2021年の夏は猛暑になる!?今からできる暑さ対策

いつもご利用ありがとうございます、自然の薬箱の千田です。

梅雨明けをしたかのような青空が広がったかと思ったら、雨がしとしと降り続いたり、今年の6月の天気は、気が変わるのが早いようです。また、日ごとに気温も上がり、熱中症にかかる人も増えているので、こまめな水分補給や、失われたミネラル分を補給することも習慣として取り入れたいですね。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.59をお届けいたします。

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異例の早さでスタートした梅雨ですが、今年は夏日が来るのも早かったのを覚えていらっしゃいますか?今年、名古屋で25℃を始めて超えたのは、4月21日、例年より一か月以上も早かったんです。気象庁が発表した長期予想でも、全国的に平年より気温が高くなると予想されていて、日本気象協会が発表している熱中症傾向では、6月の愛知県は、熱中症「警戒」ランク、7月、8月は「厳重警戒」になる見込みとか。これからは新型コロナウイルスだけでなく、暑さにも厳重警戒が必要ですね。

そこで今回は、「2021年の夏は猛暑になる!?今からできる暑さ対策」と題して、おすすめの漢方や食材ををご紹介します。

クーラーや冷たい飲み物だけに頼るのではなく、普段の生活のなかに東洋医学の知恵を取り入れれば、既に始まっている暑い日々を上手に乗り切れるようになりますよ。

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<目次>

1. 今年の夏は、ダブル高気圧が「猛暑」を引き起こす!?

2. 夏の不調を早めに取り去る、おすすめの漢方薬

3. 毎日の食事で、暑邪を取り除こう!


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1.今年の夏はダブル高気圧が「猛暑」を引き起こす!?

昨年の夏で思い出すのは、「コロナ禍での猛暑」という方も多いのではないでしょうか。静岡県で国内最高気温の41.1度が記録されるなど記録に残る暑さとなりました。さらに猛暑の中、マスクをつけ続けることで発生する「マスク熱中症」にも注目が集まりましたよね。

そうなると,気になるのは今年の暑さ。向こう一ヶ月は平年より気温が高くなる確率が高くなるそうで、熱中症などに注意が必要です。さらに、7月上旬からは、ダブル高気圧の影響で猛暑日が続く可能性もあります。

ダブル高気圧とは、太平洋高気圧とチベット高気圧が同時に張り出すことで、非常に背の高い一つの高気圧のように働き、厳しい暑さをもたらすもの。フェーン現象が起きやすい場所では、40度を超える酷暑日を引き起こす原因ともいわれています。

さらに、6月に入り、名古屋でも25度を超える夏日は、当たり前、時には30度を超える「真夏日」も連続するなど、梅雨というよりは夏のような日が続いています。

いつもより早くやってきた夏のような気温に負けないためにも、早めの「暑邪」=暑さ対策が必須です。


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2.夏のような暑さが続く今の不調におすすめの漢方薬とは?

では、夏のような暑さが続く今、どのような「暑邪対策」が必要になるのでしょうか?
東洋医学では、陽気が体内に溜まりすぎてしまい、体内で邪気になると体の気・血・津液(水分)のバランスを崩してしまうことがあります。これを「暑邪」と呼ぶことは、前々回の NWM Vol.57でもご紹介しました。

合わせて「季節外れの暑さに負けないための暑邪対策」として、運動やツボをつかったケア方法をお伝えしましたが、今回は少し視点を変えて、漢方と薬膳の智慧を生かしたケア方法をご紹介します。

まずは、暑邪の症状が出てきたときに、おすすめしたい漢方薬からお話しましょう。

「暑邪」を取り込んでしまうことで、引き起こされる不調の代表例が「夏バテ」です。本格的な暑さが来る前に「夏バテ」?と思われるかもしれませんが、今年の名古屋市では、既に30℃を超える日が出るなど、もはや本格的な夏のような気温が続いています。
そのため、例年より早く、食欲が落ちたり、疲れが溜まるなどの「夏バテ」の症状を感じている方が増えているんです。

ただの疲れと思って、栄養ドリンクに手を伸ばしがちですが、それでは一時的な改善しか得ることができません。そんな時こそ、根本から症状を改善する「生脈散(しょうみゃくさん)」という漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか。

「生脈散」は、中国で800年余りの歴史を持つ有名な処方で、以下の3つの生薬で構成されています。気と陰を補う働きに優れているのが特徴です。

① 人参(にんじん)
代表的な補気の生薬で、消耗した気を補う力に優れ、抵抗力を高めます。② 麦門冬(ばくもんどう)
消耗した体内の水分を補い、のぼせやほてりを鎮めます。呼吸器系に使われる漢方処方に繁用される生薬です。③ 五味子(ごみし)
収れん作用があり、必要以上に出過ぎる汗を納めるように働き、邪気の侵入を防ぎます。

いずれの生薬も、体内の水分を生み出す力があります。

「生脈散」は、この3つの生薬のみで作られるシンプルな処方ですが、からだに活力を生み出す優れた効果により、今日まで応用され続けています。

また、「生脈散」は、夏にお腹を下しやすい方におすすめの「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」や、血圧や血行不良が気になる方におすすめの「冠心二号方(かんしんにごうほう)」とも相性が良く、合わせてお飲みいただくことで相乗効果も期待できますよ。


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3.毎日の食事で暑邪を取り除こう!

続いては、薬膳の視点から見た暑邪対策をご紹介しましょう。

「暑邪」を取り除くには体内に溜まった余分な熱を外に出すことが重要です。「暑邪」を取り除くための食材は色々ありますが、薬膳の視点から、それぞれの効能とおすすめの食材をご紹介します。どれも、スーパーで手軽に手に入るものばかりです。毎日の献立に意識的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

<清熱 seinetsu>熱を下げる効果がある
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きゅうり、なす、トマト、水菜、茶葉、苦瓜、スイカ、バナナ、カニなど

<生津 seisin(滋陰 jiin)>津液を補充する役割がある
汗として流れ出てしまう体に必要な水分やビタミン、ミネラルなどを補う
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トマト、きゅうり、ズッキーニ、豆腐、きのこ、枸杞子、ホタテ、豆乳

<安神 anjin>心を補養する役割がある
イライラや興奮に効果的で精神を落ち着かせる
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ナツメ、もも、ハスの実、ゆり根、豚の心臓、鶏卵、クワイ、レンコン、金針菜、牡蠣、小麦

おすすめの食材はわかったけれど、どのように組み合わせて調理したらいいの?という疑問が浮かんできますよね。そんな時にぜひ参考にしていただきたいのが、国際薬膳師のシェフが監修した「夏バテしない!暑気払いの薬膳レシピ2種」。

珍しい食材も難しい手順も不要で、手軽に暑邪を取り除くことができる薬膳が作れますので、ぜひご覧ください。

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国際薬膳師おすすめ!

夏バテしない!暑気払いの薬膳レシピ2種は こちら>>

※ご注意
ご紹介した料理は、今の時季に冷えを感じていない方向けのレシピです。冷え性の方、クーラーにずっとあたっていて冷えを感じる方は、生姜、ネギ、唐辛子、玉ねぎ、茗荷などの体を温めるものも一緒に取りいれて、清熱の食材を取りすぎないように注意しましょう!

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今回は、厳しい暑さに備えるための暑邪対策を、漢方と薬膳の視点でご紹介しました。

今年は梅雨と同様に、一足早くやってきた暑さで体力も消耗しがちです。時には、漢方や薬膳の力を借りて、身体の内側に溜まりがちな暑邪を取り去りませんか?
身体の中の熱を取り去れるので、熱中症の予防にもつながりますよ。

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<次回「Naturalist Web Magazine」のお知らせ>

~2021年6月22日(火)配信予定 ~
「Naturalist Web Magazine_Vol.60」では、

「新ボディワークスタジオで心と体も元気に」をお届けします。

まもなく新しいスタートを切る「自然の薬箱 ボディワークスタジオ」。ヨガはもちろん、ポップピラティス、ダンスのメソッドを使ったエクササイズ、氣功、アロマ、女性ケアなど、他のスタジオとはまた違う、自然の薬箱オリジナルのプログラムが始まります。

次回は、以前ご紹介した新しいプログラムを、目的別にわかりやすくご紹介しながら、新しいボディワークスタジオが目指す未来についてお届けいたします。7月から9月にかけて休日に開催する、楽しくて深い内容のイベントレッスンについてもご紹介します

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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~「Naturalist Web Magazine」は、毎週火曜日の配信予定~

今後も、自然の薬箱ならではの様々な情報を予定しています。どうぞお楽しみに。

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