姿勢筋を鍛えてバレリーナのような美しい姿勢を手に入れませんか?

いつもご利用ありがとうございます、自然の薬箱の千田です。

厳しかった寒さが嘘のように、すっかり春らしい陽気になりました。感染症も世の中の状況も一進一退を繰り返していますが、周りに振り回されることなく、丁寧な生活を心掛けて、健やかに過ごしていきたいものですね。

第2・第4火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

新しい日常が定着し始めた今、皆様が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.93をお届けいたします。

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冬の重いコートから解放され、外出先の鏡やショーウインドウの自分の姿を見ると、「あれ?猫背?」なんてことありませんか?

実は冬場は猫背になりやすい季節。人は寒さを感じると、体を丸める習性があるため、無意識に猫背になってしまうのです。猫背が癖になってしまうと、春になっても背中が丸まったままで薄着になり、鏡を見てびっくり!なんてことになってしまうのです。

そこで今回は、自然の薬箱のボディワークインストラクターAMIが、バレエメゾットを取り入れた美姿勢を手に入れるためのトレーニングをご紹介します。

なぜ、バレエが姿勢改善につながるのか?その理由を解説しながら、ご自宅で簡単にできるバレエの動作をご紹介します。猫背が気になる方、姿勢を整えたい方はぜひチャレンジしてくださいね。

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<目次>

 1. 姿勢改善のメリット

 2. 骨格と筋の働きからみた姿勢改善

 3. 柔軟性に優れた強い筋肉とは?

 4. バレエの動きの代表!プリエで柔軟性のある姿勢筋を鍛えよう


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1. 姿勢改善のメリット

皆さんは、姿勢が美しい人というとどんな人を想像しますか?モデルさんや女優さんはもちろん、バレリーナを想像される方も多いのではないでしょうか?

背筋がピンと伸びた美しい姿勢で踊る姿にあこがれる人も多いバレリーナですが、ただ単にバレエを習えば姿勢が良くなるのではありません。バレエの身体の使い方を正しくおこなうことで、柔軟性に優れた筋肉を作ることができるのです。特に、腹横筋や骨盤底筋、中殿筋など腰や骨盤を安定させる筋肉が自然と身につき、姿勢が安定していきます。

このように筋肉と深い関係がある姿勢ですが、良い姿勢を身につけることで起きる身体への良い変化には、どのようなものがあるのでしょうか?

身近なものでいくつか具体的に見ていきましょう。

<疲れにくい>
私たちには常に「重力」という力が働いています。本来、人間の背骨は緩やかなS字カーブを描くことで体重(重力)をうまく分散し、動いた時の衝撃を吸収・緩和しています。姿勢を整えることで、重力をはじめとした身体にかかる負荷を最小限に抑えることができます。

<若々しく、美しい外見>
誰でも若く美しく見られることは嬉しいですよね。背筋が伸びた良い姿勢は見た目も若々しく、深い呼吸ができるので内臓の働きも良くなります。内臓の働きが活性化すると、食事での栄養吸収が良くなるため、肌や髪が艶々になります。

<やる気が湧き、気持ちも明るくなる>
身体と心は繋がっているので、身体への負担が減り、栄養で満たされると心も満たされます。すると、自然と笑顔が増え、気持ち的にも明るく意欲的になります。

<肩や腰の痛み、胃腸などの身体の不調改善も期待できる>
身体の痛みや不調は、痛みが出ている箇所と、違う箇所が原因の場合もあります。例えば、不良姿勢やストレスなどの影響を受けて胸椎が動きづらくなると、代わりに頸椎や腰椎への負担が大きくなります。オーバーワークになった結果、肩こりや腰痛として身体に痛みが現れます。その場合、胸椎が本来の柔軟性を取り戻すことで痛み改善につながります。

また、背骨は自律神経が出入りする場所でもあり、背骨と内臓は深く関りあっています。不良姿勢により圧迫された神経により、胃もたれ、便秘、冷えなど内臓の不調として現れることがあります。そのため、良い姿勢を身につけることで内臓系の不調の改善につながります。(※1)

※1  ただし、痛みの出ている箇所そのものに原因がある場合もあり、必ずしも不良姿勢を改善することで、痛みや不調がなくなるとは限りませんので、その点はご理解ください。

良い姿勢を身につける必要性や、身体の外・内の両面からメリットがたくさんあることを知った上ではじめれば、目的意識が芽生えて継続しやすくなります。姿勢改善は、身体の一部ではなく全体で考えていく事が大切であるという意識を持って取り組んでくださいね。

 


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2. 骨格と筋の働きからみた姿勢改善

続いて、姿勢に関わる骨格と支える筋の働きについてお話しますね。

まずは、骨盤の前傾と後傾にともなうアライメントの変化や、その姿勢と深く関わる筋肉に注目をしてみましょう。

「アライメント(alignment)」とは直訳すると「直線上にすること」で、骨格や骨盤を語る際に用いられる時には「骨や関節の並び方」のことを指します。アライメントにゆがみがなければ理想的な姿勢になりますが、偏った姿勢を続けてしまう等が原因で、骨格にゆがみが発生し、様々な不調を引き起こす原因となります。

ここでは、理想の姿勢にゆがみが発生してしまうことで、どのようにアライメントが変化していくのかをご紹介します。(参考書籍:姿勢の教科書/竹井仁 著)

<理想的な姿勢>

横向きで立った時に耳孔(耳の穴)
 ▼
肩((肩の真ん中あたり)
 ▼
大転子
 ▼
膝関節前部
 ▼
外くるぶしの約2センチ前
これらが一直線上にあります。

 

<骨盤前傾により影響を受ける背骨と筋肉の特徴>

「背骨」
腰椎は前、胸椎は後ろ側にカーブがきつくなります。
そして、頭が前方にきてバランスをとります。 

「筋肉」
首の後ろや腰、太もも前や腸腰筋などへの負担が増え、腹筋群や大殿筋、太もも裏が弱くなりやすくなります。

 

<骨盤後傾により影響を受ける背骨と筋肉の特徴>

「背骨」
腰椎は平坦、胸椎は緩やかに後ろ側にカーブしています。後ろに重心や頭が前方にきてバランスをとります。

 
 
「筋肉」
太もも裏への負担が増え、太もも前や腸腰筋、大殿筋が弱くなりやすくなります。

 

骨盤の前傾や後傾により、アライメントがどのように変化し、どのような筋肉に影響するかがわかりますね。

骨盤の前傾や後傾によって、柔軟性を高めたい筋や強化したい筋が違うことも見えてきます。このような姿勢の歪みを改善するには、骨盤を安定させるための筋肉への正しいアプローチが必要です。

 


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3. 柔軟性に優れた強い筋肉とは?

続いて、良い姿勢(背骨)を維持する筋肉を柔軟性とあわせて見ていきましょう。

柔軟性とは「筋肉と腱が伸びる能力」のことを指します。骨盤の前傾や後傾によって負担がかかったり弱っている筋肉に対して、必要に応じて伸び縮みできる柔軟性に優れた強い筋肉を身につけることが、姿勢改善の第一歩につながります。とはいえ、強い筋肉といってもカチカチに硬い筋肉ではありません。

バレリーナの姿をイメージしてみましょう。

舞台の上では、つま先一つで自分の体重を支えたり、ジャンプや足を高く上げたりしながら1〜2時間程踊り続けます。それを可能にするには、柔軟な筋力と持久力が必要になります。そして、怪我をしにくい身体つくりも、舞台の上に立ち続けていくには大切な要素です。

そのために、バレリーナは日々のレッスンで体幹や下半身を中心に柔軟な筋肉を作り、関節可動域広げるトレーニングに励んでいます。骨盤や背骨の安定につながり、結果的に余分な外力や衝撃を最小限に抑え、疲れにくく、怪我もしにくい身体を作り上げていくのです。

これは、バレリーナに限ったことではありません。日常生活でも柔軟性に優れた強い筋肉で骨盤と背骨を安定させることが、姿勢改善だけでなく、日常でのけが防止にも役立ってくれるのです。

 


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4. バレエの動きの代表!ドゥミプリエで柔軟性のある姿勢筋を鍛えよう

では、どのように柔軟性に優れた強い筋肉を手に入れたらいいのでしょうか?

ここでは、初心者の方でも手軽に取り入れられる、バレエの動作でも代表的な「プリエ」を紹介しましょう。

「プリエ」とはフランス語で腕や膝を曲げるという意味があります。バレエにおいては両足、または片足を外旋させた状態で膝を曲げていく動作のことを指します。

 

<ドゥミプリエ(半分プリエ)の基本動作と意識>

①股関節から両足の膝を伸ばした状態で外旋させる。
(両足のかかとを合わせてつま先を無理のない範囲で外に開く)この時に両方の足裏は床を押し、頭のてっぺんは天井方向へ細い糸で引っ張り上げるようなイメージを持つ。上半身はおへそを吸い上げるように、背骨方向に引きこみ安定させる。

 

②上下の引っ張り合うエネルギーはそのままで、両膝を横に広げるように曲げていく。

このとき、肩が前に傾いたり、お尻が後ろに出ないことと、膝とつま先の向きが同じになるように注意する。さらに、膝を広げていくことで、内腿に伸びを感じられると良い。

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③ゆっくりと両方の足裏で床を押し、内腿を引き寄せるように、おへそから上体をもとの高さまで引き上げる。

ゆっくりとした動作で呼吸を止めずに身体に意識を向けることがポイント。

 

家の中でも気軽に行えますが、正しくおこなわないと股関節や膝を痛めてしまう可能性もある為、無理のない範囲でおこなってみてくださいね。

とても簡単な動作ですが、意識の向け方次第では体幹から下半身の柔軟性と筋肉強化ができますので、継続して続けてみてくださいね。

 

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今回は、姿勢筋を鍛えてバレリーナのような美しい姿勢を手に入れるために知っておきたい知識や、メゾットをお伝えしました。

ゆがみの少ない良い姿勢を身につけることは、不調知らずの意欲的な毎日を手に入れる大切な要素の一つ。姿勢を直したいけれど、一人ではなかなか継続できないという方は、自然の薬箱で開催中の(※)2つのボディコーディネートレッスンがおすすめです。今回ご紹介した、プリエの他にもバレエやジャズの要素を取り入れたトレーニングで体幹や下半身を中心に柔軟性のある筋肉を作り、骨盤や背骨を安定させ姿勢改善につなげていきますよ。

※おすすめボディコーディネートレッスンの詳細は こちら

ボディコーディネート  ~背骨から美しく~

ボディコーディネート  ~バレエとジャズのメソッドを取り入れて~

 

今年の春は、ピンと伸びた背筋を手に入れて「姿勢美人」に生まれ変わりましょう!

 

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<次回「Naturalist Web Magazine」のお知らせ>

~4月12日(火)配信予定 ~

「Naturalist Web Magazine_Vol.94」では、

「続・薬膳茶で気血水のバランスを整えよう」をお届けします。

3月8日配信のVol.92では、中医学によるからだの見立て方として、気血水について解説し、前半として「気」のバランスの崩れによって現れる不調と、「気」を整える働きのある薬膳茶素材についてお伝えしました。

次回は、その後半として「血」と「水」の内容を、続編としてお伝えしたいと思います。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

 

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~「Naturalist Web Magazine」は、第2・第4火曜日 配信予定~

今後も、自然の薬箱ならではの様々な情報を予定しています。どうぞお楽しみに。

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