私たちのライフマネジメント
~更年期は人生第2のスタート!~

いつもご利用ありがとうございます、自然の薬箱の千田です。

今日は中秋の名月。今年の名月は、満月にもあたるので、いつも以上に美しい月をめでることができるそう。秋の空は夜でも気まぐれなので、今は雲に覆われていても、時折月が顔を出すかもしれませんよ。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.73をお届けいたします。

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女性の一生には、女性ホルモンの影響によって、とくに注意すべき変化が起こる時期が3回あるといわれています。

1つ目は初潮を迎える思春期。女性ホルモンが分泌され始め、妊娠をするための準備や骨量に大きな影響を及ぼします。2つ目は妊娠・出産。女性ホルモン大量分泌から一変!ほぼゼロの状態になります。そして3つ目が、閉経を迎える「更年期」です。

更年期というと、ネガティブなイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実は更年期は人生第2のスタートともいえる転換期でもあるのです。

そこで今回は、女性にとって第2の人生ともいえる「更年期とその後」について、更年期のメカニズムや、起こりうる変化や病気などについて、Bodywork studio「豊かに生きる女性のケアヨガ」担当インストラクター Shino がお伝えします。

今まで持っていた「更年期」のイメージが、きっと変わりますよ。

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<目次>

1. 更年期ってどういう時期?
2. 閉経を迎えてから起こりうる病気や変化は?
3. 少子高齢化社会に向けて私たちにできること


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1. 更年期ってどういう時期?

一昔前は「更年期」「閉経」と聞くと、人生の終盤を迎える頃・・・なんてネガティブな印象もあったようですが、今や平均寿命の長い“長寿国日本”に住む私たちにとって、更年期を迎えるということは、人生の第2のスタートをきるようなものだということをご存知でしょうか?

実は、女性ホルモンの観点から考えると「初潮を迎えてから閉経を迎えるまでの年数と、閉経を迎えてから平均寿命を迎えるまでの年数はほぼ等しい!」という驚きの事実があるのです。

このように長いお付き合いとなる「更年期」とは、いったいどのような時期なのでしょうか?

私たち女性の身体は年齢を重ねると、次第に卵巣機能が低下し、だんだんと生理周期が乱れたり、月経不順が起こり始めますよね。日本産婦人科学会によると、年齢を重ね、月経が来ない状態が12か月以上続いた時を基準に、1年前を振り返って「閉経」とします。また月経による判断ができない場合はホルモン値を測定し「閉経」とします。日本人の平均閉経年齢は「50.5歳」ですが、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎え、閉経も閉経を迎えるまでの変化も千差万別、個人差がとても大きいものなのです。

今は、40代で妊娠を望む方もいれば、40代で閉経を迎える方もいるということを鑑みると、正しい知識をもとにライフマネジメントすることの重要性が感じられますよね。

私たち女性のライフマネジメントに大きくかかわる閉経ですが、この前後5年間ずつを合わせた10年間を「更年期」、さらに閉経の前後 1、2年は「周閉経期」として区別します。

「更年期」や「周閉経期」は、特に自律神経の乱れが起こりやすく、体にいろいろな変化や不調のサインが出る時期でもあります。

更年期に現れるさまざまな症状の中で、病気を伴わないものを「更年期症状」と呼び、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と呼びます。

更年期症状の主なものは、以下の通りです。


(引用:日本女性医学学会、女性医学ガイドブック 更年期医療編2014年度版、金原出版)

このような症状を改善するための方法として、ホルモン補充療法(禁忌と使用期間に注意)、漢方、運動療法、心理療法、食事療法などがあります。特に、漢方は更年期の不定愁訴に対応する処方がたくさんあり有用です。また、運動療法は、中強度の継続的な運動により、72%の女性で改善がみられると報告されるように、自分でできるケア方法としてとても有用です。

今までの自分との比較や、思うようにいかない苛立ち、不安がストレスとなり、症状を悪化させてしまうケースもあるので、更年期にはどのようなことが起こるのか、どんな対処やケアをしていけばいいのかを正しく学んで、準備しておくことも大切です。


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2. 閉経を迎えてから起こりうる病気や変化は?

では、私たちの身体は更年期を迎えることで、どのような病気や変化が起きるのでしょうか?

まず、閉経を迎えると女性ホルモンの値は激減し、今まで女性ホルモンに守られていたことが守られなくなる、防げていた病気や不調が露呈しやすくなります。

さらに加齢により姿勢やバランス、柔軟性、持久力、筋力が低下することで、特に注意が必要なコレステロールの増加や骨粗鬆症、心血管系疾患などの病気のリスクが高まります。

更年期を迎えてからのケアは、第2の人生を健やかに過ごすためにもとても大切です。継続的に人間ドックなどを受け、数値をチェックしたり、バランスの取れた食事・意識的な運動・良質な睡眠 をとり、そして…

・脳梗塞や動脈硬化になる前の脂質代謝異常を食い止める努力
・骨粗鬆症から骨折・転倒・衰弱・要介護になる前の努力

これらを怠らないようにしましょう。


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3. 少子高齢化社会に向けて私たちにできること!

ご存知の通り、日本は男女ともに世界有数の長寿国です。2025年には国民の3人に1人が65歳以上に、そして5人に1人が75歳以上となり、2050年には「超高齢化社会」を迎えると予測されています。その一方で出生率は1.34と5年連続減少しています。


(引用:朝日新聞


(引用:厚生労働省)

元気な高齢者が増えることは喜ばしいことですが、その反面大きな問題が隠れています。みなさんは「健康寿命」という言葉を聞いたことがありますか?

健康寿命とは日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間を表します。

近年日本では、この平均寿命と健康寿命の差が、どんどん開いていってしまっているのです!

さらに、医学の進歩や社会保障の充実等による平均寿命の延伸に伴って、健康寿命との差が拡大すれば、医療費にかかる費用が増えていきます。

一方15歳~64歳までの「生産年齢人口」つまり、社会での労働を担う世代は減少しています。生産年齢人口の割合が少なくなると、1980年には、高齢者一人を支えていた労働力の担い手は7.4人であるのに対し、、2000年になると3.6人と減少、さらに2025年には1.8人、2050年には1.2人になっていくことが予想されます。高齢者を支える一人当たりの負担が年々大きくなっていくのです。

このような状況が進む中で、私たちにできることはないのでしょうか?

それは…「あります!」

その答えは、私たちの「運動習慣」にあるのです!

科学技術動向技術センターによると、運動不足・喫煙・肥満が組み合わさることで、医療費増加率は42.6%になるのに対し、運動習慣のある人は40歳から85歳でかかる医療費が平均153万円少なくなるというデータが出ています。つまり、私たちの継続的な運動習慣は医療費を減らすことに繋がるのです。

また、病気や不調には2種類あります。それは、自分の行動で防げるものと防げないものです。そして、その防げるものの多くに関わっているものが、私たちの運動習慣ともいえます。

継続的、意識的な運動を正しく行うことは、更年期症状を緩和するだけでなく、そこから先の病気を未然に防ぐことができるのです。

私たちの体の組織である筋肉や骨、脳などは、年齢とともに少なからず機能が低下します。ですので、高齢になってから運動習慣を身につけることはとても大変ですよね。そのためにも、今から運動習慣を身につけることが大切なのです。

今、何も病気を患っていなくても、不調を感じていなくても、更年期以降の過ごし方はその後に大きな差を生みます。

更年期を過ぎたら、運動・ケアを

「趣味」から「習慣」に!

これをスローガンに、ぜひご自身のために、そして社会のために、できることを一緒にやっていきましょう!

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今日のブログに関連する、更年期や閉経以降のケアやライフマネジメントについては、10/2(土)に行われるイベント「女性ホルモンと私たちのライフマネジメント」で、ヨガのレッスンと共に詳しくお伝えさせていただきます。
( 注:大変申し訳ございません。上記10/2(土)レッスンは、現在「キャンセル待ちで受付中」となっています )

更に「私たちのライフマネジメント」レッスンがご好評を頂いておりますので、11月6日(土)に追加レッスンをご用意しました!

※「私たちのライフマネジメント」レッスンの詳しい内容は こちら>>

11月6日(土)のレッスンでは、更年期の不調の一つ、骨盤底筋の機能低下による尿漏れや、骨盤臓器脱、便秘、姿勢のくずれ、ぽっこりお腹など、さまざまなトラブルについて学びながら、それらの緩和を目的としたヨガや、産婦人科医監修の骨盤底筋トレーニングを体感していただけます。

既に症状にお悩みの方はもちろん、今から備えたい方にも、ぜひ知っていただきたい内容のレッスンです。

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今回は、女性ならではのお悩みである更年期を、ポジティブに迎えるヒントをお届けしました。

更年期は、親の介護や子育てが少し落ち着くことによる喪失感、社会的責任の増加など、メンタル面にも大きな影響が表れる時期です。しかし、大変なことも多い一方で、成熟した女性としてその後の人生を謳歌していく、人生第2のスタート地点です。

更年期以降の人生を、正しい知識でライフマネジメントし、「健やかな身体と心」で豊かに過ごすためにも、まずは運動習慣を身につけることから始めてみましょう。

きっと、心も身体も、そして心も…軽やかに感じられますよ。

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<次回「Naturalist Web Magazine」のお知らせ>

~2021年9月28日(火)配信予定 ~
「Naturalist Web Magazine_Vol.74」では、

「デルタ株の特徴と後遺症から身を守るために」をお届けします。

収まることを知らない新型コロナウイルス。デルタ株を筆頭とする、様々な変異株の登場や、辛い後遺症の報道を見る度に不安に駆られている方も多いのではないでしょうか?

そこで次回は、新型コロナウイルスの変異株や、気になる後遺症を解説しながら、基本的予防策にプラスしたい漢方やアロマをご紹介します。何となくわかっているようでわかっていない変異株や後遺症に対する知識を深めて、ウイルスの驚異から身を守りましょう!

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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~「Naturalist Web Magazine」は、毎週火曜日の配信予定~

今後も、自然の薬箱ならではの様々な情報を予定しています。どうぞお楽しみに。

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