女性の要☆骨盤底筋群を鍛えよう ~ガチガチ・ユルユルを放っておかないで!~
いつもご利用ありがとうございます、自然の薬箱の千田です。
自然の薬箱にとって一年に一度のお祭り、11回目の「周年祭」が、11月7日で無事終了いたしました。ご来店いただいた皆様には心より御礼申し上げます。
12年目も自然の薬箱は、皆様の健康に役立つ情報や、自然と関わる豊かな生活のための体験をお伝えするイベントを開催していければと思っております。ぜひ、ご参加いただけると嬉しいです。
毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。
皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.80をお届けいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
皆さん、女性の要となる「骨盤底筋」をご存知ですか?実は、骨盤底筋がガチガチになっていたり、反対にユルユルになってしまっていると、尿漏れなど、女性の身体に様々なトラブルを引き起こす原因になってしまうのです。
そこで今回は、自然の薬箱ヨガインストラクター shinoが「骨盤底筋」の役割を解説しながら、あなたの骨盤底筋の状態が確認できるチェックリストや、ご自宅でできる骨盤底筋を鍛えるトレーニングをご紹介します。
女性にとって大切な骨盤底筋に対する理解を深めれば、あなたの生活の質を上げるきっかけになりますよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<目次>
1.骨盤底筋ってどんなもの?
くしゃみをしたり、重いものをもちあげたりした時、突然下着が濡れてしまったという経験をお持ちの方、きっと多いのではないでしょうか?その原因、もしかすると「骨盤底筋」の機能が低下しているせいかもしれません。
骨盤底筋とは、骨盤の底にハンモックのようについている複数の膜のような筋肉のことをさします。骨盤底筋の主な役割は、主に以下の4つと言われています。
・排尿や排便のコントロール
・姿勢の安定性を高める
・内臓を支え正しい位置に保つ
・呼吸筋の一つで、体幹(コア)=インナーユニットを形成
女性にとってはとても大切な役割を持つ骨盤底筋ですが、残念なことに加齢や妊娠・出産によって、機能が低下しやすい筋肉でもあるのです。
骨盤底筋の機能が低下すると、
・尿漏れや頻尿、便漏れ
・体幹が弱くなる
・姿勢が悪くなる
・腰痛
・臓器脱などの膣ヘルニア
・難産
といった症状の原因になることも。
そのため、骨盤底筋を鍛えることは女性にとってとても大切なのです。
2.あなたの骨盤底筋は大丈夫?
女性にとって大切な機能を持つ骨盤底筋。ご自身の骨盤底筋の状態が気になりますよね?
では早速、今のご自分の骨盤底筋の状態を下のチェックリストを使って確認してみましょう!該当する項目にチェックをつけてくださいね。
どれくらいチェックが付きましたか?
実は、このリストの項目すべては、骨盤底筋が使えていない状態や、骨盤底筋にダメージを与える行為・経験になります。
特にピンクの四角にチェックが入った方は、骨盤底筋がすでにガチガチ・ユルユルの可能性大です!現在は尿もれ・便もれ・臓器脱などの症状がなくとも、将来的にハイリスク者(かなりの高確率で発症する)に該当する方なので、今すぐにでもトレーニングを開始することをお勧めします。
白い四角にチェックが入った方も、骨盤底筋が良い状態とは言えません。既に、むくみや冷え、腰痛などの不調を感じていませんか?チェック項目に該当する状態を放っておいたり、今の習慣を続けることで骨盤底筋がダメージを受けたり、正しく使うことができずに不調や疾患を誘発してしまう原因になってしまうかもしれません。
骨盤底筋の筋力低下は、中年期以降の女性だけの悩みではありません。近年では、若い方でも骨盤底筋の機能の衰えに悩んでいる方も増加中。特にこれから妊娠・出産を迎える方は、経膣分娩を助け、産後の回復を促す骨盤底筋の機能を低下させないよう、常日頃から鍛えておきたいものです。
このように、様々な要因で機能が低下しがちな骨盤底筋を鍛えるトレーニングは、あらゆる年代の女性の生活の質QOLを高めるメソッドといえます。そのためにも、できるだけ早くから始め、対策・予防していくことが大切です。
今回チェックが入らなかった方も、引き続き生活習慣や運動習慣に気をつけながら、骨盤底筋の状態に気を配ってくださいね。
3.今からでも間に合う!骨盤底筋を鍛えよう!
すべての年代の女性に必要な骨盤底筋のトレーニングですが、実際にどんなトレーニングをしていけばいいのでしょうか?
会陰の引き上げや、肛門の引き締めなどの直接入力だけを地道におこなってもなかなか成果が感じられない、そもそも「会陰を引き上げて!」と言われても、どうしたらいいのか?どこに力を入れればいいのかよくわからない、といったような声をよく耳にします。
これは骨盤底筋が非常に大切な筋肉でありながら、以下の理由から、正しくトレーニングをしていかないと実感を得ることができないものなのです。
・関節をまたいでついている筋肉ではないので収縮・弛緩が感じにくい
・面積が小さい
・遅筋繊維が多い筋肉群のため、トレーニングによって肥大化しにくい
そこで今回は、おうちで気軽に取り組める骨盤底筋トレーニングをご紹介します。毎日の日課に取り入れてみてください。産後の回復にも大変おすすめですよ。
①マットの上に仰向けになる ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・ブロックなどがあれば膝を避けて内腿ではさむ。この時腰椎のカーブを潰さないようにする。 ・足幅は骨盤幅より少し広めにし、膝の真下に踵がくるように足を置く。 ・足の爪先は少し外側に向ける。 ・軽く顎をひき、耳から肩を遠ざけて両手で優しく床を押す。 ・そのまま吐く息でお尻の穴とお腹を締めて、吸う息で緩める呼吸を繰り返す。 |
|
②呼吸に慣れたら次の吐く息でお尻の穴とお腹を引き込んで、両足と両手、後頭部でマットを押し、骨盤を持ち上げる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・両膝が開いたり、ブロックが落ちてこないよう内腿の筋肉も意識する。 ・お腹で骨盤を支えるようにしholdする。余裕があれば胸も高く引き上げる。 ・骨盤を持ち上げたまま3〜5回呼吸。その後吐く息でゆっくり首の方から順番に背骨をマットに下ろす。 |
|
③お尻がマットについたら、両足をそろえ、お腹に引き寄せて、両手を脛の上に添えてガス抜きのポーズ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・吐く息とともに丸まって、吸う息で緩める。 ・その後両手と両足を解放し、リラックス。 ・意識的に使った骨盤底筋や、お腹や背中の筋肉の感覚を受け取る。 |
注1:ヘルニアの方は行わないでください。高血圧や心臓病の方は主治医の指示に従ってください。
注2:生理中も経血の量に関わらず避けてください、生理が終わってから取り組んでください。
4.いつまでも人生を楽しむために
日本はこれから超高齢化社会に突入します。骨盤底筋の機能障害である尿もれは、女性ホルモンエストロゲンの分泌低下による加齢性変化の一つであり、高齢者の尿もれは生活の質を落とす大きな要因となっています。その為に、気軽に出かけたり、お友達と思いきり笑ったり、趣味を楽しむにしても尿漏れの心配が付きまとってしまい、行動範囲が狭まってしまう方が増えているのです。
そんなことを言っても、たくさんの種類の尿漏れパッドやオムツが販売されているし、いざとなってもそんなに気にすることはないんじゃない?と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、残念ながら取り替えや臭いやゴミの問題で、ストレスフリーとはいえないのが現実です。尿もれパッドやオムツをつけていても、運動がおこないづらい、取り替えるタイミングがなかったら怖い、つけていても臭いが気になる、などという理由でせっかくの前向きな気持ちや楽しい機会を逃してしまいかねません。
すると尿もれが原因で段々と運動する意欲・外出する意欲を奪い、おうちに引きこもるような生活になり、それがまた筋力や骨の弱化、転倒→骨折→寝たきり→要介護といった負のスパイラルを生んでしまうのです。
国民生活基礎調査によると、日本の尿失禁有訴率は65歳以上の女性で44.6%、80歳以上では77.7%という結果が出ています。一見、高齢になってからの問題に見えますが、実は40代女性の尿もれ有訴率は、軽度が55.0%、中等度が36.4%、重度が8.6%で、「下着にしみる程度」と答えた方は88.5%と大多数を占めるほど。これは衣類や生活環境の変化により、骨盤底筋と関連する筋肉が衰えてしまっていることが原因と思われています。
実際に、20代の女性からも尿もれについての相談が年々増加の傾向にあることからも、骨盤底筋の筋力低下は世代を問わず女性の大きな悩みの一つ。だからこそ、年齢を問わずに早目に骨盤底筋を意識して鍛えることは、女性ならではの悩みを解決する事につながるのです。
話しが少しそれてしまいますが、「昔の女性は月経血をコントロールできた」という話を聞いたことありませんか?これは、普段から着物の下に下着をつけず布を当てるだけで生活していたり、座ったり立ったりの動作を繰り返すことが多かった女性たちは骨盤底筋群と関わる筋肉が日常的に鍛えられており、尿もれの心配はなかったそうです。また、筋肉量が低下する閉経を迎えるまでに、たくさんの女性が命を落としてしまうといった、当時の平均寿命も影響していたようです。
しかし女性の健康寿命が74.7歳、平均寿命が87.7歳の現代において、尿もれや便もれ・臓器脱などの問題改善や予防は、高齢出産の増加傾向の背景もあり、私たちが真剣に向き合う必要があるのではないでしょうか。
今や、全世代で衰えがちな骨盤底筋。人生80年ともいわれる高齢化社会に生きる全ての女性にとって、骨盤底筋の衰えを防ぎ、鍛えることは生活の質を上げるためにも、そして人生を楽しむためにも欠かせないものといえるでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は、骨盤底筋の役割やトレーニングの方法などをお伝えしました。
女性にとって、骨盤底筋の役割は生活の質に直結するものばかり。もっと詳しく知りたい!ほかにもトレーニングを取り入れたい!という方には、自然の薬箱のスタジオレッスン「豊かに生きる女性のケアヨガ」がおすすめです。
※「豊かに生きる 女性のケアヨガ 〜for beginner〜」の詳細はこちら>>
※「豊かに生きる 女性のケアヨガ 〜Flowr〜」の詳細はこちら>>
骨盤底筋トレーニングやヨガ、ムーラダーラ瞑想を組み合わせながら、現在の不調の改善・緩和や、心身のバランスを整え、今後の予防や体幹の強化に繋がるレッスンとなっております。すでに症状が気になる方はもちろん、予防としてもおすすめの内容ですので、是非お気軽にご参加ください。
骨盤底筋をしっかり鍛えながら不安や不調を改善して、より豊かな生活を楽しみましょう!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<次回「Naturalist Web Magazine」のお知らせ>
~2021年11月16日(火)配信予定 ~
「Naturalist Web Magazine_Vol.81」では、
「生理を正しく知ろう!私たちのマンスリーマネジメント」をお届けします。
生理痛がひどいけど、これって病気かしら?とお悩みの方必見!多くの女性が悩んでいる「月経困難症」について詳しく解説します。「月経困難症」と正しく向き合うことは、辛い症状を改善するための一つのステップです。
この機会に、私たちと一緒に生理と正面から向き合ってみませんか?
※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~「Naturalist Web Magazine」は、毎週火曜日の配信予定~
今後も、自然の薬箱ならではの様々な情報を予定しています。どうぞお楽しみに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バックナンバーの一覧を見る >> |
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー