!~春の薬膳のススメ~」
をお届けします。
立春が過ぎたとはいえ、まだまだ寒暖の差が激しく体調を崩しやすい季節。そこで次回は、季節の変わり目を健やかに過ごすためのヒントや、春ならではの不調や邪気から身を守る為の工夫を薬膳の視点から解説します。
もちろん、この時季におすすめの食材や、ご自宅でお楽しみいただける薬膳レシピ2種類もご紹介です。
※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
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~「Naturalist Web Magazine」は、毎週火曜日の配信予定~
今後も、自然の薬箱ならではの様々な情報を予定しています。どうぞお楽しみに。
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