今、知っておきたい!コロナ禍の花粉症・黄砂アレルギー対策!

自然の薬箱が新体制になって、あっという間に一週間が過ぎようとしますが、以前と変わらず多くのお客様にお立ち寄りいただいておりますこと、深く御礼申し上げます。

疲れたときや不安を感じたときでも、「ここに来れば安心」と言っていただけるように、スタッフ一同全力で努めてまいりますので、引き続きご愛顧いただければ幸いです。

毎週火曜日にお届けしております、自然の薬箱の「Naturalist Web Magazine」。

皆様が穏やかな日常を取り戻せるその日まで、健やかに過ごせるお手伝いが出来ればという思いを込めて、Vol.49をお届けいたします。

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1都3県の緊急事態宣言が解除されたにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の第四波が懸念されるなど、私たちが心から安心して過ごせるまでには、まだ時間がかかりそうです。

さらに、今 ピークを迎えている花粉症や黄砂アレルギーは、新型コロナウイルス感染症と症状が似通っているため、今感じている症状がアレルギーのせいなのか、ウイルスなのか不安になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、コロナ禍だからこそ知っておきたい花粉症や黄砂アレルギー、そして新型コロナウイルスによる影響について、それぞれの特性や症状をご紹介しながら、今できる対策をご提案します。

自然の薬箱がおすすめする漢方や薬膳を取り入れた対策で、今年の春を一緒に乗り切っていきましょう!

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<目次>

1. 花粉症と黄砂アレルギー、そして新型コロナウイルス感染症の特徴を振り返ろう

2. 花粉症と黄砂アレルギー、新型コロナウイルス感染症、症状に違いはあるの?

3. これだけは抑えておきたい!共通する基本的予防法とは?

4. 漢方の力で、花粉や黄砂、ウイルスの身体への侵入を防ごう!

5. 毎日の食事を上手に活用して、身体の中からも予防しよう!


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1.花粉症と黄砂アレルギー、そして新型コロナウイルス感染症の特徴を振り返ろう

先月末は、名古屋市でも今年初めて黄砂の大量飛来が観測されるなど、最近メディアで盛んに取り上げられている「黄砂」。黄砂の飛来により、どのような影響が心配されるのか、気になりますよね。さらに、毎年悩まされる花粉、第4波が懸念される新型コロナウイルスなど、中医学的にいうところの外邪がいっぱいです!今はそれぞれしっかりとした対策が必要な時期。効果的な対策を知るためにも、まずは、それぞれの特徴を振り返ることからスタートしましょう。

・花粉症
花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応のこと。体の免疫反応が、特定の花粉に過剰に反応して様々な症状がでるもので、代表的なものは、スギやヒノキがあります。年間通して何らかの花粉が飛散しているため、スギやヒノキのシーズンである春のほか、夏や秋に開花する植物で鼻炎の症状が出る例も多く、「通年病」として、認識されつつあります。

・黄砂
中国大陸内陸部の乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象です。黄砂や、黄砂に付着して飛んでくるアレルギーを引き起こす物質(PM2.5、ほこり、ダニなど)によって引き起こされるアレルギー疾患を「黄砂アレルギー」と呼びます。

最近では、

「花粉」には、黄砂などが起因となり「爆発」「破裂」するような現象が起こることがあるのだそうです。通常の花粉であれば鼻の粘膜までですが、「爆発」すると気管支や肺にまで入り込んでしまい、喘息の原因にもなるともいわれているようです。”

出典:ウェザーニュース 黄砂などで「花粉爆発」喘息など重症化も https://weathernews.jp/s/topics/202103/160095/

上記のような報告がされるなど、新たな懸念となっています。


・新型コロナウイルス感染症
「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」による感染症のこと。現在、コロナウイルスは50種類以上見つかっているなか、人に感染するコロナウイルス感染症は、これまでに6種類とされていました。しかし、2019年12月武漢で新たに7番目の人に感染するコロナウイルスが発見され、2021年4月現在も世界中で猛威を振るっています。

ちなみに、人に感染する6種類のコロナウイルスは、MARS(中東呼吸器症候群コロナウイルス)、SARS(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)といった重症化する2種類のウイルスと、一般的な風邪の原因となる4種類のウイルスです。


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2.花粉症と黄砂アレルギー、新型コロナウイルス感染症、症状に違いはあるの?

花粉に黄砂、ウイルスと、原因となるものは異なりますが、いずれも非常に症状がよく似ているといわれています。特に、花粉症と新型コロナウイルス感染症の症状は似ており、花粉症と思い込んでコロナ感染に気付かない場合、重症化や感染拡大のリスクも。

とはいえ、似ているようで異なる症状がいくつかあります。そこで、あくまでご参考として、花粉症と黄砂アレルギー、新型コロナウイルス感染症、そして風邪を加えて、特徴的な症状を一覧にまとめました。

新型コロナウイルス感染症と疑わしい症状があった場合は、すぐにかかりつけ医や自治体に相談するなど、素早い対応を行ってくださいね。

<報告されている主な症状一覧>

部位 花粉症 黄砂
アレルギー
風邪 新型コロナウイルス
かゆみ・充血・腫れ。 激しいかゆみ・充血・腫れ。 特になし。 ごく稀にに目の痛みや、まぶしさを感じることがある。
透明でサラッとした鼻水と、鼻づまり。くしゃみが頻繁に起きる。 鼻水や鼻づまり、激しいくしゃみ。 透明でサラッとした鼻水や、黄色や黄緑色の粘性鼻水。くしゃみや、鼻づまりになることもある。 少量のさらっとした鼻水。嗅覚障害が起きることがある。鼻づまりを感じることも。
痒みや咳が出ることがあるが、痛みはそれほどではない。 咳、痰、のどのいがいが感がある。 喉に痛みが出やすく、つばを飲み込むだけで痛いことも。痰や咳、声枯れなどが出る場合もある。 痰を伴わない乾いた咳。初期は、のどの痛みや、声のかすれなども。症状が進むと激しい咳を伴うことも。
皮膚 顔や首など露出している場所がかゆくなる。時には、耳の中や全身のかゆみも。 付着箇所のかゆみや、蕁麻疹等を誘発しやすい。 特になし。 不明。
全身 微熱がでることがある。頭がぼんやりすることも。 頭痛。喘息や花粉症等のアレルギー疾患の悪化を招く可能性がある。 微熱だけの場合もあれば、高熱を出すことも。熱が内側にこもった感じや、倦怠感を感じやすい。胃の不調や下痢を起こす場合もある。 高熱、頭痛、筋肉痛、はき気(嘔吐なし)悪寒、息切れなど。強い嗅覚・味覚障害や、倦怠感、下痢などを伴うことも。

※表に記載の症状は、類似する症状を比較するための一例です。
※表に記載の症状とは、異なる症状が出る場合があります。
※新型コロナウイルス感染症は、症状がみられない場合や、軽い症状が出るだけで済む場合もある一方、基礎疾患を持っている方などで、肺炎など重症化する場合もあります。また、心疾患、血液凝固障害などの合併症を起こす場合もありますので、心配な症状がある場合は、保健所・医療機関にご相談ください。


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3.これだけは抑えておきたい!共通する基本的予防法とは?

新型コロナウイルス感染症の感染予防として、私たちの日常となった「手洗い・うがい・マスク」ですが、もちろん花粉症や黄砂アレルギーの予防にも効果が期待できます。

さらに、ウイルスや花粉や黄砂に極力触れないようにするためにも、不要不急の外出は控えたいもの。特に春先は、体調を崩しやすいタイミングであり、私たちの身体は不安定になりがちで、ウイルスの侵入を防ぐ力が弱まったり、アレルギー物質に過剰反応しやすくなっていますので、注意しましょう。

屋外での激しい運動は、花粉や黄砂を大量に吸い込む原因となります。ランニングではなくウォーキング程度にしたり、屋内施設でのヨガなどで適度な運動を心掛けるようにしてくださいね。

特に、黄砂が飛来しているときは、屋外で運動をしていた子どもやご年配の方の呼吸器系疾患による救急搬送が増えるとの報告も出ています。既往症がある方、特にぜんそくをはじめとした、呼吸器疾患のある方は十分に注意してください。

また、外出した際には、玄関に入る前に服についた花粉や黄砂を払って入るように心がけましょう。玄関の中に入ってきて、安心してから服を叩くと、家の中に花粉や黄砂を連れてくることになってしまいまから、十分ご注意を。身体や髪についた花粉や黄砂、ウイルスを落とすためにも、帰宅後は早めにお風呂に入るように心掛けてくださいね。


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4.漢方の力で、花粉や黄砂、ウイルスの身体への侵入を防ごう!

ウイルスやアレルギー物質は、私たちの身体にとっては外からやってくる厄介な侵入者のようなもの。彼らを簡単に侵入させないために、皮膚や粘膜がバリアを張ってくれています。でも、様々な要因でバリア機能が落ちてしまうと、簡単に侵入を許してしまうことになってしまいますよね。

バリア機能を常に最適に保つために、予防としておすすめしたいのが「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」。中医学では、私たちが持つバリア機能を「衛気(えき)」として、常に私たちの体を護衛してくれていると考えています。しかし、何らかの原因で、「衛気」をしっかり張り巡らせることができなかったりすると、ウイルスやアレルギー物質の侵入を防ぐことができなくなってしまうのです。

「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」は、大切な衛気を助けたり、整えたりするはたらきがあります。「衛気」をしっかりと身体に張り巡らせるためにも、あらかじめ備えて服用するか、症状が出はじめてから時間をおかずに飲むのがおすすめですよ。

※玉屏風散については、こちらからもご覧いただけます>>>

また、中医学では粘膜は潤いを好み、乾燥を嫌うと考えています。のどや鼻の粘膜の乾燥を感じたら、加湿をする、うがいする、水を飲むなどして、乾燥させないように心がけてくださいね。


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5.毎日の食事を上手に活用して、身体の中からも予防しよう!

私たちが毎日欠かすことなくとる「食事」。旬のものを味わったり、ご褒美ご飯を楽しんだり。食の楽しみ方はいろいろありますが、毎日の食事に薬膳のエッセンスを取り込むだけで、ウイルスやアレルギーに負けない体を作ることができます。

今回は、厄介な侵入者を撃退してくれる衛気や、鼻やのどを守るためにも欠かせない潤いを保つために、おすすめの食材をご紹介しましょう。

まずは、衛気のもとである、「気」を補ってくれる食材からスタートです。

<補気 hoki>不足している気を補う
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山芋、大棗(たいそう)、タコ、鶏肉、甘酒、みそ、かぼちゃ、牛肉、粳米(うるちまい)、もち米 など

補気と併せて、気の巡りをよくする食材も、積極的に取り入れていきましょう。

<理気 riki>気の流れを良くする
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大葉、茗荷(みょうが)、そば、玉ねぎ、陳皮、赤ワイン、ジャスミン、紅茶 など

さらに、乾燥が大敵な今だからこそ、身体の内側から潤いを与える食材も欠かせません。

<滋陰 jiin>津液を補い、潤いを与える
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
あさり・いか・うなぎ・カツオ・牛乳・クコの実・黒豆・黒ゴマ・ほうれん草・松の実など

今回ご紹介した食材を意識しながら、バランスの良い食事を心がけることで、身体の内側からエネルギーや潤いを補うことができます。

とはいえ、毎日の献立に、どうやっておすすめの食材を取り入れていいかわからないですよね。そんな時は、国際薬膳師監修の薬膳レシピにチャレンジしてみませんか?薬膳といっても難しいものではありません。いつも冷蔵庫に入っている食材と組み合わせるだけでOK!珍しい食材も難しい手順も不要で、ご自宅で手軽におすすめの食材を使った薬膳が作れますよ。

<国際薬膳師監修!アレルギーにもウイルスにも負けないためのお手軽薬膳レシピ>は、こちらからご覧いただけます。

補気の食材を使ったレシピ:里芋と鶏ミンチ もち麦入りのコロッケ

理気の食材を使ったレシピ:たけのことアサリのもち麦入り炊き込みご飯

滋陰の食材を使ったレシピ:すりおろしレンコン入りのきのこと貝柱の豆乳スープ 

身近な食材がもたらす様々な働きに感謝しながら、気軽に薬膳料理を楽しんでくださいね。

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今回は、花粉症と黄砂アレルギー、そして新型コロナウイルス感染症について、それぞれの特徴や症状をご紹介しながら、いずれにも共通する対策をご紹介しました。

花粉症や、黄砂は原因となる物質が飛来しない時期は症状は治まりますが、新型コロナウイルスは、なかなかそうはいきません。ワクチンの接種が始まったとはいえ、全ての人にいきわたるには時間がかかります。こんな時だからこそ、漢方や薬膳の智慧を取り入れて、身体の内側からウイルスやアレルギー物質の侵入を防いでいきましょう!

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<次回「Naturalist Web Magazine」のお知らせ>

~2021年4月13日(火)配信予定 ~

「Naturalist Web Magazine_Vol.50」では、

「五月病にならないために!今からできる春のうつ対策」をお届けします。

コロナ禍で迎えた2度目の新年度は、例年以上にストレスがかかりやすく、五月病にかかる人が増えるのでは?といわれています。心身の不安を抱えてしまう前に、今からできるメンタルサポートについて、心も身体も健やかであるためのヒントも交えて、お届けします。

※ 次回予告内容は、変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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~「Naturalist Web Magazine」は、毎週火曜日の配信予定~

今後も、自然の薬箱ならではの様々な情報を予定しています。どうぞお楽しみに。

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